ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第508号
2018/04/26(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの見立て:「“違い"は個性〜実は“同じ"になりたくない私たち〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「相談支援員必携 事例でみる生活困窮者」(社会的包摂サポートセンター編集:中央法規出版刊 定価2,200円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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│テーマ│「漂流する家族と家族介護の葛藤〜今、そこにある危機〜」
│日 時│7月28日(土)13:00〜17:30(受講料6000円:メルマガ会員5000円:スクール会員4500円) 
│申し込み│WEBにて→5月受付開始!

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■ ムロさんの見立て

===「“違い"は個性〜実は“同じ"になりたくない私たち〜」===

 「みんな違ってみんないい」
 今もあせることのないワンフレーズ・・・詩人金子みすゞの詩の一節です。

 こんな単純な一節がなぜにこれほどに私たち日本人の心を打つのでしょう。
それは「みんな同じでなければいけない」「みんな同じでなければ嫌だ」「みんな同じで当たり前」という意識が私たちの心を縛っているからでしょう。

 そこに「違うことがいいことなんだよ!」と金子みすゞはOKを出してくれるのですから、どれだけ救われることか・・・この一節で「あっ、わたしはこのままでいいんだ」という安心感が得られるなら、この言葉は精神安定剤以上の効能があるといえます。

 発達障害に関する本が実に増えています。先日、新宿紀伊国屋書店の5Fに足を向けると縦3つの棚が発達障害コーナーに。10年ほど前は「子どもの〜」が主流でしたが、いまは「職場の〜」「働くあなたの〜」とグッと大人になった向きの本が増えています。

 そしてそして・・・以前なら精神科医の本か親の子育て体験記が多かったのに、なんと「当事者本」が多いこと!前者がちょっと暗め・深刻風(失礼!)とするなら、後者は「ちょっとライト感覚!」なのがおもしろいですね。漫画家さんが「私、発達障害です!」と子どもの頃からのトンでも体験の数々を実録モノ風に書いている本のインパクトはかなり・・・です(^^;)

 目を通して共通するのは、幼児期はたいてい「困ったちゃん」として親に叱られまくりな彼ら。それをジイジ・バアバがかわいがるというパターンで事なきを得ています。
 ところが小学校に入ると周囲には奇抜に見える行動が目立つ目立つ・・・
 おっちょこちょいでいつもバタバタしている(忘れ物常習とか)
 周囲の話題に関係なくいきなりしゃべってしまう
 集中するとやめられない止まらない
 心の中が混乱して怒ってしまう
 
 自我の目覚めとともに10歳くらいから「自分は他の人とは違うのじゃないか」とフト気づく自分がいるそうです。しかし日本は「同じ」を強要する社会・・・
 親からは「どうして他のみんなのようにできないの」と叱られ、周囲から「なんかキモイね」と陰口を・・・やがてシカトされ、小突かれ、仲間外れに。
 そう・・・なんらかのいじめ体験を発達障害のみなさんは持っています。

 では私たちは同じというのが好きなのでしょうか?たとえば「あなたが昨日買った同じブラウスを着た友人を街中で見かけたらどのような気分ですか?」と聞かれるとどうですか?たいていは「嫌です」と答えます。「同じだね、良かった!と言わないのですか?」と尋ねるとみんな首を振ります。
 「同じセンスだと思われたくない」「相手にどう思われるか心配・・・」
 どうやら「同じ」で近しさを抱くのは公的な所属(学校、職場)や立場であって個性に関わるものは「違っていたい」ようです。

 みんな違っていたい・・・でも同じであることを示したい。それは一種の集団不安からきているのかもしれません。そういう人からは本人らしい言葉は返ってきません。たいていは一般的な無難は意見ばかり・・・
 でも私の友人の発達障害くんは違います。実にユニークです。「なるほど、そう考えるんだ・・・」と会話はとっても盛り上がります。

 違っているから魅力的に見える
 違っているから素敵に生きられる
 違っているから他者の違いをとても尊重できる

 ちょっと違っている人、違っているのに堂々としている人、私は好きです。


■ 最新業界ニュース

1.「保険外」もケアプランに明記を〜混合介護で対応方針 通所で物販、外出同行はOK〜(厚労省) 

 厚生労働省は13日、訪問介護と通所介護において、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」を提供する場合のルールとする考え方を明らかにした。かねてから同時一体提供は認めず、「明確な区分が必要」としてきた姿勢は変わらない。保険外サービスの情報をケアプランに記載することなどを求めている。

2.2割負担者の利用控え3.8%〜「支出重い」が理由。止めたのは通所リハ〜 

 2015年8月に介護保険サービスの利用者負担割合が2割に引き上げられた利用者のうち、サービス利用を減らしたり、中止したりしている人は約4%にとどまっているとする調査結果を三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた。昨年度の厚生労働省の老人保健健康増進等事業の調査研究。絶対数は少ないがサービス減や利用中止の理由で最も多かったのは、やはり、「介護に係る支出が重く、利用を控えた」(35%)だった。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「職場のモチベーションが低いままなのがとても息苦しいです。誰だって楽しい職場にしたいのにそうならないのはなぜでしょう。同調ばっかりしていてもよくないだろうし。現場のリーダー役としてこれでいいのか。正直、私がモチベーションダウンの状態なの、わかってもらっていないような」(M.Sさん 女性 認知症GH職員 )

【ムロさんの助言】
 ストレスケアも大切ですが、モチベーションアップはもっと必要だと思います。なぜなら「ストレスはなくならない」からです。研修でも「仮にリラックスできても、その後、1時間の渋滞に会ったらどうですか?」と質問すると「イライラします」と。そうなんです、ストレスはなくなりません。軽くするためのケアはもちろん大切。私はストレスと上手に付き合いながらモチベーションアップできる手法を伝えています。いくつもの手法がありますが、意外と見逃しているのが「相手を認める、ほめる、応援する」ことで自分のモチベーションをあげる方法です。なぜなら相手の役に立つことだし、なにより「感謝の言葉」がもらえ、さらに伸びることで自分の喜びにできるからです。相手の価値観を認める、尊重することもけっこう喜ばれます。モチベーションアップで根性でがんばることではありません(^^;)

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■ ムロさんの本棚から

「相談支援員必携 事例でみる生活困窮者」
(社会的包摂サポートセンター編集:中央法規出版刊 定価2,200円+税)

【ムロさんの書評】
 平成27年4月に「生活困窮者自立支援法」がスタートとしました。生活保護対象者でない生活困窮者とは何か?従来のタテ割りの制度の谷間の人たち、困っているけど相談できる窓口を知らない、支援につながっているけど関係性のトラブルを抱えている人たちです。そこに共通するのはひきこもり、精神疾患、知的障がい、虐待、DVなどの課題が複雑に絡み合い「ミスマッチ」となっているということ。本書は3つの視点(表面にある困り事、背景にある社会の課題、排除を強化する価値観)を「氷山モデル」を使い38事例を整理。アウトリーチの手法を具体的に展開してくれています。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒「新シリーズ!高室センセイの本音の勉強会」(定員15名限定)
※隔月で旬なテーマを取り上げ実践的に学べるスキルアップの場です。
│テーマ│「漂流する家族と家族介護の葛藤〜今、そこにある危機〜」
│日 時│7月28日(土)13:00〜17:30(受講料6000円:メルマガ会員5000円:スクール会員4500円) 
│申し込み│WEBにて→5月受付開始!


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「高室流働き方改革〜どっちも大切!〜」(第506話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/33312

◎中央法規:月刊ケアマネジャー5月号高室流自分の磨き方入門
└→「関係力づくり」(Vol.1)


◇ 編集後記

 月刊ケアマネジャー5月号が届きました。カラーページにあの「ミスター介護保険」の1人である山崎史郎氏(64歳:元厚労省)が。まさに30代〜40代を介護保険ひと筋に生きた介護保険のレジェンドです。ケアマネジャー創設にも深く関わった人であり、当時の苦労はいかばかりかと察します。私も数回お会いしたことがあります。ページを開くといきなり「ケアマネは社会のインフラ、開拓者」という文言が。山崎さんがケアマネについて口を開くのはとても稀です。さすが芯が一本通っています。「ケアマネの本分は一貫して独立性と専門性」「ケアマネは20年単位で進化。独立開業は第2期から」「利用者から選ばれる時代。得意分野を持って事業所でシェア」などなど。「いずれ得意分野を持った複数のケアマネが集まった独立事務所も多くなる」と予見します。う〜ん、確かに!私は一貫して言ってきました。しかし、う〜ん、現実はいささかきびしいけど、目覚めているケアマネさんはいます。山崎さんの視野は生活困窮など「生きづらさを抱える人」への支援の重要性にも。日本介護支援専門員協会の顧問に推薦したい。(^^;)<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )





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