ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第459号
2016/06/09(Thu)
http://caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの懸念 「介護格差〜いま、まさに起こっていること〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
6月26日(日)10:30〜17:00 第2期「新ケアマネジメントの仕事術」スクールが始まる!(^^)!
シリーズ(1)「ケアマネジャーの仕事力〜チームマネジメントとセルフマネジメント〜」(定員15名)

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■ ムロさんの懸念
===「介護格差〜いま、まさに起こっていること〜」===

 「格差」がいろんな分野で使われていますね。老人格差、進学格差、結婚格差、さらに婚活格差などなど・・・格差社会、ここにいたれりというか。比べることで優劣や高低がはっきりするのでわかりやすい。新聞、雑誌にこの手の特集があると目がいってしまいがちです。

 いま老人格差・老後格差に深く関連する切り口として「介護格差」という言葉に出会いました。介護に格差といわれても多くの人はピンとこないかもしれませんが、かなり格差があるのはご存知の通り。
たとえば介護保険制度。これは国が定めたナショナルスタンダードのもとに行われていても、市町村によってかなりの格差があります。市町村ごとに介護保険料が異なります。(その差、3倍の格差ですからね)それに人口規模でサービス事業所の数が違う。さらにローカルルールが異なっていたりします。

新総合事業が本格的に始まるとその力の入れ具合とノウハウの有り無しで、10年後の介護保険料もサービス資源もかなりの格差がついてしまうことでしょう。一方の要介護認定率は14%、かたや20%なんて事態も・・・。

 介護格差を介護を受ける利用者の側から発想するとさらに深刻です。サービス事業所ごとにもてなし感や丁寧さ、楽しさがかなり差はあるでしょう。軽度中心、認知症中心、中重度中心など受け入れにスタンスの違いもはっきり出てきているので、当然、受けるサービスの質に格差も生まれます。

 それと収入の格差が介護格差にモロ影響していることも。1割自己負担が払えないためにサービスを減らすことも起こっています。2割負担となった利用者はいままでの自己負担分を増やしたくないとなれば、サービスの利用はおのずと5割減となります。
 それに同居する息子が結婚格差で結果負け組?となり、失職で再就職ができないなかでの息子介護はかなりの介護格差を生むでしょう。

 「進学格差=所得格差」と揶揄されるように、「介護格差=所得格差、近所付き合い格差、持ち家格差、夫婦仲格差、家族仲格差」と分析する研究者もでてくるかもしれません。いえることは「複合的重層的」に原因が絡み合っているということ・・・ひと筋縄では解決の糸口は見えないのです。


■ 最新業界ニュース

1.職員の不満が虐待に 変化に気付ける組織づくりを(高経協シンポ)

 高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協、森川悦明会長)は5月30日、「介護施設での虐待防止」をテーマに第4回シンポジウムを開催した。高齢者住宅の経営者が介護職員による虐待や虐待につながる不適切なケアを防ぐための実践事例などを紹介。介護施設に関わるすべての人が虐待の芽に気付き、経営者や管理者を含めて情報共有できる風通しの良い組織風土づくりに力を入れているようだ。

2.「19年10月」に増税再延期 PB黒字化目標は堅持(内閣府)

 安倍晋三首相は1日、2017年4月に予定していた消費税の10%への引き上げを2年半再延期すると表明した。増税による増収分は、介護保険料の低所得者軽減強化など新たな社会保障の充実策に充てる予定だったが、財源のめどが立たなくなったため、実施時期や内容の見直しを迫られる。一方で、2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標は堅持するため、消費増税前の2018年度に予定されている介護の制度改正や報酬のダブル改定は、これまで以上に強い歳出削減圧力がかかる中での見直しになりそうだ。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」

小金井市包括研修「アクターズケアを使ったコミュニケーション術」

1.声の大きさを工夫する
2.間をとって話す
3.滑舌トレーニングをする
(T.Kさん 女性 ケアマネジャー)

【ムロさんのコメント】
 話が上手な人は「間」をつくれる人です。例に上がるのが落語家さん。間で話の展開を進め、登場人物にメリハリをつける技術はさすがです。私が指導するのは「話の終わりに口をつぐむ」こと。これをするだけで「間」は生まれます。滑舌が悪いと何を話しているかわかりません。俳優たちの滑舌トレーニングは相談援助職やケア職には大切なトレーニングだと思います。


■ 全国の研修会場の「ひと声」

「自分ではそれほどこもった声とは思っていなかった。先生から指摘を受けて今後、気をつけていきたいと思った。話すときには具体的なエピソードをまじえて話すと相手にも伝わりやすいことがわかった。声の大きさ、トーン、間、身振りなども効果的に取り入れてみたい」
(Y.Tさん 女性 主任介護支援専門員 ケアマネ歴10年)

【ムロさんのコメント】
 私たちはスピーカーから流れる声を聴くと「これは私の声じゃない」と思いがちです。それは私たちが聞いているのは頭蓋骨内の骨伝導で響いている声だから。スピーカーから流れているのは空気伝導して届いた音。つまり周囲に聞かせている音がそれなのです。はじめは違和感があって否定したいでしょうが、何度も聞いているうちに耳慣れして自分の声の特徴がわかってきます。そこからなのです、ボイストレーニングのスタートは!(^^)!

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規刊)を基本テキストに学ぶ実践的な第2期ケアマネの学校が6月から始まります!(^^)!
⇒シリーズ(1)「ケアマネジャーの仕事力〜チームマネジメントとセルフマネジメント〜」(定員15名限定 残席8名)
│日 時│6月26日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2806.shtml

⇒シリーズ(2)「利用者(家族)との出会いとインテークの勘所〜新規ケースと引き継ぎケース〜」(定員15名限定)
│日 時│7月31日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2807.shtml


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式話し方トレーニング」!
3ヵ月であなたを話し方の達人に!心地いい声の出し方、抑揚のある話し方、ケアマネジメントプロセス別の話し方、事業所への伝達、苦情対応などのシーン別話し方も。文学座の女優の方に協力いただいた実践的なDVD付きです!
URL:http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/06/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「連載:外側からのモチベーション」(第464話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー6月号 高室流モチベーションアップ講座
└→「外側からのモチベーション」(Vol.3)


…◇ 編集後記 ◇………………………………………………………………………

私に依頼されるテーマは10近くあるでしょうか。どのテーマもそれぞれに好きなのですが、とりわけ「私らしさ」を打ち出せる?ひとつは「ファシリテーション」です。会議の進め方ですね。こればっかりは理屈だけでなく実践的なノウハウを伝えなければ現場では使い物にはなりません。数限りない会議の進行役を経験した私があみだした秘法?のノウハウ(例:発言の引き出し方、質問の仕方、会場のなごませ方など)を指導すると表情が一変するのに、これまた私がビックリ。それほどにファシリテーション技術は奥が深いものなのです。

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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