ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第462号
2016/07/21(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの提案 「一億総○○社会〜いつでも、どこでも、だれでも〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
第2期「新ケアマネジメントの仕事術」スクール!!!
シリーズ(3) 「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析と家族アセスメント〜(定員15名限定 残席8名)
│日 時│8月28日(日)10:30〜17:00 (終了後 暑気払い会予定)

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■ ムロさんの提案

===「一億総○○社会〜いつでも、どこでも、だれでも〜」===

1年ほど前から「一億〜」というフレーズをメディアで触れる機会が増えました。ご存知のようにそのあとに「総活躍」と続きます。聞こえはいいですね、みんなが「活躍」できるという社会。
果たしてみんなが活躍できるほど今の私たちは元気なのでしょうか?
格差社会がさらに進み、子どもの貧困が食事にまで影響しているのに・・・

それに元気がだせない人にはどうするか・・・もちろん叱咤激励ですかね(>_<)。
「がんばりましょう」「がんばればなんとかなる」「いまがんばらないでいつがんばるのですか?」という松岡○○フレーズが飛び・・・やがて「がんばるのは?・・・今でしょ!」と某カリスマ講師が彼一流のドヤ顔で高らかにうたいあげるとがんばれるというのでしょうか。

このフレーズに違和感を抱くのは「総活躍」ということです。もちろん、ひとそれぞれに活躍のスタイルはあるというのはわかります。でもちょっと考えてみると日本の人口は約1億2千万人ですよね。つまり、残りの2千万人は活躍できない人?とあらかじめ分けて、残りでがんばりましょう、と折込み済みのフレーズとするなら、なかなかすごい打ち出し方だな、と感心すらします。

私はここ10年近く言い続けていることに「高齢者が高齢者を支える高齢社会」というコンセプトがあります。これはとても単純なことです。これからも少子化の流れは止むわけではなく、いっぽうで増え続けるのは高齢者層というわけです。ではもっとも多い高齢者同士で支え合いましょう、というシンプルなものです。高齢者は支えられる立場でなく支える立場となろう、というもの。
それは就労世代が払っている年金財源と税金を食いつぶす旧来型の仕送り型の年金システムを変えることも必要と考えます。私たちの世代で変えていかないと「私たちの未来を食い物にしている高齢者なんていらない!」という現役世代からの猛反発が起こることでしょう。

具体的には介護なら「過ごしの部分」を担いましょうというもの。食事・排泄・入浴はとても専門性が求められます。でも話し相手や一緒に行うものづくりや作品づくりは介護の専門性でない「趣味・こだわり」に専門性があれば、むしろ最適な役割です。
そこは同世代を生きてきた者どうしだから気兼ねなく過ごし合えるのではないか・・・それが「高齢期を生きるおたがいを支え合う関係づくり」だと考えますが、いかがでしょうか? そのために自治体に「時間を寄付する」(タイムドネーション)ことをしたらと。高齢者は時間長者な人たちです。ならば週3〜5時間を寄付する人が100人いたら300時間〜500時間となり、それを自治体がコーディネートすればいいわけです。限りがあるなけなしのお金でなく「時間」を寄付する・・・これなら生活費を減らさず地域社会に貢献することができます。

そしてもうひとつ・・・高齢者の定義と範囲を変えること。介護保険15年間でもっとも変わったのはここですね。65歳で高齢者と呼ばれたくない・・・100歳現役社会をめざすなら、せめて65歳〜74歳は前期高齢者、75歳〜84歳を中期高齢者、85歳からようやく後期高齢者と呼ぶというのはいかがでしょうか?

ですからポジティブな印象を与える「活躍」でなく、それぞれのライフスタイルに合わせた「参加」ですね、しっくり来るのは。みんなが「いつでも、どこでも、だれも」が参加できる(かかわれる)日本型福祉社会をどうつくるのか・・・東京オリンピックをきっかけに、日本社会だからこそできる「あたらしい高齢社会の進化形」がめざせるのではないでしょうか?



■ 最新業界ニュース

1.3層で地域公益活動を推進 都の社福法人が推進協議会(東京都)

改正社会福祉法で社会福祉法人の責務とされた地域公益活動に連携して取り組むため、東京都の社会福祉法人が今年9月、協議会を設立する。個々の法人の取り組みのほか、区市町村ごとの法人のネットワーク化、東京都全域での連携という3層の取り組みを推進し、個々の法人や分野別の制度では対応が難しい地域課題の解決に取り組む体制づくりを目指す。社会福祉法人の活動を法人間で共有し、社会に発信することも事業に位置付けている。

2.最大400人も可!春日井に3つ目の大型デイ(サン・ビジョン)

社会福祉法人サン・ビジョン(愛知県名古屋市、杢野暉尚理事長)は6日、定員100人の大型デイサービスセンターを愛知県春日井市にオープンした。2階建て、約4千m2の建物内には、天然温泉やトレーニングルーム、カジノ、映画館、料理教室、パソコン教室などの活動を用意した。その日の予定を利用者自らが決める仕組みだ。「大型デイサービスは軽度者向け」というイメージを払しょくするため、機械浴やデイルームでの個別対応なども取り入れた。同法人は、名古屋、江南、春日井で介護施設の拠点化を進めている。大型デイは春日井が3カ所目だ。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 全国の研修会場の「ひと声」

「岡山に父を残して、いまは三重で働いています。母が亡くなってから父が呆けちゃって・・・デイサービスもあんまり行きたがらないので。やたらうるさいんですよ。いまは小規模多機能ってやつですか、それです。もう少しこっちの要望を聞いてほしいんですけど、どこまで言っていいか悩んでいます」
(40代後半さん 男性 IT系SE 介護歴2年ほど) 

【ムロさんのコメント】
先月、一般の方向けの介護セミナーで私に質問をされた方です。見るからに仕事できそうオーラがある40代後半の男性。しかし父親の介護では困ってらっしゃるよう。毎晩、電話をされているほどにがんばっています。彼だったらかなり細かくケアマネさんに要望を出しているようなので、そのあたりを尋ねると表情が曇ります。「う〜ん、正直、どこまで言っていいかわかんないですよ。言いすぎるとじゃあうちでは無理ですと言われそうだと困るし・・・」。父親は気に入っているようでも息子としてはかなり注文があるようです。いくつかリアルなアドバイスをしましたが、信頼関係が築けていないような・・・家族はケアマネジャーにかなり遠慮がある、それが実感でした。

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(2)「利用者(家族)との出会いとインテークの勘所〜新規ケースと引き継ぎケース〜」(定員15名限定 キャンセル待ち)
│日 時│7月31日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2807.shtml

⇒シリーズ(3) 「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析と家族アセスメント〜
(定員15名限定 残席8名)
│日 時│8月28日(日)10:30〜17:00 (終了後 暑気払い会予定)
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2808.shtml

⇒シリーズ(4) 「自立(自律)」を支えるチームプランニングと事業カンファレンス〜自助・互助・共助・公助と生活支援サービスのプランニング〜
(定員15名限定)
│日 時│9月18日(日)10:30〜17:00 
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2809.shtml


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式話し方トレーニング」!
3ヵ月であなたを話し方の達人に!心地いい声の出し方、抑揚のある話し方、ケアマネジメントプロセス別の話し方、事業所への伝達、苦情対応などのシーン別話し方も。文学座の女優の方に協力いただいた実践的なDVD付きです!
URL:http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/06/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「地道ながんばり〜足立区千住西包括センターの取り組み〜」(第469話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro/21019

◎中央法規 月刊ケアマネジャー7月号 高室流モチベーションアップ講座
└→「タイムトライアル」(Vol.4)


◇編集後記

今月、日本経済新聞に取材を受けることが2度ありました。8月のお盆に介護をテーマに特集を組むとのこと。介護保険制度の基本から親の動作に「おやっ?」と思った時の対応、介護保険の申請から遠距離介護の心得までお話ししました。お盆と年末にビジネス誌もかならずといっていいほど介護特集を組みます。その理由を尋ねると・・・「実家に帰る前の理論武装なんですよね」とのこと。なるほど、なるほど。地方から出てきたビジネスパーソンが介護に直面するのがこの時期。ですから確実に売れるようです。とくに「介護休業制度」についての関心は高いですね。93日間を3回分割して利用できる、半日利用も可、休業中は67%が保証されるなどなど。それに対象が要介護1〜2でもOK、同居していない祖父母も可とか・・・ようやく使い勝手がよくなってきた感があります。しかしこれも企業の受け止めは微妙で・・・(>_<) そのあたりを忌憚なくお話しし私なりの提案をしました(^.^) ちょっと長すぎてすみません<(_ _)>

個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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