ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第509号
2018/05/10(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの流儀:「わからない」を方法にする
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「仕事が速い人はどんなメールを書いているのか」(平野友朗著:文響社刊 定価1,350円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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■ ムロさんの流儀

===「わからない」を方法にする===

 問題意識を持たない人が増えていると思うことが多くなりました。
 つまり「なぜ?」と考えることはあまりせずに、SNSで誰かが言っていることやインターネットで誰かの解説を読んで、すっかり鵜呑みにしている人が多いなと・・・それは「知っている」だけで「わかっている」わけではないのに、そこまで考えることが面倒になるのでしょう。

 問題意識っていうと物騒な印象に受け取らないでください。なにごとも「問題あるな」とネガティブに見ることではありません。「疑心暗鬼」で相手や出来事をみることと勘違いしてはいけません。

 つまりは「問い」を立てて物事を深く考える姿勢(意識)のことです。

 「某AB政権はあれだけ叩かれても辞める兆しもないな。やっぱなにも変わんないな」と言うのはただの愚痴。「どうして某AB政権が女房の不始末まで国会でばらされても辞めなくても済むのだろう?」「ないと啖呵を切った文書が500ページもでてきてもAS担当大臣は屁のカッパなのだろう。彼を支えている信念とは何だろう?」・・・これが「問いを立てる」ことなのです。

 高室流にいう問題意識とは何事も「鵜呑みにしないこと」です。
 要するに「なぜ、そうなっているの?」「どうしてそう考えるの?」と「素直な疑問」を抱くことが大切なのです。人の言動や出来事、本や新聞・雑誌に書いてあること(厚労省の通知文なども)を丸ごとアテにすることは、正直、よくありません。
 ピンとこないなら・・・堂々と「わからない」と言い切りましょう。

 「疑う」というと、世間一般では「信用しないか、あなたは!」と解釈され、とても失礼な態度と誤解されがちですが、それはちょっと違うんです。
 疑うことは、物事の本質を深く理解する最初のステップです。「なぜかな?」と自問自答することなく、中途半端に「わかったつもり」になるほうが危険です。なにしろそこでヒトは考えなくなる(思考停止)からです。
 それを「妄信」といいます。

 残念なことに、日本には「わからない」ことは「恥ずかしいこと」と思ってしまうトラウマがあります。このトラウマのおかげでわかろうとする行為を手前で止めてしまいます。わからないと不安だから、とりあえず手っ取り早く「わかりやすさ」を求めがちになる。実はこの傾向はとてももったいないことなのです。

 欧米の教育は「考える教育」といわれ、自分で「なぜだろう?」と問いを立てて正解を考え抜くプロセスを重視します。つまり「どのように考えたらよいか」を考える力を養成する教育は子どもの「地頭」を強くするからです。
 いっぽうわが国は「正解を答えさせる教育」です。これが国際標準的にダメとされています。なにしろ先の読めない時代には「答え」は用意されていないのですから。
 
 わからないならわからないなりに、「なぜわからないのかな?」と一歩踏み込んで「わからない」を考えること・・・作家の橋本治さんは、「わからないからやる。それもひとつの方法」と含蓄ある示唆的な言葉を述べています。
 さてみなさんは、「わからない」をどうしていますか?


■ 最新業界ニュース

1.身元引受人不在で入居拒否3割〜「お一人様」に厳しい現実〜(みずほ総研)
           
 施設入所の契約手続きの中で、身元引き受け人などの名称で本人以外の署名を求める施設がほとんどで、署名がない場合は受け入れない施設も3割あることがみずほ情報総研の調査でわかった。今後、家族の支援が受けられずに最期を迎える人が増えることが予想される中、支援体制の構築は大きな課題といえるだろう。成年後見制度は機能していたが、医療行為や死後の事務手続き等に対応できないなど限界も指摘されていた。

2.認知症の意思決定を支援 (厚労省) 

 厚生労働省は、認知症の人の意思が反映された日常生活・社会生活が送れるよう、「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(案)」をまとめ、現在パブリックコメントを行っている。本人が信頼できる家族や福祉・医療・地域関係者と成年後見人などがチームとなって、本人の意思や状況を把握し、支援をしたり、意思決定支援の記録を残しておくことなどを求めている。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「50代の高次脳機能障害の男性の方です。とび職で半年前に建設現場の足場から転落して頭を強く打って1ヵ月入院されていました。突然怒ったりすることが多いらしく、定期訪問では奥さんのグチを聞くのが仕事だったりします」(M.Tさん 女性 ケアマネ歴4年)

【ムロさんの助言】
 できないことが多くなるため、どうしても苛立つ感情がつい爆発することも多くなるのが高次脳機能障害です。高次脳機能障害は「機能」は改善しないけど「症状」は改善するといわれるのはどうしてでしょう?それはリハビリとかかわり方にヒントがあります。病前の機能と現在の能力を比較しないこと。比較してしまう(前はできたのにねぇ・・・)と本人は自信喪失し関係は悪化します。「がんばれ!」は本人のやる気を削ぎます。「がんばったね!」と結果をほめる習慣が本人の承認欲求を満たし、本人と周囲に笑顔が増えると本人の活力が飛躍的にアップすることに。ケアマネジャーのみなさんがまずはその見本をご家族に見せ、あとで説明することで関係の改善が進むことでしょう。

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■ ムロさんの本棚から

「仕事が速い人はどんなメールを書いているのか」
(平野友朗著:文響社刊 定価1,350円+税)

【ムロさんの書評】
 10年前と比較して変わったなと思うのは「メールでのやりとり」が当たり前になったこと。以前は「それくらいなら電話で話したほうが早い」となっていたのが今では「メールでいただけますか?」がビジネスマナーになりました。声は消えモノですし、案外と説明が長くなりがち。ところがメールは内容が残るし、要件も整理できるので超便利となりました。ところがどういう文面がいいか、これは悩みどころ。小生も正直いつも悩んでいます。そこで本書です。「目的を伝えるための6W3H」「読めるメール、読みたいメール」「ブロック化と1行空きで美しく整える」「催促メールは逃げ道を用意して」などなど実践的なビジネスメール道はすぐに活かせる知恵の宝庫!おススメの一冊です。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
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※隔月で旬なテーマを取り上げ実践的に学べるスキルアップの場です。
│テーマ│「漂流する家族と家族介護の葛藤〜今、そこにある危機〜」
│日 時│7月28日(土)13:00〜17:30(受講料6000円:メルマガ会員5000円:スクール会員4500円) 
│申し込み│WEBにて→5月下旬から受付開始!


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「連載:高室流働き方改革〜どっちも大切!〜」(第506話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/33312

◎中央法規:月刊ケアマネジャー5月号高室流自分の磨き方入門
└→「関係力づくり」(Vol.2)


◇ 編集後記

 昨年からゴタゴタ続きのジャニーズ事務所。今度はTOKIOのYメンバーのセクハラ問題が勃発。というのも2月に起こっていたのをひた隠しにしていたのが3か月後の4月に公になったというのにびっくり。この3ヵ月間の彼の心情は想像するにも?なことが多いですね。メンバーが緊急記者会見をやったのをすべて見て、なんと友情深き人たちだ、と感心しましたが、ここでも?が。事務所の代表が表に出ていないのは相当に違和感。現場任せにも程があるなぁと。それにこれって完全な「♯Me to」運動につながることですよね。財務省の福田某に対して国会議員たちが騒いでいましたが、まさにこれもやり玉にあげるべきです。全米ではハリウッド女優たちがセクハラを受けた男優や監督、プロデューサーを実名で告発しているのに、日本はナシのつぶての状態です。これはあまりに奇妙です。ジャーナリストの女性が同じジャーナリストの男性にレイプされた事件も海外のような盛り上がりにはいたりませんでした。メディアも彼らの友情を称賛したりYメンバーの依存症ばかりを問題視するのでなく、芸能界に蔓延している「事の本質」を問わなくてはいけないのではないでしょうか。<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )





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