ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第523号
2019/07/23(Tue)
http://caretown.com/


▼今週の目次▼
[1] ムロさんの未来予見:「国会はこれからバリバラ化する~重度障害者国会議員の誕生~」
[2] 注目のニュース
[3] 連載のお知らせ
[4] ニッチな編集後記

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■ ムロさんの未来予見

===「国会はこれからバリバラ化する~重度障害者国会議員の誕生~」===

 令和初の参院選の結果が出ました。憲政史上2番目の長さになった安倍政権が向かえた参院選。盛り上がりに欠けるとは言われていましたが、今後の政局の分岐点になるのではと私は予測しています。
この参院選の結果をどの軸で評価を行うのか、は識者やメディアでなく、有権者一人ひとりの判断にゆだねるわけですが・・・たとえば戦後2番目の投票率の低さを「悪さ」ととるのか「政治への幻滅」ととるか、選挙活動の敗因か、はたまたお決まりの若者の無関心さか。いやいや「自民党政治への信頼度の高さ」ととるのか・・・

 今回の参院選で新しい風となったのは「れいわ新選組」でした。党首は元俳優の山本太郎さん。彼が「たけしの元気が出るテレビ」で海パン姿の衝撃デビューしてからずっと気になる存在でした。6年前の参院選出馬では「色モノ」候補として扱われましたが、今回はまったく違いました。4月に結党なのに、ほぼ4カ月後に2名の当選とは驚きです。その2名がALSの舩後靖彦さんと全都在宅障害者の保障を考える会代表であり全国公的介護保障要求者組合書記長の木村英子さんです。

 このお2人を特定枠に持ってきた時、多くの人は「本当に選挙活動ができるのだろうか」と思い、今回、当選して「どのようにして国会に出席できるのだろうか」と頭の隅っこで気になっているのではないでしょうか。

 実は当選が決まり、早速、国会の受け入れ態勢が話題に上っているようです。木村さんは「国会が重度障害者を入れてくれるのかというところから始まる。どれだけ合理的な配慮が整うのか。乗り越えなければならない壁だ」と語っています。

 私が思い出したのは青い芝の会という脳性麻痺の人たちの障害者団体の積極的な活動です。なかでも有名なのが1977年の「川崎バス闘争」と呼ばれているバスジャックです。当時の路線バスは車いす乗車拒否が当たり前でした。それに抗議してバスの前に座り込んだり、消火液をぶちまけたりして、28時間にわたってバスを占拠したという事件でした。

 「空気を読む」という隠喩がマイノリティの言葉を押しつぶすことになると指弾し、「健全者がつくった空気は、障害者を排除するためのものだから読む必要はない」(荒井裕樹氏)とまで言い切ります。

 これまでの国会で障害者として登壇したのは車いすの矢代英太さんです。しかし、今回はさらに重度のお二人です。舩後さんは自力でほとんど体を動かせず、意思疎通には特殊な機器が必要です。常時、介護者も必要です。木村さんも電動車いすを片時も話せません。このお二人が国会に出席するためにはハードのバリアフリー化はかなり進む事でしょう。しかしそれだけではありません。

 私が期待するのは国会の論戦風景の変化です。怒声と野次は論戦ではありません。そこに二人がいたら「合理的配慮」として怒声も野次もない冷静な論戦が繰り広げられることでしょう。
 なにしろ何をやりとりしているのか、さっぱりわからない、聞こえないのですから。(※この有り様が若者の政治離れの原因となっています、多分)

 そしておそらく二人の介護者として非議員となった山本太郎さんが傍にいることもあるでしょう。彼の冷静な目で国会をウオッチして、SNSを通じてわかりやすい言葉で拡散してくれるでしょう。

 木村さんは日刊スポーツの取材に次のように答えています。
 「地域で障害者が生きることが出来る政策を勉強したい。地域で生きる場合、介護保障が重要。施設に入らざるを得なかったり、合理的配慮がないから(地域に)出られない。健常者と同じように生活したいと望む人が、地域で安心して生活できる保障、バリアフリーを直したりしていきたい」
 この地域を「国会」と読み換えたとき、国政もまた障害者にとって活躍できるフィールドになりうる、と。次期衆議院選や地方選で応援する側でなく障害当事者が多く立候補するのでは、と私は期待します。

 まさに国会、いや政治が「バリバラ化」する・・・みなさん、どう思われますか? 


■ 注目のニュース

1.在宅も特養に 定期巡回で新たな活路~ヘルパーにやりがい、定着率もアップ~(京都市・特養久世ホーム)
地域包括ケアシステムが目指される中、京都市の社会福祉法人清和園が運営する特養ホーム「久世ホーム」では2016年から『在宅特養』という方針を掲げ、入所サービスに代わる地域生活支援に力を入れている。主軸は定期巡回サービスだ。参入から3年経ち、口コミや外部のケアマネジャーからも利用者が集まるようになり、今では50人超。既存の訪問介護や特養にはないやりがいが人材定着にもつながっている

2.リハ多い訪看ST「問題」 ~中医協 規制強化求める声~
来年度の診療報酬改定について議論している中央社会保険医療協議会(田辺国昭東京大学大学院教授)は17日、「介護サービスとの連携」や「訪問看護の利用状況」について議論した。診療側、支払側双方の委員は近年増加している理学療法士の割合が高い訪問看護ステーションに着目。PTが8割を超えるステーションでは24時間対応体制加算の届出割合が少ないなど、「健全な運営が行われていないのではないか」といった指摘が相次いだ。 

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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★ 連載のおしらせ

 ◎中央法規:月刊ケアマネジャー7月号高室流つながりのデザイン術
  └→新連載「家族と〇〇をつなげる」(Vol.4)



◇ 編集後記
 吉本興業が超揺れています。カラテカの入江が吉本の芸人たちを反社パーティーにアテンドしたことから始まったこの問題。その矢面に立たされた宮迫&亮の電撃記者会見を土曜日2.5時間かけてAbemaTVで視聴。彼らの涙の証言に胸が痛くなりました。そして月曜日14時から急きょ行われた5.5時間にわたる岡本社長の会見も視聴。芸人ファーストと言いながら口ばかりの回答の数々。下積み芸人も第一線級の芸人もどこかさげすんでいる口ぶりにはらわたが煮えくり返るような気分です。芸人たちもいっせいにSNSなどで声を上げています。少年時代から吉本印で育った生粋の関西人ですから、この一連の騒動が悲しいやら情けないやら。「笑いは世界を救う」を地でめざす健全吉本の再生を強く期待します。<ムロ>


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