ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第497号
2017/11/30(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの注目!:新定年者は「お宝の山〜スキルを持った高齢者」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「障がいのある人の性支援ガイドブック」(坂爪真吾著:中央法規出版 定価2500円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

↓↓↓ 東京スクールのお知らせ ↓↓↓
⇒ケアマネジメントの学校(8) 「苦情」に強くなる!苦情は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアマネジメント・ケアサービスの質の向上と権利擁護に活かす〜(定員15名限定 残席8名)
│日 時│12月10日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2912.shtml

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■ ムロさんの注目!

===新定年者は「お宝の山〜スキルを持った高齢者〜」===

 ちょうど数日前、私が尊敬する演出家:石塚克彦さん(劇団ふるさときゃらばん)の出版記念パーティーがありました。石塚さんは農村が抱えるさまざまな問題を笑いとパッションあるミュージカルに仕上げる名人でした。
 残念ながら2年前に他界されました。そこでのある方のあいさつです。

 「石塚さんが亡くなられたのがとても惜しい。実は先日、こういう話を聞きました。定年になって田舎暮らしをしている人たちも少し働かなくてはいけないので、トマトを栽培する会社で雇ったそうです。すると収穫が5倍になったというのです。なぜでしょう・・・その社長は、高齢者のスキルが高くてビックリですよと言います。一人はバイオの技術者、一人はシステムエンジニアですから、データをしっかりとって一気に収穫を上げてくれたと。外国人はいつの間にかいなくなるけど、そんな心配もない、とね。このネタをミュージカルに盛り込んでもらいたかったと心から思います。」

 このあいさつで注目したのは「定年後の意外な活躍」の話です。
 私の友人たちも「定年後どうするか」を考える世代になりました。しかし、どうやればいいか、は今一つはっきりしない。年金の受給年齢も引き上げられているので、ならば、そのまま残って給料5割減ながら継続雇用でサポート的な仕事に就く人が77%もいるという調査結果もあります。

 「アクティブシニア」という言葉があるように、現代の60歳はまだまだ若い。体力や知力・仕事力もあれば、なにより働く意思を持った人が多いのに注目したいのです。
 20年前なら「老後は悠悠自適な暮らし」が理想だったかもしれません。しかし、何もしない老後は退屈なもの。退屈な日々は体をなまらせ、気力を削ぎ、やがて「何もできない老人」を作り出します。

 団塊の世代が高度経済成長を引っ張ったといわれますが、その団塊高齢者が日本の年金制度や医療・介護保険制度の「お荷物」的な扱われ方をしています。「何もしない、何かしてもらえる」ようにおんぶにだっこなら確かにお荷物でしょう。しかし「仕事のスキル」だけでなく「老後の膨大な時間」を地域のために役立てようとアクションを起こしてもらえるなら、それは「宝の山」です。

 そして、わが昭和30年代生まれの「新定年世代」は、それに加えて「まとまって何かをやる」というセンスを持った人が多いのが特徴です。(団塊世代は数が多い分、突出すること、発言することばかりに長けた人が多い印象です)

 私は本業ボランティアを提唱しています。
 本業のスキルをボランティアで活用しましょうということ。震災時の医師や看護師たちのボランティアなどが一つの例です。施設の介護士やケアマネさんにはぜひとも定年後にはそのスキルをボランティアで活かしてもらいたいなと。ボランティアでやってこそ介護保険の枠をこえたユニークなことができるのでは・・・?まさにみなさんがアクティブシニアの予備軍であり「宝の山」と私は思います。(^-^)


■ 最新業界ニュース

1.生活援助「多過ぎ」プラン〜地域ケア会議で検証義務化〜(厚労省)

 厚生労働省は22日、居宅介護支援、老人保健施設などの報酬改定案を介護給付費分科会に提出した。飛び抜けて生活援助を位置づけているケアプランは、ケアマネジャーが届け出て、地域ケア会議で検証することを提案した。廃止も視野に検討することを求められていた特定事業所集中減算だが、訪問介護、通所介護、福祉用具レンタルの民間3大サービスは継続するとした。

2.「ちょっと介護で働きたい」研修に女性が殺到(練馬区)
 自治体独自の工夫をして家庭に眠っている未来の介護職の掘り起こしを軌道にのせたのが東京・練馬区だ。14時間と短時間で、研修時間も午前9時50分から午後2時半まで。子育てママが参加しやすいよう、事業者、行政が知恵を絞った。介護予防・日常生活支援総合事業による家事サービスの担い手になってもらう。11月中旬に行った研修会も定員70人に対し、140人を超える応募があり、倍率は2倍の狭き門となった。

3.介護職のフットケア 医師法に抵触せず(経産省)
 経済産業省は20日、高齢者介護施設に入居する高齢者の巻き爪や皮膚の乾燥のケアなどを介護職員が行うことについて、医師が治療の必要がないと判断すれば医師法第17条に規定する医療行為には抵触しないとする見解を発表した。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「サ高住のケアマネをやっています。会社から支給限度額いっぱいのプランを作るように指示されます。必要でもないのに入れなければいけないと言われ・・・。会社と利用者さんとの間で板挟みになり、正直ツライです」
(M.Yさん 女性 ケアマネ歴1年未満)

【ムロさんの助言】
 今回の介護報酬改定で財務省(これが妙ですが・・・)が問題視しているのがサ高住における「過大なサービス」利用。支給限度額の枠内でキッチリと介護サービスを組み込むことは悪いことではありません。しかし、サ高住に入る前の在宅で限度額の5〜6割の利用でやってきたのに、バリアフリーで狭い個室に暮らすようになったら10割利用することが前提になってしまうのはどうしてか、ということを私は疑問視し常々警鐘を鳴らしてきました。共有スペースがあるのですから無理に建物内のデイサービスを利用する必要もないはず。「疲れたので午後は部屋で休ませてくれ」と部屋に戻られたら、半日分を減額して請求しているかも気になるところです。どうやら来年の4月以降はサ高住のケアプランを地域ケア会議で検討することが決まりそうです。まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。

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■ ムロさんの本棚から

「障がいのある人の性支援ガイドブック」
(坂爪真吾著:中央法規出版 定価2500円+税)

【ムロさんの書評】
 なぜ障がいのある人たちの性に対して支援が必要なのでしょう。それは今まで「見て見ぬふり」をされてきたから。性については「個人的な問題」「自己責任・自助努力で解決すべき問題」という価値観が主流となっている、排泄はケアの方法や理論が確立されているのに性についてはまったくそうはなっていないと坂爪氏は語ります。たしかに性への支援を行わなくても明日からの生活が破綻するわけではないが、「長期的にみると性に関する支援の欠如は、本人及び家族、周囲の人たちの生活と健康に極めて深刻な影響をもたらしている」と問題提起します。性に関する支援の有無は「自尊感情」に影響を及ぼし、性的な積極性と社会的な積極性の間には「相関関係」があると分析します。
「性的自立」は人間らしさの獲得と主張する本書では、恋愛のスタートラインから性生活のスタートラインに立つための支援方法や実践的な事例も交えて展開されます。40代〜の中途障がい者支援や要介護の高齢男性支援にも参考となる内容です。

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★ 東京スクールのご案内

 ≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
 ≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
 (メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

 ⇒ケアマネジメントの学校(8)「苦情」に強くなる!苦情は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアマネジメント・ケアサービスの質の向上と権利擁護に活かす〜(定員15名限定)
 │日 時│12月10日(日)10:30〜17:00 
 │詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2912.shtml

 ⇒ケアマネジメントの学校(9)「ケアマネ事業所の人材マネジメントと心が折れないメンタルマネジメント〜人材採用・ケース担当・人材育成、ストレスケアとモチベーションアップ〜」(定員15名限定)
 │日 時│1月28日(日)10:30〜17:00 
 │詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage3001.shtml


★ 今週のおしらせ

 ◎中央法規『けあサポ』ブログ
 今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
 └→「会議力セミナーをやった!」(第503話)
 URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/30057

 ◎中央法規:月刊ケアマネジャー11月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
 └→「仕事と自分チャレンジ」(Vol.8)


◇ 編集後記

 最近、とみに凝っているのがAbema-TV。それも21:00から始まる2時間のニュース番組です。インターネットTV(無料)ですから放送倫理委員会を気にする必要もなく、社会のタブーをスルーすることなく果敢に挑むチャレンジ精神溢れる番組です。とにかく取り上げるテーマが実に早い。お笑い芸人もコメンテーターで出ています。なかでも昨日、嫌われ芸人村本が座間自殺サイト事件で実名報道の件で言及しました。「どうして被害者の実名報道をするのですかね。家族も嫌やと言うてるのに。番組ディレクターは事件を風化させないためだ、と言っていましたけど、ここ1週間、日馬富士の事件ばっかりですね。もう風化していません?」と指摘。この素朴な疑問はとても大切。疑問は本質をあぶりだす力を持っています。だからいつか書きたいものです、「ケアマネジャーの疑問力」を(^_^;)。 <ムロ>

個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )





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