ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第491号
2017/08/31(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの問題提起!:今問われる「自立支援」を考える
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「認知症『ゆる介護』のすすめ」(柳本文貴著:メディカ出版 定価1800円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

↓↓↓ 東京スクールのお知らせ ↓↓↓
⇒ケアマネジメントの学校(5) 多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜(定員15名 残席7名)
│日 時│9月17日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2909.shtml

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■ ムロさんの問題提起!

===今問われる「自立支援」を考える===

 いま、介護給付費分科会で「自立支援」がなにかと話題になっています。中味はというと要介護度が改善したらインセンティブをつけてはどうかという議論にはじまり、市町村の要介護の認定率が下がったら国から財政的支援をするなどの「ニンジンぶら下げ」議論までいろいろ。

 その論拠はいずこも「このままでは介護保険財政が破たんする」というもの。たしかに、もうあとわずかで団塊世代が後期高齢者となります。平均寿命も延びていますが健康寿命も伸びています。そして要介護となってからの寿命も長くなっていますから、当然に介護保険財源もきつくなります。
 だから介護保険からの卒業をめざしての「自立論議」なのですが、いささか浅いというしかありません。

 なにしろ、いくら卒業をあおっても加齢にはだれも勝てず卒業?した85歳の人も10年後にはかならず95歳になるわけで・・・。生活不活発病といわれるのも癪なのでちょっとがんばりすぎたおかげで庭で転倒し要介護となる・・・これって「落第」ということなのでしょうか。

 介護保険スタートの5年ほどは「できることはできるだけ自分で行う」というフレーズがかなり言われましたが、今はあまり聞きません。どうにもサービスという呼称から、介護保険はいろいろとやってもらえるものとのイメージが国民に定着した感があります。(某有料ホームなどが「おもてなし」を流布していることも影響しているでしょう)

 もともと介護保険は「尊厳ある生活を支える」つまり「自律(自分で決める)を支える」ことに重きを置いていたのに、「自立(自分でできるようになること)」ばかりを重視するように変質してしまったよう・・・介護予防なら納得できますが、要介護3〜5の人にとっては「できないこと」は「いけないこと」「申し訳ないこと」と思いこませるだけではないでしょうか?
 自己への否定感や引け目感のなかから「できるようになろう」という前向きな気持ちは起こってきません。
 「自立支援」が要介護者を追いつめる説教のようになっていないでしょうか。


■ 最新業界ニュース

1.自立支援QOLの評価必要〜「要介護度指標」異論相次ぐ(介護給付費分科会)

 社会保障審議会介護給付費分科会は23日、自立支援の取り組みを促すために介護報酬でインセンティブをつけるかなどについて議論した。要介護度の改善を目安にすることについては、否定的な意見が多い。訪問系サービスの使い過ぎを防止するため、集合住宅の減算が適用されている場合にも区分支給限度額の計算は減算前の報酬単価を使うことも提案された。

2.GH6割「不適切ケア」あり〜虐待要因はストレスと知識不足〜(日本GH協)

 日本認知症グループホーム協会(河崎茂子会長)は、虐待防止や権利擁護への取り組みを推進するため、会員事業所に対してアンケート調査を実施した。虐待があったと回答した事業所は全体の1割だが、プライバシーの配慮に欠けた対応など「不適切なケア」と認識した経験があるとしたのは6割に上る。虐待の発生要因はストレスなど個人の感情コントロールの問題や、認知症ケアの知識不足を指摘する声が多かった。
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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「会議では意見の集約に苦労しています。議論が広がりすぎて収集しきれない時です。それと意見が出ないでシャンシャン会議で終わる時も。会議ってむずかしいですね」    (M.Tさん 男性 ケアマネ歴4年 介護福祉士)

【ムロさんの助言】
 意見がたくさんでるのはうれしいのに、出すぎるとまとめるのに苦労することってたまにありますね。そういう時はテーマがぼんやりしている、何かありませんか?ととりあえずの発言を求めている、質問と意見と提案がゴッチャになっている、進行役を無視しておしゃべりモードになっている、などが原因と思われます。まずは話し合うテーマを小分けし、「〇〇について5分程度話し合います」と締め切りを示して話し合いを始めましょう。発言には「それは質問ですね?」「それは提案と考えてよいですね」と発言に「タグ(標札、標識)」を付けると整理ができます。意見が出ないなら、「これから1分程度考える時間をとります」とやったほうがいいでしょう。詳しくは新刊「ケアマネジャーの会議力>(中央法規出版)を!
→ https://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/5489/

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■ ムロさんの本棚から

「認知症『ゆる介護』のすすめ」(柳本文貴著:メディカ出版 定価1800円+税)

【ムロさんの書評】
 「人生、ボケてからが面白い!」と語る著者はすすめる認知症ケアは3つ。(1)ゆるゆるとテキトーに力を抜いていこう、(2)身近な人ほどやさしくなれないことを認めよう、(3)予防・治療にあまり期待をかけない。ボケるほうがナチュラルと受けとめる、と。1000人以上の認知症の人とかかわって編み出したノウハウ?が随所に。「時には振り回されてみる」「時々先手を打って試してみる」「話のリピートは親身に聞き流す」「グループホームは年長者のシェアハウス」など、いずれもクスリと苦笑いが洩れるあるある話満載。この勘所を現場で使わない手はありません。ぜひともの一冊です(^.^)

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒ケアマネジメントの学校(5) 多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜(定員15名限定)
│日 時│9月17日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2909.shtml

⇒ケアマネジメントの学校(6)ケアチームで盛り上げるサービス担当者会議〜「新規・更新・引き継ぎ」の準備・進行の勘所〜(定員15名限定)
│日 時│10月15日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2910.shtml


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「会議力セミナーをやった!」(第503話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/30057

◎中央法規 月刊ケアマネジャー9月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
└→「「仕事と子育て」のバランスをとる!」(Vol.6)


◇ 編集後記

 今週のメディアは北朝鮮のミサイルの話題一色です。このような流れで「Jアラート」が鳴る日がくるとは予想もしていませんでした。日本列島を中距離弾道ミサイルが横断するという・・・こんなこと、日本人の誰が予想したでしょう。官邸は発射された時点からこの事実を把握していたといいます。つまり着弾までの10数分間はまさに映画「シンゴジラ」のワンシーンのような状況だったのでしょう。いきなり拳銃で脅す問答無用の相手だとどうするか・・・つくづく外交とはむずかしい。「動機が正しくても結果が間違っていては・・・」と元首相がヒトラーの言説をトンデモ引用したのにも驚きです。「やめたいのにやめられなくなるのが戦争である」という中東やアフリカの紛争和解請負人の日本人の言葉が重く心に残っています。(>_<)<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )





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