ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第467号
2016/09/29(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの示唆「福祉の学ぶこととキャリア形成」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「駆け込み寺」
[4] 私の本棚から:「終わった人」(内館牧子著)
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
第2期「新ケアマネジメントの仕事術」スクール!!!
シリーズ(5)「多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜」(定員15名限定 残席1名)
│日 時│10月30日(日)10:30〜17:00 

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■ ムロさんの視点

===「福祉の学ぶこととキャリア形成」===

 先日、某大学の社会福祉学部の学生たちの前で話す機会がありました。いわゆるゲスト講師です。「社会福祉学部といってもすべてが福祉現場を希望しているわけではありません。3割は福祉現場でなく一般就職を希望している学生たちです」と聞いていたので、さてなにを話そうかと考えました。

 今後は福祉現場の人をゲスト講師として予定しているということなので、ちょっと広い意味で「福祉を学ぶことがキャリア形成にどのように役立つか」を話すことにしました。
 まずは自己紹介です。どうして私がケアタウン総合研究所を立ち上げることになったのか・・・「私の父は30代になると下肢がマヒする難病にかかりました。私が9歳になった頃から父が障がい者であることを意識するようになりました。それが私の福祉との出会いです」
 それから日本福祉大学に進んだ経緯、その後、福祉現場にいかずに出版社に勤めフリーライターを経て?会社、30代に外資系金融機関で10年間働き、41歳で独立したことをエピソード交え話しました。

 次に福祉が対象とする人たち(幼児、児童、障がい児、障がい者、高齢者、生活困窮者、ひとり親家庭など)とその人たちが直面している問題(虐待、貧困、差別、いじめ、自死、孤立、ゴミ屋敷、ホームレスなど)を整理して話しました。そして「これらは福祉現場でがんばることだけでは解決できません」ときっぱりと伝えました。

 そして「福祉的支援」を4つに整理しました。
 「当事者の不安や意向・自己決定に寄り添う相談援助、衣食住やケアによる生活支援、仕事や役割をサポートする就労支援、地域や住環境、職場・制度による環境支援があります。みなさんはどの立場で福祉支援に関わりますか?」
 私はどのような仕事や立場でもかかわることができること、またその重要性をいくつかの例を挙げて話しました。

 最後の5分間で福祉現場で積んだキャリアを一般の会社に転職して活用することの将来性、一般の会社に就職した数年後に福祉現場に転職することの意味と将来性を私の経験を含めて話しました。
 私の本音は、たかだか学生時代の思い込み?で自分の人生を「単線人生」としてほしくないということです。そう思ってしまうから迷い悩んでしまうこと。 
 福祉現場で働く人の6〜7割は転職組であり、一億総活躍の流れで今後も増えることを踏まえ、「人生は複線人生、複々線人生であっていいこと」、いつも人生はリターンマッチできることを伝えました。

 複雑系?の歩み方が人生の幅・厚みとなり、人への深い理解とやさしさとなり、しなやかな強さを育むこと・・・これからの地域共生型の日本社会のあらゆる現場で働く人に求められている「能力」だと考えます。


■ 最新業界ニュース

1.柔整師、療養費適正化へ 「不正請求」社会問題にも (厚労省)

 医療保険部会の専門委員会は「柔道整復師」、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」(あはき)への医療保険から支払う療養費の適正化案をまとめた。これを受け、棚上げになっていた療養費の0・28%のプラス改定を10月から実施する。通常、診療報酬の改定から2カ月後に、医科の改定率の半分の改定を行うのが慣例だ。特に柔道整復師を巡っては、架空請求や水増し請求などの事件が後を絶たない。昨年は暴力団が各請求を資金源としていたとみられる事件も発覚。改定を先送りし、適正化対策を検討していた。裁判に敗訴し、政府が総量規制できなくなったことから、1998年から柔道整復師の養成校は増え続け、これに伴い有資格者数・施術所が急増。施術所は1998年に2万3千カ所だったのが、2014年には4万5千カ所と倍増。これに伴い、療養費も増え年間4千億円程度にもなっている。「あはき」は1千億円程度。3月から専門委員会での議論を開始し、8月末に議論の整理案が了承された。

2.認定率、給付費ダブルトップ!保険者支援へ認定調査の標準化も(大阪府)

 国の「見える化」システムで、被保険者1人当たり給付費、要介護認定率がダブルでトップと指摘された大阪府が、保険者支援に動きだした。自立支援に向けた介護予防ケアマネジメントの普及を目指す国のモデル事業を3カ所で行うほか、府内でバラツキのある要介護認定の標準化に向けた取り組みも行う。  これに先立ち7月1日付けで、大阪府高齢者保健福祉計画推進審議会の中に専門部会を設置。給付費や認定率が高い要因について、識者により検証・分析する場とした。市町村担当者との勉強会も行い課題を共有していく。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「駆け込み寺!」(※新企画!)

 「住宅型有料老人ホームの施設長さんから、これでプランを作ってください、と一枚の紙を渡されました。支給限度額いっぱいに自分のところのサービスを盛り込んだものでした。ため息が出そうです」
(T.Rさん 女性 ケアマネ歴2年)

【ムロさんの助言】
 T.Rさんは「外(そと)マネさん」ですね。この手の話はチラホラと耳にしますね。バリアだらけの在宅で6割程度しか使っていなかったのにバリアフリーの有料ホームやサ高住でなぜ10割まで組まなければいけないのか・・・まずは事業所で自立支援となるためのケアプランを事例検討しましょう。そこに施設長さんにも参加してもらい、できれば地域包括支援センターの主任ケアマネにも参加してもらうといいですね。なによりオープンにすることです。内々で処理すると後で悩むのはあなたです。まずは、そこから始めましょう。(^.^)

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■ ムロさんの本棚から

「終わった人」(内館牧子著 講談社 1600円)

【ムロさんの書評】
 本書は実におもしろい!この小説は大手銀行の出世コースからはずれ子会社で定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は無為の時間に途方に暮れ、戸惑い、居場所を探してもがきあがき続けるさまが丁寧に描かれます。モーレツ社員にとって定年式は葬式であり、終わった人と言われることの痛々しさがグイグイと迫ってきます。もちろん介護や老後のリアルも描かれます。イッキに読める1冊、おすすめの一冊です。

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(5) 「多職種連携とチームケアをめざすコーディネート〜介護・医療・生活支援と身内資源・近隣近所の調整と交渉〜」
(定員15名限定 残席1名)
│日 時│10月30日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2810.shtml

⇒シリーズ(6) 「ケアチームで盛り上がるサービス担当者会議〜「新規・更新・引き継ぎ」の準備・進行の勘所〜」
(定員15名限定 残席6名)
│日 時│11月20日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage 2811.shtml

⇒シリーズ(7) 「めざせ、モニタリングの達人!〜ケアプラン評価とリスクマネジメント〜」  (定員15名限定:忘年会あり)
│日 時│12月18日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage 2812.shtml


★今週のおしらせ

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「ひと相手の仕事」(第478話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー10月号高室流モチベーションアップ講座
└→「ピグマリオン効果」(Vol.7)


◇ 編集後記

 東京都の豊洲問題から次は五輪問題へ。バッサバッサと闇に切り込む小池知事は、所信表明では東京都を「ブクブクと贅肉をつけて膨らんでしまった肥満都市」と揶揄しました。都政でなく都庁の闇は深く、いずれは小説家が一冊の物語にまとめる日がくるでしょう。いくども書きますが、これが猪瀬知事や舛添知事ならば暴かれることもなく闇のまま?盛り土のない豊洲に築地が移転し、4兆円に膨れ上がった東京五輪が実行されていたと思うと、空恐ろしくなります。このようなことが都政レベルでなく国政レベルでも起こっているのでは・・・。映画「シン・ゴジラ」の自衛隊のリアル攻撃シーン(ちょっとやりすぎだなぁ)を見ながら思った次第です。 <ムロ>


個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp


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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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