ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第471号
2016/11/24(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの予後予測:「人は叩かれて伸びるのだろうか」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 私の本棚から:「やさしく言いかえよう介護のことば」(遠藤織枝、三枝令子編著 三省堂1400円+税)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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■ ムロさんの予後予測

===「人は叩かれて伸びるのだろうか」===

 「いま、ヘルパーや介護員の質の低下が言われています。先生はどのようにお考えですか?」
昨日、平塚市での研修会でのこと。質問タイムで後方の一般参加の男性が手を挙げられました。70歳近い団塊の世代とのこと。声の印象は、これはぜひとも言わねば、という正義感あふれるものでした。

 近頃というか、本当にこの手の「嘆き節」が蔓延しています。たしかに「質が上がっているか」というと、なかなか厳しい現実があるのは事実。なにしろ採用する側も欠員補充がメインですから、人を選んではいられない、というのが本音。「あなたはいい!ぜひうちに・・・!」と言っていても、内心は「誰でもいい、頭数になれば」・・・。それで「質が低い」と嘆いている。
 これ、ちょっとおかしいですよね。自分たちの都合で採用基準を下げておいて、それに実技観察もせず、いきなり現場に放り込んでいる・・・本人も「だれでもよかったんだ」とわかって、いい気分はしないでしょう。
 それに採用後教育もお寒い限り・・・数日あればいいほうです。

 教育をしないのはなぜか?「だってすぐやめるかもしれない人にそこまで時間は割けないですよ」と某施設長が漏らしました。それでいて「質の高いケア」をHPで堂々とあつかましく?語り、一方で「質が下がった、いい人なんて来ない」とあきらめ顔で愚痴っている・・・

 同じようなことがケアマネ叩きにも感じます。
 「ケアマネのレベルの低下はひどい」と10年選手のケアマネさんが愚痴りますが、言っているあなたのレベルはいかほど?と訝りたくもなります。

 要するに誰かを叩く、誰かのせいにする、のは「事の本質」から目をそらさせる狙いがある人がよくやる手口です。わかりやすくいうと「まとめさせたくない時はいがみ合わせる」というやり方です。おたがいに競わせる、批判させる、比較させる、叩かせる・・・そして求心力を弱めるのです。

 まんまとこの術中にはまってしまっているのは、なぜか・・・利用者(家族)と介護や医療が手を組んでもらっては困るからです。利用者(家族)と専門職同士や現場がいがみ合ってくれたほうが「怒りの圧力」が分散するからです。
 その矛先にいる人たちにとっては困るからです。

 人は叩かれては伸びません。その時、叩いた人への不信と恨みが生まれます。なぜなら、叩かれた側に「痛み」があるからです。「良かれと思って」というのは叩いた側の「へ理屈、言い訳、言い逃れ」でしかありません。
 叩き合っているうちに喧嘩になり、行きつくところは・・・断絶です。

 叩くのでなく要望する、期待する
 要望、期待するだけでなく協力する
 そして感謝しあえる関係、支え合える関係になる

 わたしたちには、それをできる力があります。
 私はそれを信じています。


■ 最新業界ニュース

1.処遇加算、定昇要件に〜資格・経験年数でも可。対象者拡大は見送り〜

 厚生労働省は16日、社会保障審議会介護給付費分科会に介護職員の月給1万円を上乗せする処遇改善の具体案を示した。処遇改善加算に新しい加算を追加。定期昇給の仕組みがある場合を評価する。これまでの加算分は一時金で支払われるケースが多く、恒久的な処遇改善につながっていないという批判に応えた。対象を拡大し、介護職員以外の処遇改善にも使えるようにすべきという意見も多くあったが、今回は見送りとなった。

2.現場の創意工夫で自立支援 今年度から要介護度改善・維持評価 川崎市

 川崎市は今年度から「かわさき健幸福寿プロジェクト」として、要介護度等改善・維持評価事業をスタートさせた。自治体が取り組み内容を決めるのではなく、それぞれ参加者が工夫する。1人の高齢者にかかわる在宅サービスの事業者がチームで参加できるのも特徴の1つだ。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

 「サービス担当者会議を自宅で開くのを拒否される。大して変わっていないからやらないでいいという人がいる。家族との仲が悪いから家で開くのがストレスという人もいる。正直、面倒くさいと思いつつ協力して下さっている」
(Y.Tさん 女性 ケアマネ歴2年)

【ムロさんの助言】
 自宅に大勢の人が集まるってけっこうストレスですよね。みなさんも4〜6人のお客さんが来訪されたら気をつかいますもんね。家が狭い、散らかっている、なら尚更でしょう。だからデイサービスなどの場所を借りたりしているケアマネさんもいますね。拒否されるのはサ担会議を開く大切さが十分理解されていないのかもしれませんね。わざ?と『法律で決まっているんです〜』と泣き落とし?作戦でお願いしている人もいます。いろいろ工夫してみましょう。(^.^)

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■ ムロさんの本棚から

「やさしく言いかえよう介護のことば」(遠藤織枝、三枝令子編著 三省堂
 1400円+税)

【ムロさんの書評】
 本書はわかりにくい介護用語や医療看護用語を利用者(家族)にもわかりやすく言い換えた用語集。「更衣→着がえ、嘔気→吐き気、腹臥位→うつぶせ、糜爛→ただれ」など約130語を収録。本書は介護・看護教育と日本語教育の専門家が協力して完成。記録の書き方、敬語の使い方、利用者の呼び方まで実践的なアドバイスはとても使い勝手がいい。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(7) 「めざせ、モニタリングの達人!〜ケアプラン評価とリスクマネジメント〜」(定員18名限定:忘年会あり 残席3名)
│日 時│12月18日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2812.shtml

⇒シリーズ(8) 「苦情」は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアサービス・ケアマネジメントの質の向上と権利擁護に活かす〜(定員18名限定)
│日 時│01月29日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2901.shtml

⇒シリーズ(9) 「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント〜採用・配置・育成・メンタルマネジメント〜(定員18名限定)
│日 時│02月19日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2902.shtml


★ 今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「採用面接のやり方を改善しなくては!」(第485話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/23694

◎中央法規 月刊ケアマネジャー11月号高室流モチベーションアップ講座
└→「怒りをパワーに変える」(Vol.8)


◇ 編集後記

 メルマガを書き始めて10数年が経過しました。今回で471号です。3年前までは毎週でしたが、いまは隔週です。読者も7000名を越え、全国を歩くとメルマガの感想の声をいただくことも増えました。感想メールをいただくこともあります。できるだけ返信をするようにしていますが、意外とビックリされます。じかに私からくるとは思っていない方も多いようで・・・すぐには無理ですが、できるだけ送っています。原稿を書いている時は即返したことも。いやはやかなり驚かれましたね。だからちょっと間を置いてから返したり。みなさん、気軽に感想メール、下さい。さて、本日の東京は雪模様。なんと54年ぶりとのこととのこと。とっても寒いです(>_<)。 <ムロ>

個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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