ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第456号
2016/04/21(Thu)
http://caretown.com/

4月14日に九州で発生しました熊本地震で被害に遭われた皆さま方に心からお見舞い申し上げます。災害支援のため現地で活動される専門職のみなさま方に心からの敬意を表します。
ケアタウン総合研究所 代表 高室成幸

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの熟慮♪ 「感情を先取らない〜決めつけられることの気持ち悪さ〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
5月22日(日)10:30〜17:00新ケアマネジメントの仕事術シリーズ(11)
「施設ケアマネジメント〜特養・老健・療養型・特定施設、居住系(サ高住)のケアマネジメント〜」(定員15名:残席7名)
6月より第2期ケアマネの学校シリーズが始まります!

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■ ムロさんの熟慮
「感情を先取らない〜決めつけられることの気持ち悪さ〜」

 みなさんは、こんな体験をされたことはありませんか?
あなたは友人に誘われ、あるイベントに来ています。実は用事があり気が乗らないままの参加。ステージではお笑い芸人たちのコントをやっています。
「おもしろいねぇ、本当に!楽しいよね!よかったね、来て!」
あなたは苦し紛れにうなずきます。だって楽しくないから・・・。

 これは感情を先取ること危うさを示したわかりやすい例です。自分の思いや印象を勝手に決めつけられると自分をないがしろにされたような感情がわいてくるものです。

 では「考え方」や「解釈」を先取りされたらどうでしょう。
「〇〇は〜〜〜という原因が影響して〜〜〜という結果を招いているということなんですが、どうですか、わかりますよね?」
これもかなり乱暴な決めつけですが、学校の先生は意外とやっています。
学生だった私は「ふ〜ん、そうなんだぁ。でも・・・違うんじゃねぇ?」と聞いていました。先生はそう教えるんだ、という程度に聞いていたものです。
つまりそこには客観的事実や材料がそろっているので、あくまで感情のような主観を押し付けられる感覚はありません。

 では、いま使った「感覚」はどうでしょう。これもかなり主観的ですよ。
「このケーキ、めちゃおいしいよね!」「この手すり、気持ち悪い!」
「ああ、この匂い、いいねぇ」「この景色みるとホッとするね」「この曲、超イイ!」
このセリフにあなたはすべて「そうそう!」と相づちが打てますか?
打てるなら、その友人と同じ感覚の持ち主か、その友人に嫌われるのがこわいのか(笑)、どちらかでしょう。この話し方では共感できなくて当たり前。

 では次のように話してくれたら、どれかには相づちが打てるのでは?
「この甘さがちょうどいいね!」「この手すり、ヌルヌルするね」「ああ、バラの香りがいい」「朝もやの湖面ってホッとするね」「タイガースの『花の首飾り』、超懐かしい!」
どうでしょうか?

 人は感情や感覚を先取りされると「私はそうじゃない」と内心思っているものです。「なんか違うんだよね、あの人と」と距離感を持たれていたりします。
でも、そこに具体的な事実、エピソード、例えを盛り込んでみると「なるほど、そういう風に思うんだ。それだったらわかるな」と思ってもらいやすくなります。つまり、これが「共感」なのです。

 共感とは、その人の感情や感覚に寄り添うこと・・・
主観的に先取りして「悲しい気持ち」になろうとしても無理というもの。むしろなぜそう感じるのか、を具体的に聞き取りましょう。するとあなたの体に秘められた「感情・感覚の記憶」がよみがえってくるはずです。
 
 
■ 最新業界ニュース

1.虐待・事故「予防」に注力〜本社にリスク管理部を新設 業務管理改善着実に〜(メッセージ)

 豊中、川崎の2施設の虐待事件で厚労省からも昨年11月に業務管理体制の改善勧告を受けていた介護付き有料老人ホーム、高齢者住宅大手のメッセージ。本社に新設したリスク管理部を中心に着実に改善を進めてきた。大きな経営リスクになりかねない事故の芽を摘む「予防」対策にも注力。全国の約300施設からヒヤリハット情報を含めた事故情報をICTで集約するシステムも導入した。

2.家政婦に評価制度創設 家事代行業と差別化

 家政婦紹介所の全国組織である日本看護家政紹介所事業協会(戸狩利和会長)は今年度から、家政婦の持つ専門的な職業能力を評価する「家政士検定評価制度」を始める。介護や子育てを含む幅広い家政サービスを提供できるプロフェッショナルとして社会的な認知度を高めていくとともに、介護保険の生活援助が収縮するのに伴い、台頭する家事代行サービス行の差別化を目指す。

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 最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載し
 ています。シルバー新報 ウェブサイト→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」

岸和田市介護保険事業者連絡会「多職種連携とチームケアに活かすコミュニケーション力」

1.共感をもってもらうために具体的に話す
2.コミュニケーションする道具を使いこなす
3.社会人として敬意をはらった話し方をする
(M.Jさん 女性 ケアマネ歴10年 社会福祉士歴15年)

【ムロさんのコメント】
 コミュニケーションの語源はラテン語のコムニカチオ(communicatio)。コムニカチオの意味は「分かちあうこと、共有すること」です。考えや思いを相手に伝えることだと思われがちですが、それは片方、つまり一方通行でしかありません。「分かちあう」ためには相手の話を傾聴し共感すること。つまり双方向ということです。だから使う道具は口(話す)だけでなく耳(聞く)、目(見る、読む)なども含まれます。社会人には「親しき仲にも礼儀あり」が通例。家庭的雰囲気という言葉にまどわされ、「親しい=なれなれしい」になっては、相手の気分を害していることも。ケアだからこそ超配慮すべきことですね。


■ 全国の研修会場の「ひと声」

「同意と合意は違うということを知った。納得した」
(Y.Oさん 女性 人生歴43年)

【ムロさんのコメント】
 感情の先取りと似ています。いくら話し合っても厳密にいうと「同じ意向、同じ意見」になるのは正直無理。世代、性差、立場が違えば、まったく同じになることはありえません。しかし「折り合い」をつけること、「同じ行動を行う」ことはできます。合意とは、押し付けではなく尊重と納得が基本です。時間をかけた話し合いで「歩み寄る」こと・・・人間にしかできない技と思います。

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫新宿御苑前駅 研修会場(ルネ新宿御苑タワー2階)
≪申込み≫ホームページより→ http://caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(11)「施設ケアマネジメント〜特養・老健・療養型・特定施設、居住系(サ高住)のケアマネジメント〜」(定員15名:残席7名)
│日 時│5月22日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://caretown.com/tokyo/caremanage2805.shtml

「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規刊)を基本テキストに学ぶ実践的な第2期ケアマネの学校が6月から始まります!(^^)!

※「スクール会員」は会場ですぐに手続きできます!(^^)!(特典:受講料の割引、5回受講につき1回無料。絶賛、誕生中!)


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式話し方トレーニング」がスタート!
3ヵ月であなたを話し方の達人に!心地いい声の出し方、抑揚のある話し方、ケアマネジメントプロセス別の話し方、事業所への伝達、苦情対応などのシーン別話し方も。文学座の女優の方に協力いただいた実践的なDVD付きです!
URL:http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/06/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」
└→「新宿ゴールデン街〜思い出が焼けた日〜」(第456話)
URL:http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー4月号 高室流モチベーションアップ講座
└→「仕事モードの自分をつくる」(Vol.1)


◇ 編集後記 ◇

 先週の14日(木)に発生した熊本地震は九州を右から左斜め下に袈裟懸けするような様相となっています。余震と本震が入れ替わり、いまも震度5以上の余震が続いています。気象庁も観測史上初なので記者会見もどこか心もとないですが、3.11のときと比較して冷静なので真実味があります。40kmにわたる活断層のズレはほかの活断層を刺激し大分だけでなく鹿児島方面にも影響しそうな勢いです。3.11の時は「何かやらねば」と気を急いた災害支援活動が現場の混乱を招きました。今回はSNSのおかげで情報もリアルタイムで入ってきます。ただ予想できなかったのが自動車内避難者の数の多さです。できることは何か、いままた私たちが試されている時なのでしょう。(ムロ)

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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