ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ元気いっぱい
第477号
2017/02/09(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんのやり方:「ジェネレーション・ギャップの埋め方」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 私の本棚から:「14歳からの発達障害サバイバルブック〜発達障害者&支援者として伝えたいこと〜」(難波寿和著:臨床発達心理士 学苑社 1800円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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■ ムロさんのやり方

===「ジェネレーション・ギャップの埋め方」===

 6年前、私は「言いにくいことを伝える77のコミュニケーション」という本を出版しました。その動機は「伝わらなくて困っている」という介護現場の切実な声を聞いたからです。

 「言いたいことが伝わらない」「言ったつもりが伝わっていない」「どうしたらわかってもらえるだろう」・・・これにはさまざまな原因が考えられます。
 どの仕事だってコミュニケーションが大切です。でもコンビニでは言葉が十分に伝わらなくても(都内は外国人労働者ばっか!)、親しくなくても仕事をいっしょにできるのはなぜか?それは事細かに書いた「マニュアル」があるからです。マニュアルを基本とした業務スタイルだからです。

 しかし介護現場でそれが通用するか・・・食事介助や入浴介助など基本の手順は決められても、日によって体調や気分は異なるもの。話す言葉も聞き取りにくく表情もうつろだと決まった手順通りでいいわけがありません。
 そこで求められるのは臨機応変!!!チームの意思疎通が命となります。「知らない・聞いてない」では、利用者の不満を招くだけでなく、虐待的?ケアや介護事故にいたる危険さえも・・・そうなってはまさに「命取り?」です。

 コミュニケーション不全の原因の1つ・・・それが「ジェネレーション・ギャップ」です。上司といえば一般的に年上ですよね。大手企業なら三角形になっています。と、と、ところが介護現場は日本の人口ピラミッドのように逆三角形になりつつあります。
 「ぼく33歳ですが同僚が51歳の人です。現場経験は私のほうが長いです」
 つまり経験値も知識もない「かなりな年上(つまりオッサンやオバサン?)」の後輩に30前後の若輩リーダーたちが気を使いながら指示をしなければいけない・・・これではお互いにやりづらく、息がつまりますね。

 日々、大変な現場だからこそ心ひとつになりたい。一体感がもてれば頑張れることも、意思疎通も気持ちも人間関係もバラバラだと心も折れてしまいます。
 「あの人にどうやったら機嫌よく働いてもらえるように話したらいいのか」
 そんなため息にも似たつぶやきが「何回言ってもダメなのよ!」「私はリーダーよ!なのにあの態度は何よ!」と内心のグチりに変わり、年上の後輩の方は「口のきき方もわかっちゃいないのか!」「わかるように説明しろよ」の怒りが顔にちょっとでも出たら・・・心と関係が壊れるのは時間の問題でしょう。

 では、ジェネレーション・ギャップをなくすことはできるのか・・・無理です、なくなりません。ではどうするか・・・「活かしあう・折りあう・わかりあう手立て」を考え出し試してみることです。  まずは「一人の人格」として興味を持つこと。私は趣味や得意や好みを聞きます。どんな人でも気持ちよく話してくれます。人は自分に興味を持ってくれる人に好感を抱くという法則をここで使うのです。

 私は年齢が上下にかなり離れた人たちと仕事をするのは20代からわりと好きでした。だって視点も違えば、とらえ方ややり方が違うのですから、ね。
 「ギャップ=差」ではなく「ギャップ=違い」であり、「=個性」ととらえると関係づくりも楽しくなってくるはず。
 再度言いますね。
 「人は自分に興味を持ってくれる人に好感を持つ」
 ですからね! ※自分を語る前に先方に語ってもらう、これです!(^^)!


■ 最新業界ニュース

1.外国人労働者、初の100万人超 (厚労省調査)

 厚生労働省は1月27日、日本国内で働く外国人労働者が昨年10月時点で108万3769人になったと発表した。前年同月比で約2割増え、事業者に届け出が義務化されてから初の100万人超えとなった。在留資格別に見ると、技能実習生や留学生などの人数、増加率が大きい。政府は、外国人の受け入れは高度で専門的な知識や技術を持つ外国人に限るというスタンスだが、事実上、単純労働者の受入れが拡大していることを裏付ける結果になった。

2.「認定介護福祉士」始動! 業界一丸となって養成を!

 介護福祉士の質向上、キャリアパス構築の一環として創設された認定介護福祉士制度。昨年12月から初の養成研修が始まった。制度の実施機関である認定介護福祉士認証・認定機構の諏訪徹理事(日本大学教授)は、「多様な介護人材の中で、介護福祉士の担うべき職務を明確化する一歩でもある」という。  研修実施団体の第1号は、介護福祉士会の長野県支部で30人ほどが受講している。600時間を約2年かけて修了する長丁場だが、介護人材の中でも中核的な役割を担う介護福祉士の専門性や質の保障に確実に寄与するものとなっている。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「介護福祉士の国試、申込者が前回の半分以下に急減しました。介護の専門学校も定員割れが続いているのに・・・どうなるのでしょうか」
(M.Hさん N介護福祉専門学校 教員歴18年)

【ムロさんの助言】
 この結果は全国紙が1面で報じるほど衝撃でしたね。今年度の申込みが7万9113人。昨年度は16万919人、一昨年度の16万2433人ですから急激な落ち込みです。最大の原因は「実務経験ルート」の要件に450時間の「実務者研修」が新たに加えられたこととされています。要は現場だけではむずかしい体系的な知識や技術を学んでもらい、専門職としての資質・地位の向上とサービスの質の底上げにつなげる狙いだったわけです。しかしこの有様・・・ただでさえ人材不足な上に「入口を狭くする」とは。これでは本末転倒です。某職能団体の会長はポジティブにとらえようと弁解めいた話をしていますが、事はもっと重大です。まずはやっと始動した「認定〜」を盛り上げること。さらに更新研修制度を作ることですね。せっかく体系化した450時間ですが、見直すしかないかも?裾野を広げないで頂(いただき)を高くする理屈は通りません。

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■ ムロさんの本棚から

「14歳からの発達障害サバイバルブック〜発達障害者&支援者として伝えた
いこと〜」 (難波寿和著:臨床発達心理士 学苑社 1800円+税)

【ムロさんの書評】
 この本は生活困窮者支援の講演を依頼され研究のために購入したなかの一冊です。現在35歳の難波さん、4年前に自閉症スペクトラム障害、社交不安障害と診断され、その後、注意欠陥多動性障害、うつ病の診断も受けました。いわゆるバリバリの発達障害当事者の彼が、子どもの頃からおちょこちょいで集団が苦痛で宿題が嫌いで片づけができなくて忘れ物は常習で約束はすぐ忘れるのに好きなことは止められないし順番に話せないなどなどな「私」を自己分析し、「生きやすくなるためにどのような工夫があるか」を自らに問い続けた一冊です。発達障害の人を理解する支援するだけでなく、育てる親たちにも超わかりやすい本となっています。(イラストがこれまたいいんです!(^^)!)

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(9) 「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント〜採用・配置・育成・メンタルマネジメント〜」(定員18名限定 残席1名)
│日 時│02月19日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2902.shtml

⇒シリーズ(10) 「グループホーム・小規模多機能の認知症ケアマネジメント
〜認知症の人の「本人らしさ」と現場を支えるケアマネジメント〜」
(定員18名限定 残席8名)
│日 時│03月26日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2903.shtml

⇒人材採用:「応募者に「ここで働きたい!」と思わせる採用面接の手法〜複数面接と実技観察で早期離職防止と定着率アップ!〜」
(定員18名限定)
│日 時│03月22日(水)10:30〜17:00
│日 時│04月12日(水)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→準備中

⇒施設経営:「改正社会福祉法で義務化!社会福祉法人の「地域貢献事業」40の実践例〜これならできる!企画・準備・運営のメソッド〜」
(定員18名限定)
│日 時│03月24日(金)13:00〜17:00
│日 時│04月14日(金)13:00〜17:00
│詳 細│WEBにて→準備中


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「高齢者の年齢」(第491話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/25612

◎中央法規 月刊ケアマネジャー2月号高室流モチベーションアップ講座
└→「利用者(家族)のモチベーションアップ」(Vol.11)


◇ 編集後記

 発達障害の本をもう1冊。「発達障害の親子ケア」(宮尾益知どんぐり発達クリニック院長監修:講談社 1300円+税)です。この本の表紙には「親子どちらも発達障害だと思ったときに読む本」「家族関係の悪化は子どもだけでなく親も発達障害だったから!?」ともズバリ書かれています。まさに現場のケアマネジャーや地域包括支援センターのみなさんが支援困難で悩まれている原因を解きほぐし、対応の処方箋やヒントがあると思います。事例も豊富で夫婦カウンセリングの手法までとても分かりやすい内容です。
 ぜひ本屋さんかネットで検索してみて下さい!(^^)!<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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