ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第488号
2017/07/20(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの期待!:「個別支援と地域支援〜ケアマネジャーと生活支援コーディネーターの連携〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「発達障害に気づかない大人たち〜職場編〜」(星野仁彦著:祥伝社新書 定価780円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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│日 時│8月26日(土)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ 
http://caretown.com/tokyo/kaigiryoku2908.shtml

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■ ムロさんの期待!

===個別支援と地域支援〜生活支援コーディネーターとケアマネジャーの連携〜===

 来年度から本格実施となる新総合事業。その主要なテーマが「地域づくり」です。具体的には住民のナチュラルな支え合い、ボランティア活動、不定期のたまり場(居場所)などの「互助を支援」すること。それらを「発見、つなぐ」役割を担うのが生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員:以下略)です。

 当初の地域包括ケアシステムの仕組みの中に、地域をていねいに掘り起こし、人と「なじみの資源」をつなげていく専門職はありませんでした。配属される地域包括支援センターの主任介護支援専門員は包括的継続的ケアマネジメント支援が役割なので、インフォーマルな支え合いを発見してつなぐということは、業務的にも正直、なかなか大変です。
 「地域支援」の専門職である生活支援コーディネーターが地域包括支援センターに配属された意味はとても大きいといえます。

 ところが、ところが・・・現場の動きと受けとめが予想以上に悪い?のが現状です。社会福祉士や社協が担っているならまだマシで、まったくの経験のない人が採用されている自治体もチラホラ・・・。常勤、非常勤、ボランティアなど雇用形態は自由、職種・配置場所・勤務形態まで市町村にまかされています。いい意味で「自由裁量の部分」が多いのも地域の実状に応じてよい、ということになります。

 しかしちょっと深刻なのはケアマネジメント業界の反応の鈍さです。まずあまり話題になっている印象がない。「ケアプランをつくるにも地域のインフォーマル資源がわからなくて困っています」という声はよく聞くので「よくぞ!」とウエルカムなのかといえば・・・正直、あまり知られていないのが現実。
 
 パンフレットには次のような表現が・・・これまでは「支援が必要になって個別支援がスタート」していました。これからは「手前からの支援」が必要で、それが「地域を支援」すること。自助支援でなく「互助支援」をめざすとします。「ないもの探し」だと問題指摘型になり安直なサービスをつくることになり専門職主導型になるとも。ですから「地域の宝物」「あるもの探し」をして「つなげていく」ことを大切にします。

 たとえば・・・デイサービスという場所でなければ「一日の過ごし」はできないのか。むしろこれまで地域で集まっていた「しゃべり場」こそ足を向けたい場所ではないか。そこにはなじみの人がいて共有できる話題があり、なにより気がねなく過ごせる雰囲気となごんできた「時の流れ(歴史)」があるからです。

 数年後、要介護3のAさんを担当したケアマネジャーがそのエリアの生活支援コーディネーターに相談することで、月・水・金はデイサービス、火・木・土は地域のたまり場で過ごす。生活援助は訪問介護が行い、庭の掃除や電球の取り換え、声がけなどは近隣の人が行う。
 そのことがケアプランにしっかりと反映している・・・
 そんな日がやがてくることに私は期待します(^.^)
 

■ 最新業界ニュース

1. 高齢者の移動も「互助」推進
〜「許可・登録不要」を明確化へ 無償ボランティアを活用〜(国土交通省)

 国土交通省は、高齢者の移動の足を確保するために「互助」による輸送の推進に踏み切る。登録など道路運送法の手続きなしでできる移送サービスの枠組を現在より明確にすることで、介護予防・日常生活支援総合事業のサービスとしても取り組みやすくする。自治体の第7期介護保険事業計画に盛り込んでもらえるよう、厚労省とも連携していく。

2. どうなる介護報酬!訪問介護〜ピンチの生活援助“大阪問題とサ高住"〜

 5日の介護給付費分科会で最も長い議論が行われたのが訪問介護だ。生活援助では、有資格のヘルパーでもできるようにし報酬を引き下げる案が浮上。大阪のサ高住の囲い込み問題に飛び火。適正化が論点にあがった。 訪問介護の事業所数は2016年度4月時点で3万3千カ所。過去1年で約600カ所増加した。1事業所当たりの平均利用者は30人程度だ。利用者数は98万2千200人で利用者の6割以上が要介護2以下だ。長年続いてきた生活援助が保険サービスである必要があるのか問題に、サ高住での過剰サービス疑惑も重なり、今回も逆風は強い。厚生労働省は、生活援助の人員配置基準を緩和し、報酬も切り下げるという論点をあげる。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「私は老健以外の経験がありません。職員のマネジメントについての理解が乏しい。施設の中で行えるケア内容に限界があり、同じようなプランになってしまいます。老健なので出入りが多い。家族にケアプランについて話しても反応が乏しくやりがいを感じない」
(T.Nさん 女性 老健 介護支援専門員 支援相談員 社会福祉士)

【ムロさんの助言】
 介護職のマネジメント意識が低いのは「指示され型の仕事」になっているからでしょう。老健なら医師、リハビリ職、看護職から介護現場は指示をうけて、現場は必死にこなすという構図ばかりかもしれません。マネジメント意識をつくるためには話し合いのトレーニングが効果的です。ささいなテーマでいいので、原因と経緯の分析、あるべき(めざす)姿、そのために行うこと、いつからいつまで、必要となる人的資源、それをどうやって調達するか、などを話し合うことで「仕事(業務)に主体性と責任感」を持ってもらえることが可能となります。

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■ ムロさんの本棚から

「発達障害に気づかない大人たち〜職場編〜」(星野仁彦著:祥伝社新書 定価780円+税)

【ムロさんの書評】
 本書は職場で周囲から浮いてしまう、空気が読めない、つい相手を怒らせてしまう、過敏すぎてパニックになりやすい、そんな大人の発達障害な人の「職場編」です。仕事でトラブってニートやひきこもりになりやすい彼らが中年となり、やがて親の介護を担うことになれば、どのようなことが起こるのか、の視点で読み進むといろいろとヒントや気づきが。そして星野医師は「他人を助ける職業」になぜ発達障害の人が増えているかにも言及。「機能不全家族に育った人は自尊感情や自己肯定感が低く、それを解消するには“ありがとう”と感謝される対人援助職は最適なのです。他人から必要とされることを強く必要とし、望んでいるのです」とも。納得です。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒ケアマネジメントの学校(4) 「自立(自律)」を支えるチームプランニングと事業所内カンファレンス〜自助・互助・共助・公助と生活支援サービスのプランニング〜(定員15名限定 残席7名)
│日 時│8月27日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2908.shtml

⇒ケアマネジメントの学校(5) 多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜(定員15名限定)
│日 時│9月17日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2909.shtml


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「連載〜ライフの関係づくりに相談援助技術は使える!〜」(第501話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/29077

◎中央法規 月刊ケアマネジャー7月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
└→「ライフの関係づくりに相談援助技術は使える!」(Vol.4)


◇ 編集後記

今週の異常気象は驚きの連続。九州の福岡・大分を襲った集中豪雨も未曽有の被害でしたが、先日の東京での「雹(ひょう)騒動」には驚きました。その時、私は新宿にいました。ところがお隣りの豊島区と板橋区では10分間もロックアイス上の雹が降り続いていたと。これには驚きです。また北極では茨城県と同じ大きさの流氷が流れ出したとも。地球の温暖化の影響は計り知れないよう。そりゃ、そうです。何千万年?かけて大気中の二酸化炭素を植物という形で吸収し地下に石油や石炭として埋設したものを、ここ200年でバンバンと燃やして大気中に発散しているわけですから。地球の汗(集中豪雨)や発熱(猛暑)と考えれば・・・そんな現実もどこ吹く風のトランプ旋風、いや台風はパリ議定書から離脱という・・・。嘆かわしい。(>_<)<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )




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