ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第496号
2017/11/09(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの先取り!:AIやロボットたちだからできる「ケア」があるのかな・・・!?  
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「サイコパス」(中野信子著:文春新書 定価780円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

↓↓↓ 東京スクールのお知らせ ↓↓↓
⇒ケアマネジメントの学校(7) 「チームケア力で利用者(家族)・サービスのモニタリング〜ケアマネジメント評価とリスクマネジメント〜」
(定員15名限定 残席8名)
│日 時│11月19日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2911.shtml

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■ ムロさんの先取り!

===AIやロボットたちだからできる「ケア」があるのかな・・・!?===

 「人工知能(AI)がケアプランを作るんだって!無理に決まってます!」
 厚労省がいま、積極的にロボットやAIに肩入れをしています。これまで補助的な道具レベルだったのが、ソフトバンクのペッパーの施設導入の成果がなかなか好評なこともあり、思い切って舵を切った感があります。

 まずはAIがケアプランをつくるということですが、まずは指摘しておきたいのは「利用者の情報をブラウザで入力すればケアプランの中身が提案される仕組みを使う。入力する情報は、要介護認定の一次判定の際に調べるポイントなどが中心になる」ということ。これでAIがプランをつくるのはむずかしいでしょう。
 なぜなら、質問項目には心身の機能や認知機能は詳しく(それなりに)ありますが、暮らしぶりの項目はわずか。とくに個別性が高いのが食事や調理、掃除、移動先など。
 これを「支障あり、支障なし」「自立、見守り、一部介助、全介助」のざっくりした判断でプランニングされ、お決まりのワンパターンフレーズで作られては利用者はたまらないでしょう。

 ではロボットくんたちはどうでしょう。:現場の声では認知症の人にとってアシカのパロはすこぶる評判がいいようです。手触りもやわらかく横にするとかわいい声を出し目を閉じる様は、私にもなかなかに愛くるしい(^_^;)。
 デイサービスの玄関にペッパーがいて、利用者に「おはよう!」とあいさつ、今日のプログラムの案内をするのも効果があるようです。

 まずは「ヒト型ロボット」に日本人はとても親和性が強いようです。ところが欧米ではなかなか受け入れらないヒト型。その理由は「人間を作るのは神のみ」という原理主義的思い込みが浸透しているから。ですからグーグルが作った「おしゃべりするスピーカー」がせいぜい。日本のメーカーはあのレベルならヒト型ですぐに開発するでしょう。

 AIのすごいのは学習能力。ディープラーニングといいます。使い手の傾向を学習していくというもの。数万手あるという囲碁や将棋の差し手。それを名人とやりながら学習し、そして勝ってしまうというレベルに達しています。ならば、認知症の人との会話も案外難なくやれるでしょう。それに好きな話題、盛り上がる話題、過去の職歴などを入力しておけば精度はさらにあがります。

 それができるのも「音声認識機能」のレベルアップ。これを活用した「音声入力」は現場の記録作業に革命的な改善を促すことでしょう。
 さらに合成音声が進化すれば、本人が好む声(例:亡くなった妻の声)をAIロボットに話させることも可能でしょう。見た目もいわゆるロボットでなく「人形型(ドール型)」にすればひたすらリアルに近づけることも可能です。

 食事介助や移動介助、排泄介助、移乗などにはまだまだ課題山積、慎重になることは必要ですが、まずは話し相手から始めるのも手かも。なにせ同じ話題を繰り返しても疲れないのがヒト型ロボットですから。
 でも同じやり取りばかりだと認知症の人が飽きて怒ったりして(^_^;)。


■ 最新業界ニュース

1.「生活援助」に緩和型研修 厚労省『人材確保のため必要』(厚労省)

 厚生労働省は1日、介護給付費分科会に訪問介護サービスなどの見直しの論点を示した。生活援助サービスについては、初任者研修修了者である要件を緩和し、新たに生活援助のみの研修を創設することを提案した。人材確保のためという。来年度は、社会・援護局で初任者研修を緩和した「入門的研修」を開始。介護予防・日常生活支援総合事業の中で、多様な人材の確保のために、旧ヘルパー3級研修程度の入門研修を導入済みの自治体もあり、人材確保の「入り口」を混乱させることになりかねない。

2.賃金・実績に応じた報酬設定に!〜就労継続支援の安易な参入防ぐ〜
 厚生労働省は10月31日、障害福祉サービスの報酬改定を議論している検討チームに、就労系サービスの論点を示した。費用額や事業所数が急増している「就労継続支援A型サービス」については、平均賃金が急激に減少しているほか、利用時間を長くしながら労働時間を短くしている事業所もあるため、平均利用時間に応じた報酬を見直し、平均賃金や平均労働時間に応じた報酬を設定する方針を示した。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「文章がまとまりづらい。つい長々と書いてしまいます。それに読み返すと内容があちこちと飛んでいたり・・・。読む人がどのように受け取るのか、不安になります。自信を持って書けない」
(O.Hさん 男性 介護福祉士歴6年 介護歴20年)

【ムロさんの助言】
 先週の「文章・記録の上達術」での困り事で耳にした話です。ついつい長々と書いてしまうことはよりありがち。これって「何を書くか」が決まっていないことから生じます。まずは結論を書き、次に説明をするというパターンにするだけでスッキリします。介護記録ならば箇条書きで書くことをおすすめします。冒頭に「00:00」と時刻を入れればバッチリ。読む人の印象って正直こわいですよね。だったら、書き終わったら他の職員さんに読んでもらって感想とアドバイスをもらうことを「マイルール」にしましょう。それに文例集なんかを数回書き写すことで「スタイル」が身に付きます。できればPCでなく手書きが一番です。まずは手間を惜しまないことがポイントです(^-^)。

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■ ムロさんの本棚から

「サイコパス」(中野信子著:文春新書 定価780円+税)

【ムロさんの書評】
 「魅力的な人に出会ったとき、私はまず、その人がサイコパスである可能性を疑います」と語る脳科学者の中野信子氏。テレビのコメンテーターとしても活躍する氏が脳科学者の視点から書いた書です。氏によるとサイコパスには典型的な性格と特徴があり、共感力がない、恐怖を感じにくい、良心というブレーキがない、痛々しい画像にも反応しないなどのエピソードが語られます。それに外見や語りが過剰に魅力的でナルシスト、お世辞がうまく人ころがし、取り巻きが多い、常習的なウソつきで話を盛る、主張をコロコロと変えるなどなど。100人に1人の割合で存在しているといい、歴史上は革命家や独裁者、現代ではブラック企業の経営者、経歴や肩書が華麗すぎる人、炎上ブロガーなどに多いと分析します。ここまで読むと「あの人かな?」と浮かぶ顔もあるかも。座間市の9人殺害、津久井の障がい者連続殺人、後妻業の容疑者、いずれの犯人も多弁なのが共通しています。「危うさを知ることの大切さ」を語ってくれます。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒ケアマネジメントの学校(7) チームケア力で利用者(家族)・サービスのモニタリング〜ケアマネジメント評価とリスクマネジメント〜(定員15名限定)
│日 時│11月19日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2911.shtml

⇒ケアマネジメントの学校(8)「苦情」に強くなる!苦情は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアマネジメント・ケアサービスの質の向上と権利擁護に活かす〜(定員15名限定)
│日 時│12月10日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2912.shtml

⇒ケアマネジメントの学校(9)「ケアマネ事業所の人材マネジメントと心が折れないメンタルマネジメント〜人材採用・ケース担当・人材育成、ストレスケアとモチベーションアップ〜」(定員15名限定)
│日 時│1月28日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage3001.shtml


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「会議力セミナーをやった!」(第503話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/30057

◎中央法規:月刊ケアマネジャー11月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
└→「仕事と自分チャレンジ」(Vol.8)


◇ 編集後記

 今回の「私の本棚」では中野信子著「サイコパス」を取り上げました。座間市の事件は「そういうやり口(複数のアカウントでのなりすまし)で誘い込む人間がいたのか」「こんな凄惨なことを数日ごとにやれる精神状態ってなんだ?」「SNSって怖い」などさまざまな受けとめ方があるかと思います。私もなぜこのような事件が起こったのか、いまだ整理できていません。このような事件では精神病理学の視点からの読み解きがされがちですが、脳科学からのアプローチも参考になるのではと思い推薦しました。「薄気味悪いから考えたくもない」という気持ちもわかります。しかし、知ることを恐れて現実を見誤ることだけはしてはいけないと思いますが、いかがでしょうか?※ちょっとお休みしていたFacebookが復活(^_^;)。ご覧ください<(_ _)> <ムロ>

個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

■ 全てのお問い合わせはこちらまで→ info@caretown.com
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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )





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