ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第469号
2016/10/27(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんのムムム?「自宅」ってどこなの?
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 私の本棚から:「対人援助のためのジェノグラム入門〜家族理解と相談援助に役立つツールの活かし方〜」(編著 早樫一男 中央法規出版)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

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■ ムロさんのムムム?

===「自宅」ってどこなの?===

介護保険でよく使われる不思議フレーズに「いつまでも住み慣れた地域」というものがあります。とてもいいですね・・・「住み慣れた」という表現がほのぼのとしています。ところが、このフレーズがグループホームなどに使われているとちょっとビックリ。地域密着型サービスですから「市町村内」に住んでいることに変わりはなくとも30万人以上の市ならば面積もかなり広く、見知らぬ土地に住んでいるのとまったく変わらないからです。

そこで今回は「自宅」について考えてみます。
そのきっかけは、今年の4月から、死亡診断書の死亡場所の「自宅」にサービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)や住宅型有料老人ホームが含まれることになったことに違和感を抱いたからです。

一般的に「自宅」が持ち家とは限りません。賃貸のアパートやマンション、借家なども立派に自宅です。ただしその住まいが自宅というためには数年以上は住み続けてきたか、住み続けるかが前提のように思います。
では、なぜ私がサ高住や住宅型を「自宅」というのに違和感を抱くか・・・それは部屋の雰囲気が「自宅風」ではないからです。狭い居室空間にベッドとタンスくらい。お客様と語り合うわずかな場所もなければ食事スペースもありません。壁にはわずかに家族の写真が貼ってあるだけ。まさに病院の個室の狭い版でしかないような・・・

「住み慣れた地域」にならって「住み慣れた自宅風の部屋」に模様替えができるなら、まさにその居室を自宅で呼んでいいと思います。極端な例ですが・・・天井まで所狭しと貼られた氷川きよしのポスター、本棚にぎっちり埋まったディズニーキャラクター、囲碁や将棋、ゴルフなどのDVDコレクションに埋まったTV台などなど。自分がもっとも落ち着く空間に演出できる居室なら「自宅ならぬ自室」とはいえると思います。

「住み慣れた自室で暮らせる」・・・これならわかります、納得できます。

ちなみに在宅医療や認知症ケアで活躍のN医師は「住民票登録」がしてある場所を自宅としているそうです。そうではないところはすべて「その他」。具体的には「兄弟宅、子供宅、愛人宅、隣人宅、友人宅、仕事場」があり、介護では「デイサービス、お泊りデイ、ショートステイ、小規模多機能」、さらにつどい場などがあるようです。
看取りの時に「自宅」は望むべくもないかもしれません。でも看取りの場所が多様化するこれから、せめて「私なりの自室風」の空間で看取られたいと思うのは私だけではないと思います。
さて皆さんはどのようなモノたちに囲まれて看取られたいですか?
私ですか?アナ雪に出てくるオラフかトナカイのスヴェンですかねぇ(^^;)。


■ 最新業界ニュース

1.2号被保険者の負担公平に 厚労省「総報酬割」導入を

厚生労働省は14日、介護保険部会に、再度、総報酬割の導入を提案した。40〜64歳の保険料として医療保険の保険者が支払わなければならない納付金額を加入者の「人数」で割り振るのではなく、「報酬額」で振り分けるように変更する。加入者の平均所得の高い健康保険組合は負担増になるのに対し、中小・零細事業所のサラリーマンが加入する協会けんぽは負担減。協会けんぽでは、収入に対する介護保険料の割合が健康保険組合よりも高くなっていると「負担格差」を強調。収入を反映することで2号被保険者間での公平な負担になると強調した。

2.家事ヘルパー研修に応募殺到 官民連携で人材掘り起こし (練馬区)

要支援1・2の訪問介護・通所介護を自治体事業に移行させる介護予防・日常生活支援総合事業。東京・練馬区では区独自基準の訪問介護を担うヘルパーの研修参加を募集したところ、応募者が殺到した。研修終了後は、区内の訪問介護事業者への就労を促している。研修時間が17時間と短く、手軽に受けられること、「1時間からでも働ける」という呼びかけが、就労希望者を掘り起こしたかたちだ。区と事業者団体が協力して、地域にマッチした事業となるよう取り組みを進めてきた。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」

「会議で発言していると、途中から自分でも言いたいことが分からなくなることがあります。皆もえっという表情しているし・・・悲しくなります」
(O.Fさん 女性 主任ケアマネ歴5年 地域包括支援センター)

【ムロさんの助言】
私もかつては会議で発言するときドキドキしたものです。まずはタイミングがむずかしいですよね。人の発言をさえぎってはいけないし、発言しようとすると他の人がいきなり話し出したり。ですから「ちょっといいですか?」と小さく手を挙げてみると進行役の目を引くことができます。言いたいことは手元に箇条書きでメモをしておくのもいいでしょう。それと発言している人の話に頭の中で「なるほど、私は〜と思うな、それは違う」などと脳内シャドーボクシングをしているとすぐに「言いたいこと」が話せるようになりますよ。 (^.^)

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■ ムロさんの本棚から

「対人援助のためのジェノグラム入門〜家族理解と相談援助に役立つツールの活かし方〜」(編著 早樫一男 中央法規出版 1600円+税)

【ムロさんの書評】
家族構成を「見える化」したのがジェノグラム。いまの家族関係だけでなく、複雑な婚姻関係やトラブル・葛藤まで「線と記号」だけで図解化してものです。しかし書き方にルールがあるので知らないと勘違いをしたり、事例検討会では進行についていけなくなることも。ちびまる子ちゃん一家なども例にとり、書き方・読み解き方などをわかりやすく解説してくれる一冊です。

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★ 東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(5) 「多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜」
(定員15名限定 残席1名)
│日 時│10月30日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2810.shtml

⇒シリーズ(6) 「ケアチームで盛り上がるサービス担当者会議〜「新規・更新・引き継ぎ」の準備・進行の勘所〜」(定員18名限定 残席4名)
│日 時│11月20日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage 2811.shtml

⇒シリーズ(7) 「めざせ、モニタリングの達人!〜ケアプラン評価とリスクマネジメント〜」(定員18名限定:忘年会あり 残席7名)
│日 時│12月18日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage 2812.shtml


★今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「ケアマネジャー手帳の秘話(1)」(第482話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/23694

◎中央法規 月刊ケアマネジャー11月号高室流モチベーションアップ講座
└→「怒りをパワーに変える」(Vol.8)


◇ 編集後記

研修依頼で多くなってきたテーマに支援困難ケース支援があります。それと苦情対応やリスクマネジメントです。家庭内虐待対応も・・・ここ10年で家族絡みの事件も増えましたね。それも夫や息子が妻や母に手をかける事件が増えてきています。きょうだい喧嘩も口論でなく殺人事件にいたるレベルになっています。「同居」という家族スタイルも、なんらかのストレスが極度に溜まり噴出すると虐待や事件にいたる・・・しかし外面的にはSOSを訴えないことも多いので周囲にはわからず、わかった時は手遅れとなっています。ならば「同居介護」をリスク要因として、専門職が深くていねいにかかわっていくことが求められている・・・まさに「そこにある危機」と考えなくてはいけない時期に来ています。 <ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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