ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第483号
2017/05/11(Thu)
http://caretown.com/
▼今週の目次▼
[1] ムロさんの大懸念「やはり、起こっていた〜サ高住、需給のミスマッチがもたらしたもの〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 「高次脳機能障害〜どのように対応するか〜」(橋本圭司著:PHP新書 740円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記
↓↓↓ 東京スクールのお知らせ ↓↓↓
第3期「ケアマネジメントの学校」始まります!(定員18人 残席6人)
⇒シリーズ(1)「ケアマネジャーの仕事力〜チームマネジメントとセルフマネジメント〜」(定員18名限定 残席8人)
│日 時│5月21日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/apply/
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■ ムロさんの大懸念
===「やはり、起こっていた〜サ高住、需給のミスマッチがもたらしたもの〜」===
5月7日付けの朝日新聞の一面で「サ高住、事故3362件〜1年半で死亡147件〜」が報じられました。2015年1月から1年半の間に都道府県や自治体に死亡や骨折などの事故報告がされていた数字をまとめたものです。
サ高住の登録件数は4月末で21万7775戸。サ高住(正式名称:サービス付き高齢者向け住宅)とは1日1回の安否確認と生活相談が義務付けられた高齢者向けの賃貸住宅。夜間は緊急通報システムがあれば職員常駐は不要ともなっています。
問題はここからです。事故報告書では、1730件が個室で起き、そのうちの991件は午後5時から翌朝の午前9時に起こっています。北海道稚内市のサ高住でのこと。15年12月に個室で後頭部を打ち失血死した入居者が午前6時半に発見されました。安否確認は5時間前の午前1時が最後だったといいます。
さらに深刻な実例も・・・。15年8月4日。大阪市の12階建「Cアミーユ淡路駅前」では82歳の女性が遺体で発見されました。死因は病死。死後4日経過していたといいます。1日1回の安否確認も「本人が拒否したから」と行っていなかったとのこと。
同年1月、和歌山県では91歳の女性(要介護3、認知症状あり)が自室で洗剤を誤飲し薬物中毒で死亡しました。
もともとサ高住は「高齢者向けの住まいの絶対的な不足」を理由に国交省が進めてきました。想定したのは「自立度が高い、中所得者が入れる高齢者住居」。しかし実態は入居者の88%が要介護認定を受け、要介護3以上が30%。80代が54%、90歳以上は22%といいます。
というのも家賃で利益が出なくても併設する訪問介護や通所介護の利用で収益を確保しようとするビジネスモデルだから。要介護の人でなければ入居してもらうと困る、できれば中重度がいいというのが本音とも。
一方、4月26日付けの介護報酬分科会ではサ高住や住宅型ホームでの過剰な介護サービスが俎上に乗りました。きっかけは大阪府が公表した報告書です。それによると、1ヵ月の支給限度額に占める実際の介護費の割合は「サ高住で平均86.0%、住宅型ホームが同90.7%」です。要介護度別に比べると、要介護3以上はいずれも特養の入所者より高くなっていました。報告書は「いわゆる『囲い込み』により利用者本位でないサービスがなされていないかなど、ケアの質を確認していくことが求められる」とまとめています。
すかさず財務省がこのデータに飛びつき審議会でも話題に。次の報酬改定では「適正化」という名の減算規定や運営指針はかなり厳しいものになるでしょう。
高齢者介護研究会でもてはやされた「早めの住み替え」というフレーズ。言い出しっぺの人はいまでは禁句フレーズ?になったのか、まったく触れません。私はこのコラムで「早過ぎる住み替え」として警鐘を鳴らしました。現実は、特養待機者を「住み慣れた自宅」から「見も知らずの居宅?」に住み替えさせて、「自宅待機者ゼロ」を演出するカラクリになっているとしたら・・・
そして、介護報酬上はかなり手厚いのに、実際のサービスは「超手薄」になっているという実態。そこで起こっている想像以上の事故件数・・・。
「安易な住み替え」が市町村の介護保険財源を食い物にし、「ミスマッチ」ならぬ「デスマッチ」にならないとは限らないかもしれない・・・それほど深刻な事態が進んでいると心すべき時期に来ています。
■ 最新業界ニュース
1.診断後も自立生活可能〜移動支援の早期創設など要望〜
認知症の人と家族の会(高見国生代表理事)は、認知症初期の段階の人と家族の生活実態について調査した結果を公表した。6割近くが週5日以上外出し、1人で外出している人も4人に1人の割合。声かけや見守りなどが適切なタイミングで行われれば、最小限の支援で生活範囲が維持できるとし、移動支援の創設など認知症施策への要望を提言としてまとめた。
2.「仕高住」で認知症予防〜社会参加で生涯現役目指す〜
経済産業省ヘルスケア産業課は、生涯現役社会の実現に向け「仕事付き高齢者向け住宅(仕高住)」の普及を目指すという。経済活動や社会貢献活動への継続的な参加が高齢者の自立を促し、認知症や心身の虚弱(フレイル)予防につながるとして、次世代ヘルスケア産業協議会のアクションプラン2017に「仕高住の社会実装」を盛り込む予定だ。
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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」
「実地指導がもうすぐあります。新人ケアマネなので迷惑をかけないか心配です。どのようなところを特にチェックされるのですか?」
(K.U ケアマネ歴1.5年目 埼玉県S市)
【ムロさんの助言】
基本的なところは月1回以上のモニタリング訪問と記録、サービス担当者会議の開催、介護報酬の算定、ケアプランの交付などがあります。実地指導の指摘が多いのはサ担会議の「欠席者への紹介の有無と記録」です。欠席届けと第4表への記載がつい抜けがちになることが多いようです。また「医療系サービス(訪問看護など)の医師の指示書の有無」などもとくにチェックされる項目です。ここで配慮していただきたいのが個別サービス計画のこと。ケアプランにない「買い物代行」や「通院介助」を訪問介護計画でサービス提供をやってしまうと介護報酬の返還指導に。「ケアの連続性」の意味でも、個別サービス計画のチェックもていねいにしましょう。
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■ ムロさんの本棚から
「高次脳機能障害〜どのように対応するか〜」
(橋本圭司著:PHP新書 740円+税)
【ムロさんの書評】
本書はリハビリテーション専門医の橋本医師が一般の向けにわかりやすく書いた高次脳機能障害専門書。前半は、原因と診断方法を具体的に解説。これが実にわかりやすい。後半は「家族・周囲の心構え」編。言ってよい言葉と言ってはいけない例を紹介(「がんばれ!」は当事者のやる気を削ぐ→「がんばったね」と結果を認める)。対応編では、記憶障害、失語、失行、半側間空間無視などそれぞれの症状の人への言葉かけ(例:複文でなく単文、Yes/No質問、見通しを示す)と注意点、動機づけ、経験記憶への働きかけなどリハビリテーション医が現場でやっているノウハウが紹介され、かなり参考になります。
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★ 東京スクールのご案内
≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)
「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規刊)を基本テキストに学ぶ
実践的な第3期ケアマネジメントの学校が5月から始まります!(^^)!
⇒ http://caretown.com/tokyo/dl/school_caremanage29.pdf
⇒シリーズ(1)「ケアマネジャーの仕事力〜チームマネジメントとセルフマネジメント〜」(定員18名限定 残席6名)
│日 時│5月21日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/apply/
⇒シリーズ(2)「利用者(家族)との出会いとインテークの勘所〜新規ケースと引き継ぎケース〜」(定員18名限定)
│日 時│6月18日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/apply/
⇒シリーズ(3)「初回訪問・インテーク・意向(不安)のヒヤリング
〜新規ケースと更新ケースの引き継ぎの勘所〜」(定員18名限定)
│日 時│7月16日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/apply/
★ 今週のおしらせ
◎中央法規『けあサポ』ブログ
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「講師養成講座〜講師を育成するということ〜」(第496話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/27562
◎中央法規 月刊ケアマネジャー5月号高室流ケアマネジャーの働き方改革
└→「生活リズムと家事をマネジメントする」(Vol.2)
◇ 編集後記
「AI(人工知能)」ネタを再度しますね(^^;)。これはいい!と思ったのが「OriHime(おりひめ)」です。これが凄いのは、業務代行ロボットではなく、私たちの「分身型ロボット」というコンセプト。つまり、自分に変わって友人や旅行先にこれが行けば、寝たきりの人だって自由にコミュニケーションがとれ、そこの景色を楽しむことができるのです。それができるのもOriHimeにはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されていて、インターネットを通して操作できるから。周囲を見回せるし会話もできます。教室の先生がOriHimeに語りかけるとベッド上の難病の小学生のタブレットに先生の顔が映し出され遠隔教育もお手の物。動作には漫才の「なんでやねん!」もあるという。この分身型はレンタルOK。なんと結婚式に代理出席もしているとも。楽しいですね。(^.^)
詳しくは → http://orihime.orylab.com/ <ムロ>
個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp
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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )