ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい(再送版)
第526号
2020/04/16(Thu)
http://caretown.com/

※2日前の配信に一部、前号のコラム等が含まれていました。修正した再送版をお送りします。どこが変わったか?全体的に微妙に変えました(^^;)。

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの応援:「新型コロナウイルスで浮き彫りになるこの国のカタチと医療現場・介護現場の使命感と崇高ながんばり」
[2] 注目のニュース
[3] 連載のお知らせ
[4] ニッチな編集後記(ちょっと長め(^^;))

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■ ムロさんの応援

===「新型コロナウイルスで浮き彫りになるこの国のカタチと医療現場・介護現場の使命感と崇高ながんばり」===
      
 新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見えないなか、先週、政府から「緊急事態宣言」が発出されました。戦後初の事態にメディアの伝え方もヒートアップしています。
 宣言といえど内容は「自粛要請」的な言い回しが多いため解釈もさまざま。
 補償なき自粛要請はいわば個人や事業者に自己決定と自己責任を押し付けるようなもの。これでは中小企業や小規模事業者だけでなく、共働き家庭や一人親家庭、生活困窮世帯、ネット難民などは数か月後に死に体になるかもしれない事態なのに・・・

 この間の政府(安倍首相)の話し方で気になるのは「勇ましいあいまいな言葉」をやたら強い口調で言い切ること、言葉に詰まれば「政治判断」の言葉で逃げること。そしてやたら謙譲語を使いまくるということ。とくに敬語です。いくら聞いても気持ちが伝わってこない。まさに国民との間にもソーシャル・ディスタンスとは。実にこざかしいやり方です。まさに慇懃無礼(表面上は超丁寧さで持ち上げている風を装い、実は尊大で本音では相手を見下げている態度)の極みではないでしょうか?

 国に集まっているのは税金という名の元はといえば「国民・事業者のお金」です。そして消費税は子どもたちや貧困層ふくめて全国民(在日外国籍の人たち含む)を「納税者」にしたのです。国会議員や官僚たちが勝手気ままに差配できる財布ではありません。全国民や事業者が納税の義務を果たしているのにその国民や事業者を守れない・守ろうとしない日本の政治家や官僚の「常識」とはなんなのでしょう。

 ここ数か月、まったく収入がない・先が見えないと疲弊している国民や事業者を前に高額の議員報酬になんら非を感じないこの感覚。2割なんて少なすぎます。ビートたけしの「議員報酬を半分返せ!」という言はまさに的を得ています。なぜ自主返納(寄付)するくらいの誠実さを持ち合わせてはいないのでしょうか?企業なら経営者が給料カットするのは当たり前です。

 ドイツ政府は総額500億ユーロ、日本円にしておよそ6兆円の支援策です。従業員が5人以下の事業者や個人事業主の場合、最大9000ユーロ、日本円にして100万円余りの補助金を支給しています。
 どうして日本政府は躊躇するのか・・・事業補償や生活補償のお金はいわば緊急の輸血。日本経済を死に体にさせず、まずは延命させる唯一の方法をなぜ選択しないのか。なのに「休業補償をしている国は世界に例がなく、日本は世界一の支援国」と平気で嘘(ホラ)が言えるのでしょうか(それもNHKで)。

 いま、コロナウイルスの感染防止の最前線で身を挺してがんばっているのは医療現場と介護現場の方々です。みずからの感染危機を案じながらも医療専門職としての倫理と大義、そして崇高な使命感にかけて治療に励む姿に心から感動しています。
 致死率が15%以上と高い80歳代以上の方のケアにあたる介護現場のみなさんはまさに最後の防波堤です。いったん施設内で感染が広がればクラスター化してしまうという危機感は相当なストレスとなって現場を疲弊させています。そして先週から施設内感染が有料老人ホームやグループホームで広まっています。

 いよいよ深刻な経営危機が医療と介護事業者に迫っています。患者と利用者の激減が日本の医療インフラと介護インフラの屋台骨を揺るがし始めています。

 「三密(密閉、密集、密接)」が医療やケア現場の基本です。しかしそれをするなと指摘をされているのが今です。医療や介護で築き上げてきた「寄り添い、つながり、居場所」という三大キーワードはコロナウイルスの前では「加害者・被害者」を生み出す「けしからん行為」として私たちに迫ってきます。

 ではどうすればよいのか・・・ここまでを想定した答えを誰も持ち合わせていません。トライ&エラーの繰り返しのなかで、その答えを築き上げていくこと・・・現実的には、すぐにはあたらしい時代へのアンサーは見つけられないのかもしれません。
 しかし希望を持ちましょう。
 これは日本と世界が大きく質的に変わる機会となることは確かなのですから。

 以下のサイトのコロナ対策がとても具体的でわかりやすいのでご紹介します。
 【コロナ対策】訪問看護ステーションが今できること
 https://www.shf.or.jp/information/8026


■ 注目のニュース

1.新型コロナ緊急対策を決定~補正予算案16.8兆 収入5割超減の企業に給付金
 政府は7日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活困窮世帯への現金給付などを盛り込んだ緊急経済対策と一般会計で総額16兆8757億円の2020年度補正予算案を閣議決定。昨年末の総合経済対策や新型コロナウイルスに関する緊急対応策第1弾・第2弾の執行残などを合わせた財政支出は39・ 5兆円、事業規模は108兆円で過去最大。財源は新規国債を発行して賄います。社会福祉施設への応援職員の派遣や、業要請を受けたデイでかかる経費の支援なども。

2.介護事業者を全面支援 競合より共存、経営ノウハウ惜しみなく投入
 SOMPOケアは今月から、介護サービスを営む事業者や新規参入事業者に向け、自社で培った経営ノウハウを全面的に提供する新たなサービス「ビジネスプロセスサポート(BPS)」を開始。事業を統括する事業部の中島邦彦部長は「介護保険制度の持続可能性は、市場の大半を占める中小介護事業者が元気でいられるかどうかが鍵。実績のあるSOMPOケアだからこそ、競合ではなくビジネスパートナーという新たな役割で共存していくことを決意した」と話す。 

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報
 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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★ 新連載のおしらせ!!!

 ◎中央法規:月刊おはよう21:コミュニケーション・ケアのレッスン
 └→連載「3つの演技スキル~身体的・精神的・関係性~」(Vol.2)
 演技のスキルを介助技術や相談面接手法に活かすユニークな連載が開始!


◇ 編集後記
 今回のコラムはいつもの1.5倍ほどに。それほどに政治と現場とのこの間の乖離に腹立たしさが募るからです。在宅医療を推進する医師のメーリングリストに加えてもらっています。ウイルス感染が地域医療を分断し壊しています。まさに武器無きなかでのウイルスとの闘いです。治療薬なし、防衛手段(医療用マスク、予防具など)なし、療養ベッドなしのなかで医療者たちの皆さんさえ感染し倒れているという・・・医療崩壊の生々しい実態が情報交換されています。介護現場ではケアマネがウイルスの運び手になるリスクもあり、訪問することもできない状態です。
 そんななか星野源の♪「うちで踊ろう」に安倍首相がペットとくつろぐ姿の動画を公開。こんな神経を逆なでする行為をどうしてやってしまうのでしょう?この空気読めない感は幻滅でしかありません(爆問の太田評は「間抜けだよなぁ」)。そして昨日から居宅事業所に利用者分のマスクの入った段ボールが。どうやらケアマネに強制的に配布しろとの指示のようです。この総予算が466億円とは・・・これがあれば1億枚の医療用マスクが用意できるそうです!コロナ禍は介護保険20年目に見えざる矛盾をあぶりだすことでしょう。<ムロ>


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