ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第522号
2019/06/19(Wed)
http://caretown.com/


▼今週の目次▼
[1] ムロさんの予知予見:「高齢者ドライバー対策は地域包括ケア“推進"の一大テーマ」
[2] 注目のニュース
[3] 連載のお知らせ
[4] 編集後記


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■ ムロさんの予知予見

===「高齢者ドライバー対策は地域包括ケア“推進"の一大テーマ」===
      
 高齢者ドライバー問題は10年前から地域包括ケアのテーマとして上がっていました。免許返納が話題になっても「買物弱者をつくるだけ」「社会参加には必要」「他の移動手段がないのをどうする!」「ひきこもってしまい認知症が進むだけ」と、問題はあるけど仕方ないという中途半端な空気で済ましてきた印象があります。

 ところが昨年の5月、茅ケ崎市で90歳女性が横断中の4人を死傷する事故がありました。そして今年4月に池袋で87歳の男性ドライバーが母親と幼い女児をひき殺し、自分も含め8人の負傷者を出した事件はあまりに悲しい事故でした。
 さらに全国で起こっている高速道路や一般道での逆走事故。その多くがなんらか認知機能に支障がある(認知症ドライバー)高齢者が起こしたことも明らかになってきています。

 これらの事故をきっかけにメディアもヒートアップ。特集も「なぜ高齢者が交通事故を起こしやすいか」という原因追及特集から、「どうしたら事故を防げるか」という対策特集に軸足が移っています。ハード面では自動運転技術の導入、急発進抑制ペダルの装着、走行速度の制限などがいわれ、ソフト面では認知機能検査の質問のレベルアップ、高齢者技能訓練の義務化、制限免許の導入、環境面では運転エリアの指定、巻き込み事故防止のためのスクランブル交差点化、制度面では免許返納者への支援(金銭面、ポイント制)や急発進抑制ペダル装着補助金などがあります。

 たしかに10年前なら今回事故を起こしている人は70代でした。ところがあれから10年。60年世代ほとんどが80代となりやがて90代に。そして10年後には団塊世代が80代になるわけです・・・。
 ここでなんらかの先手を打っておかないと、「少子化」を嘆きながら高齢ドライバーの交通事故で子どもたち(未来の社会人)の命を奪い、その家族に不幸を強いるという「愚の骨頂」をしていることになりかねません。

 たしかに免許返納の動きは確実に増えています。
 しかし高齢者の人に運転を止めさせるという発想だけでなく、安全に運転できる仕組みと技術的サポートと環境づくり、運転しなくても暮らせる人的サポートとまちづくりおよび消費流通網づくり、そのための制度的支援や医療的支援などを本腰入れて俎上にあげるタイムリーな機会ととらえることです。
 それこそ地域ケア会議が取組むテーマであり、第8期介護保険事業計画に反映され取り組むべきと考えます。

 地域包括支援センターにいまさまざまな問い合わせや相談が押し寄せています。これを3人の専門職でこなすのは限界を超えており、早急な予算的・人的支援は急務となっています。
 危険(リスク)や危機(クライシス)を過度に怖れて動かないことでなく、まずは始められるところから真摯に向き合うことです・・・。



■ 注目のニュース

1.サ高住 品質向上へ行動規範〜サービス外付け、守ります〜(高住協)
           
 併設事業所から必要以上に介護サービスを提供しているという「囲い込み批判」が強まっていることを受け、高齢者住宅協会(小早川仁会長)は、今年度からサービス付き高齢者向け住宅の品質向上化事業に取り組む。利用者がサービスを選択する権利を守るなどサービス提供のあるべき姿を示す行動規範を策定。遵守宣言をした事業所について、ケアプランを提出してもらい内容を確認する。サービスの実態を見える化ねらいもある。
高住協 https://kosenchin.jp/kosenchinDefault/2_2015_09_11/P1.pdf

2.社会保障費の伸び 昨年度の目安を踏襲 〜目立つ担い手拡大施策〜
 政府は11日、経済財政諮問会議を開催し、経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案をまとめた。社会保障関係費については、昨年度同様、高齢化による増加分に相当する伸びにおさめるという目安に沿った予算編成を行うと明記している。21日にも閣議決定する予定。原案では、今年10月に全世代型社会保障の構築に向け、消費税率を10%に引き上げると明記した。一方で、来年度予算でも景気の落ち込みを防ぐ臨時・特別の措置を検討するとしている。 

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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★ 連載のおしらせ

 ◎中央法規:月刊ケアマネジャー6月号高室流つながりのデザイン術
 └→新連載「利用者と〇〇をつなげる」(Vol.3)



◇ 編集後記

 先週末、耳を疑うニュースが流れました。「和光市生活保護費返還金横領事件」です。2015年、生活保護の80代の女性が1200万円をタンス預金。それを発見したケースワーカーが250万円の返還金を回収。金庫に保管していたのを当時の保健福祉部長(福祉事務所所長兼務)が「その金は詐欺グループのカネらしい。警察に届ける」と嘘をつき200万円をネコババしたという事件です。その容疑者があの自立支援スターともてはやされてきた東内京一氏(容疑者?)というから残念です。さらに後日、新たに500万円を詐取したというネットニュースの報道もありました。彼のパワハラ的な言葉づかいややり方には功罪さまざまに耳にすることがありました。介護予防にかかわる功績には一部イチ目置きつつもいささか残念に思うことも多かったのですが、ここにいたっては立派な犯罪であり福祉・介護関係者や行政関係者を立派に裏切る行為。これはフォローのしようがありません。介護・福祉業界でなぜか数年ごとに起こるスターや団体の不祥事事件。これがどのように尾を引くのか気がかりです。(>_<) 
<ムロ>



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