ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第472号
2016/12/8(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの危機管理:「自動車が飛び込んでくる!?突っ込んでくる!?」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 私の本棚から:「発声と身体のレッスン〜魅力的な声とからだを作るために〜」(鴻上尚史著 白水社1800円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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■ ムロさんの危機管理

===「自動車が飛び込んでくる!?突っ込んでくる!?」===

「えっ!今度は病院の待合室に車が突っ込んだ?」
連日、予想もしない場所に自動車が飛び込む、突っ込む事故が全国で起こっています。そのハンドルを握っている多くが高齢者。それも後期高齢者の人たち。そして認知症の疑いのある高齢者か?という報道に慄然とします。

かつて60年代の若者たちはバイクの爆音を鳴らしカミナリ族と呼ばれました。70年代にはいりチョッパーハンドルのバイクと車高を下げた車にハコ乗りしてわが物顔で走る暴走族が流行しました。
いまではそれらは鳴りを潜め、彼らが齢(よわい)を重ね、現代では、高齢ドライバーとして道路を蛇行運転、高速を逆走、猛スピードで店舗に突っ込むという・・・まさに「暴走老人」となってあたらしい社会的リスクとなっています。・・・超高齢社会版の交通戦争のはじまりです。

私はこの問題を多職種連携がテーマの研修会では10数年前から訴えてきました。当時は80代後半で運転免許を持つ人は少なかったので「まれにある事故」というのが印象でした。ところがいまはその手のドライバーが圧倒的に増えました。なにしろ高度経済成長とともにマイカー族となった戦中・戦後生まれの人たちが後期高齢者となり、いわゆる高齢ドライバーの仲間入りになったわけですから。

これこそ「一家に一台」から「一人に一台」と普及した高度経済成長の負の遺産が40年遅れで効いてきたようなものです。自動車が便利なのも適切な運転技術が守られてこそのこと。視力・聴力・ハンドル操作はおぼつかなく、一旦停止や信号も無視同然、どこを走っているか定かでないキョロキョロ運転の自動車はかなり迷惑、いや「走る凶器」のようなものかもしれません。

かつてのようにクラッチ(かなり古い)のある車は超少なく、今はオートマ全盛。おかげで使うのはハンドルとアクセルとブレーキだけ。これなら90歳でも十分運転できるようです。道がわからなくてもナビがついていれば行き先まで誘導してくれるからなお安心ですからね。
さらに人物認証ブレーキシステムが入れば鬼に金棒・・・
なんて、そんなにうまくいくでしょうか。ちょっとしたシステムエラーが大事故を引き起こすこともあるかもしれません。

映画ではありませんが、動くコンピューター化したのが現代の車ですから、ウイルスに乗っ取られたら一斉に異常運転を始めるかもしれません。PCを使っていると時としてフリーズすることありますよね。数年後、異常運転の原因をTVのアナウンサーが「ブレーキにシステムエラーが見つかりました」「位置情報システムがウイルス感染し右折してしまったようです」「自動運転システムが乗っ取られ、ドアがロックされ○○湖に飛び込んでしまったようです」なんて報道される日がやってくるのでしょうか。

高齢者の方で免許証を返納したら健忘症があらわれ、やがて認知症に進行したという話もあります。閉じこもり気味になりうつ症になってしまった話もよく聞きます。中山間地にとって足が痛くても軽い操作で長距離を移動できるクルマは「囲み付き動く4人乗り車いす」なのかもしれません。

いきすぎた便利さだけに目を奪われるのは危険です。しかし目の前の危険に目をつむるのは無責任です。自動運転?なるものがクルマ社会の新たな危機を増大させているなら皮肉なことです。
ならばゴルフ場の電動ゴーカートを路上で乗れるようにしたらどうでしょう?スピードはたいして出ないし坂道には強いし突っ込んでも大惨事にはなりません。※大人2人なら止めることができるかも(^^;)
「速さより遅さ、超便利よりちょっと不便、コスト高でなくコスト安」を受け入れるなら、まだまだ工夫する余地はあるので?
ホンダかトヨタに提案しましょうかね・・・(^^;)。


■ 最新業界ニュース

1.現役並み3割負担に 高額介護費も引き上げ〜財政抑制効果より「納得感」

厚生労働省は11月25日、社会保障審議会介護保険部会に現役並み所得の高齢者の負担を現在の2割負担から3割負担に引き上げる見直し案を提案した。財政削減効果はさほど大きくないが、保険料を支払っているのに保険サービスは使っていない人の「納得感」を重視したかたちだ。毎月の負担上限である高額介護サービス費の引き上げも行う。医療保険の負担上限の見直し議論の結果と調整し、最終的に決める。

2.70歳以上医療費、負担能力で〜外来特例は廃止〜 (医療保険部会)

厚生労働省は所得の高い高齢者の医療費の月額の自己負担上限を大幅に引き上げる見直し案を11月30日、社会保障審議会医療保険部会に提案した。外来の特例は廃止する。長年、高齢者を一律に優遇してきたが、医療保険財政が悪化する中、年齢によらず負担能力に合わせた負担方式への変更に大きく舵を切ったかたちだ。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「サービス優先のやり方が抜けないんです。」
(S.Iさん 女性 ケアマネ歴11年)

【ムロさんの助言】
S.Iさんは11年間もやられているのですね。正直な気持ちの吐露ですね。かつてケアプランを「右から作る」という流れ?がありました。2表の課題欄を設定したら、長期・短期目標を無視して、右側の「サービス種別」にひとっ飛び。自法人のサービスを位置づけ、できることをサービス内容に書き、それでとりあえず3カ月あればできそうなことを記入する、6カ月目も同じ。いつまでも課題達成にはたどりつけないという、ちょっとしたテクニックです(決してマネしないように)。ケアマネジメントはサービスマネジメントではありません。利用者の人生を介護サービス優先でしか考えられないS.Iさん、もう一度、そもそもから考え直す時期なのかもしれませんね。向き不向きもあります。

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■ ムロさんの本棚から

「発声と身体のレッスン〜魅力的な声とからだを作るために〜」
(鴻上尚史著 白水社1800円+税)

【ムロさんの書評】
本書はかつて「第三舞台」を率いた鴻上さんの著書。俳優、声優、歌手、アナウンサー・・・そして「日本語を正しく声に出したい」すべての人の必読の書と帯にあります。発声トレーニングの本はたくさんありますが、演劇畑の鴻上さんが書いているので表現というところに重きをおいているのが特徴。素敵な「こえ」と「からだ」を身につけるための、誰にでもわかる・できるレッスン方法は相談援助職の方や介護職の方にも参考になります。私が提唱するアクターズケアでも活用したい一冊です。ちなみに私と同年代なので表現がとっても身近ですし・・・(^^;)。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(8) 「苦情」は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアサービス・ケアマネジメントの質の向上と権利擁護に活かす〜(定員18名限定)
│日 時│01月29日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2901.shtml

⇒シリーズ(9) 「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント〜採用・配置・育成・メンタルマネジメント〜」(定員18名限定)
│日 時│02月19日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2902.shtml

⇒シリーズ(10) 「グループホーム・小規模多機能の認知症ケアマネジメント
〜認知症の人の「本人らしさ」と現場を支えるケアマネジメント〜」(定員18名限定)
│日 時│03月26日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2903.shtml


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「生活困窮支援〜わかることより具体的支援を〜」(第486話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/23694

◎中央法規 月刊ケアマネジャー12月号高室流モチベーションアップ講座
└→「5つの要素で仕事満足度を高めよう!」(Vol.9)


◇ 編集後記

先日は山梨県甲府市。ケアマネ協会甲府支部のケアマネ研修会のこと。タイトルは「支える人を支える」でした。ケアマネジメントでは利用者本位が基本ですから利用者支援が主になるのは当然。でもその利用者を日常的に支えているのは家族や親族だったりします。その支え手を支えることに現場はどれだけ気が回っているか・・・介護サービスを入れ負担を軽減することだけで事足りることではありません。そこを今回はテーマとした研修会でした。「支える人を支える」・・・自分も現場でがんばる支え手のケアマネジャーのみなさんを支える支え手でありたいと思います。研修会の最後に「みなさんを応援しています」とメッセージを伝えています(^.^)。<ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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