ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第505号
2018/03/15(Thu)
http://caretown.com/
▼今週の目次▼
[1] ムロさんの提案:「自助と互助と共助のハーモニー〜新たな支え合いのカタチ〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] ムロさんの本棚:「認知症になっても大丈夫!〜そんな社会を創っていこうよ〜」(藤田和子著:メディア・ケアプラス刊 徳間書店発売 定価1,600円+税))
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記
↓↓↓ 東京スクールのお知らせ ↓↓↓
⇒ケアマネジメントの学校(11)「地域包括ケアにおける実践的施設ケアマネジメント〜特養・老健・療養型・有料老人ホーム(住宅型含む)・サ高住〜」
(定員15名限定)
│日 時│3月18日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage3003.shtml
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■ ムロさんの提案
===「自助と互助と共助のハーモニー〜新たな支え合いのカタチ〜」===
「できることはできるだけ自分で行う」ことをめざす。
私はこの一文に驚きました。まるで小学校1年生に道徳を諭す先生の言葉のような一文が介護保険の公的説明にあったからです。「食事のお片付けもトイレのあともそれにお掃除もみんな自分でやろうね・・・」という、とても幼稚な言い回しが私の脳内をグルグルめぐりました。
「わざわざ大の大人にこんなことを・・・それも一方で人生の大先輩と持ち上げておきながら・・・」
まさにこれは「自助」を促すフレーズだったのです。それはいまではわかります。でもなぜ断らなければいけないか・・・介護保険で「自分でできることでもなんでもやってもらえる」と解釈する利用者(家族)がいるからです。なのに「介護サービス」と表現したものですからさらにまずかったかも。サービスとは「無料(ただ)」と思っている人がいるからです。
だったら「自分でできることは続けましょう」というフレーズのほうがまだわかりやすかったかも。ともあれ、自分でできることを誰かに頼ってばかりいるとやがて「できなくなってしまう」リスクをどれほどの人が理解しているか。
要するに自助を促すことほどむずかしいことはありません。「わかっているけどやめられない」のが人間の性(さが)。デイサービスならみんながいるせいでしょう、あんなにはりきって体操をやっても、その本人が一人の時はどうか・・・なかなかできるものではありません。
でもそこに近所や友人、子ども・孫から「今日、朝、10分の体操をやった?」と励ましの電話があったり、「近頃顔色がいいですね」「しっかりと歩けるようになってすごい!」とお褒めや前向きの評価をもらえればどうでしょう?
まさにこれが「自助を互助で支える」ことになります。
繰り返します。自助だけをいくら促してもなかなか続かないのが現実です。だったら、やらない本人に「すぐに歩けなくなりますよ!寝たきりになりたいのですか!」とつい言ってしまっても意固地になるのが関の山。なぜなら脅しと説教ですもん、これって。
介護サービス(共助)が入るとせっかくの互助が手控えをしてしまい、いつのまにか自助が孤立化。ようやく互助が気づいたときには要介護度は中重度レベルに・・・。
まさに互助だからこそ自助を支えるコト(介護サービスの肩代わりでなく心の支え)があるのではないでしょうか?「所詮、介護保険では限界がある」と嘆く人たちがいます。もちろん生活援助の切り下げなど問題だらけですが、介護保険だけでなんとかするべき、という主張?自体に違和感をいだきます。
互助を行うことが本人の自助につながり、共助ででききらない部分を互助がサポートする、そして自助のがんばりが将来の共助の負担を減らすことにつながる。
あたらしい「支え合いのカタチ」づくりをいくつもシミュレーションして発信していきたい・・・それが私の思いです。
だっていま全国でチャレンジが始まっているからです。
■ 最新業界ニュース
1.インセンティブ交付金活用を〜1号保険料の軽減可能に〜(厚労省)
厚生労働省は6日、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議を開催し、来年度からの制度改正・報酬改定、予算の執行方針を説明した。4月から施行される改正介護保険法の最大のねらいは、保険者機能の強化がねらいだ。PDCAサイクルで計画を着実に実行していくことが求められるようになる。「創設するインセンティブ交付金も活用し、取り組みを進めてほしい」と濱谷浩樹老健局長は話した。事業者の取り組みも含め地域全体をマネジメントすることが市町村には求められているという。
2.生活援助多過ぎプラン〜検証マニュアルを提示へ〜(厚労省)
介護報酬改定に伴う運営基準の見直しにより、「統計的にみて、通常のケアプランよりかけ離れた回数の訪問介護を位置づけたケアマネジャーは、市町村にそのケアプランを届け出ることが必要となる。10月以降に作成したケアプランから対象になる。独居・高齢世帯などさまざま事情をかかえる人がおり訪問回数が多いからといって、悪いとは限らないとした上で、「地域ケア会議 で多職種の関係者による検証を受けることで、地域課題の共有にもなる」と込山愛郎振興課長は話した。
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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」
「社会福祉法人の地域貢献事業が義務化となりました。わが法人でも取組みたいのですが、地域とどのような接点を持てばいいのか、どのような困り事があるのかがわからないです。」
(S.Hさん 女性 千葉市 特養施設長)
【ムロさんの助言】
社会福祉法人の「地域貢献事業」とは、一般の企業が地域のために行う社会貢献活動と同じと考えましょう。何をやればいいか。制度や公的サービスが届かないヒト(例:ホームレス、一人親家庭、中年ひきこもり)やコト(例:買物難民、移動難民)に社会福祉法人だけが持つ資源(ヒト、モノ、スペース、カネ、ノウハウなど)を活用することは他の一般企業や団体にはできません。地域の困り事は民生委員や町内会の人、地域包括支援センターが知っています。まずは聴き取りから。社会福祉法人は地域の「福祉拠点」として生まれ変わることが求められています。
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■ ムロさんの本棚から
「認知症になっても大丈夫!〜そんな社会を創っていこうよ〜」
(藤田和子著:メディア・ケアプラス刊 徳間書店発売 定価1,600円+税)
【ムロさんの書評】
看護師であり、認知症の義母の9年間も介護してきた本人が40代でアルツハイマー型認知症となります。藤田さんは新聞に連載される認知症専門医のコラムを読むと悲しい気分に・・・「そこに認知症本人の視点が何一つないことにショックを受けました。本人からの声を伝えたい」と9年前に新聞に投稿します。診断されて10年、藤田さんは軽度の状態で保ちながら生活してきました。それは悲惨で深刻な日々でなく「予想に反して幸福な日々が多かった」と書きます。「認知症とともに生きている本人が感じている感覚の実体」を伝えたいと本書は書かれました。「認知症になったらおしまいだ・・・」と思っていませんか?と藤田さんはあたたかく問いかけます。
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★ 東京スクールのご案内
≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)
⇒ケアマネジメントの学校(11:最終講義)「地域包括ケアにおける実践的施設ケアマネジメント〜特養・老健・療養型・有料老人ホーム(住宅型含む)・サ高住〜」(定員15名限定 残席10名)
│日 時│3月18日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage3003.shtml
★ 今週のおしらせ
◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「連載:3月号〜高室流働き方改革:どっちも大切!〜」(第506話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/33312
◎中央法規:月刊ケアマネジャー3月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
└→「仕事と人生〜単線人生と複線人生〜」(Vol.12)
◇ 編集後記
いま国会が空転状態です。ズバリ、森友問題です。問題と書きましたが、これは籠池理事長が起こしたゴリ押しの陳情話から、「忖度」続きで大チョンボをした財務省とそれを誘導(指示?)した現政府の問題となってきました。まさに一人の官僚の自死によりあぶり出されてきたわけです。その有様はあきれるばかり。なにせ公文書を「改ざん」していたわけですから。このようなことをやること自体、だれも想像しませんでした。これが昨年の3月に明らかになっていたら、昨年の総選挙騒動、ミドリのタヌキ女史による野党の分裂騒動などなどはまったく様相を変えていたでしょう。うまく隠しおおせたとタカをくくっていたドラ猫どもが追いつめられたネズミたちの強烈な反撃を食らったのでしょう。「武士の一分」という映画がありましたが、公僕である「官僚の矜持」をここでこそ発揮してもらいたい、と切に願っています(>_<) <ムロ>
個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )