ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第447号
2015/12/24(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの予知予見 「大規模M&A〜メッセージからジャパンへ〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
平成28年1月24日(日)10:30〜17:00(定員20名:残席10)
新ケアマネジメントの仕事術シリーズ(8)
「「苦情」は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアサービス・ケアマネジメントの質の向上と権利擁護に活かす〜」

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■ムロさんの予知予見!
「大規模M&A〜メッセージからジャパンへ〜」

 先週の木曜日、日経新聞に「損保ジャパンがメッセージをM&A」の記事が踊りました。ほぼ2ヵ月前の「ワタミの介護」の買収に続く第2弾。それも規模が半端ではありません。メッセージは全国で有料ホームやGHを展開し、今年3月期の売上高が789億円。業界第3位の位置につけていましたから買収金額もそれなりになるでしょう。

 既報の通り、今年の10月に川崎市のアミーユで数件の転落死亡事故が発覚し、それ以外にも百数十件の虐待事故が大きく報道され、ブランドイメージが失墜。厚労省からの指導もあり、地に堕ちた信用の回復が課題になっていました。
 そ、そ、それが、身売りという「看板の掛け替え」でチャラ?にしようというウルトラCには驚きました!ワタミは融資元の銀行からの猛プッシュで、自己資本比率を上げるためにドル箱「ワタミの介護」を売らざるを得なくなりましたが・・・メッセージのとった策はなんともはや・・・(>_<)
 問題発覚、バッシングの前では「気高い理念」のいかに底浅い事でしょう・・・。
 メッセージからジャパンへ・・・まるで語呂合わせのようです。

 これで損保ジャパンは業界第2位に躍り出ました。今後に向けて、「介護事業を損害保険・生命保険事業に並ぶコア事業と位置付けて、業界トップクラスのポジションの確立を目ざす」と説明しています。つまり第1位のニチイ学館を本気で抜く勢いです。これはこれで勇ましく・・・(^^;)
 2015年の介護給付費は約10兆円、それが2025年までには20兆円超へ膨らむ見通し。右肩上がりにみえて厚労省のさじ加減ひとつで売り上げが変動するこの業界、特養は27%が赤字という実体なのに、どうして損保ジャパンは進出したのでしょう。

 私見ですが、次の3つに整理できるでしょう。
(1)介護・医療、生活支援、緊急対応などを24時間体制で提供する「多機能の介護パッケージサービス」を開発・展開していくため
(2)損保ジャパンが扱う「民間介護保険」の被保険者に、施設サービスや現物サービスを提供するため
(3)損保ジャパン株のアップ(ネタとしては悪くない)とともに、将来の投資として有望である(つまり転売もありということ)
 さらにメッセージ+ワタミの施設&事業所で働く人たちの損害保険(例:自動車の任意保険)を一手に手中にできることも魅力でしょう。

 これまで介護報酬アップにいつも難色を示してきたのが財務省。しかし損害保険の管轄は財務省&金融庁です。損保ジャパンが介護報酬アップの圧力を厚労省でなく財務省に直接及ぼすことも・・・とうがった見方もできます。

 2つの大手介護事業者が消え、業界第2位の新手が突如出現した2015年の年の瀬。株式上場により株式市場から資金を調達できますが、つねに買収&乗っ取りのリスクにも晒されるという弱肉強食の世界。買収されると経営陣は変わり、理念も方針もサービスも契約内容も変わります・・・つまり職員も入居者も「そんなはずじゃ・・・」とリスクを負うことになります。

 2016年には日本生命がニ○○学館を吸収し、日経に「日ニチ合併」?という文字が踊ったり・・・警備、建設、土建につづいて金融機関が・・・やがては流通、運送、通信、エンタメ、メンテナンス、そしてお笑いが・・・
 あながちありそうな「世にも奇妙な物語」が浮かぶ年の瀬です(>_<)。


■ 最新業界ニュース

1.介護休業、分割取得可能に(厚労省審議会)

 厚生労働省は7日、仕事と家庭の両立支援対策の充実についての報告書案を労働政策審議会の雇用均等分科会に示し、概ね了承された。年間10万人にのぼる介護や看護を理由とした離職転職を防止するのが狙い。要介護の家族1人につき93日まで取得できる介護休業を分割して取れるようにしたり、介護休暇を半日単位で取得できるようにする。来年の通常国会に改正法案を提出し、2017年以降の施行を目ざす。

2.ケアリンピック武蔵野 800人が来場、盛況裏に閉幕(武蔵野市)

 12日に東京・武蔵野市で「ケアリンピック武蔵野2015」が開催された。一般市民も含めて783人が来場、賑やかに幕を閉じた。初の取り組みであり、どれだけ関心を持ってもらえるかが、不安半分で当日を迎えた関係者を喜ばせた。市健康福祉部の笹井肇部長は、「介護保険創設当初にあった希望や誇りをもう一度取り戻したい。介護の仕事を感謝、感動、希望の3Kにしよう」と挨拶。構想は2年前。制度創設当時の担当だったこともあり、「15年の歴史を振り返るとともに、保険者として市内で働き続けてくれた人にお礼をしたかった」と。市内で15年間働き続けた人を表彰する「永年表彰」は191人が対象。来場者には、1人ひとりに市長が表彰状を授与。名前を呼ばれると、舞台に上がり、緊張した面持ちで、受け取った。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」
名古屋市介護職員等研修「本人らしさを活かした自立支援プラン作成法」

1.モチベーションの上がる目標設定
2.事業所には、サービス内容を具体的に伝える
3.利用者の元々の生活スタイルを把握する
(K.Hさん 介護福祉士歴7年 ケアマネ歴:6ヶ月)

【ムロさんのコメント】
「目標は、あくまでその方のオリジナルなものや本人らしいものを考え、具体的かつモチベーションが上がるものにすることを理解しました」と書いたK.Hさん。モチベーションアップの課題や目標設定にはCADLの視点がとても参考になります。その方の生活スタイルを聞き取りながら、本人が前向きになれそうな課題や目標を把握しましょう!(^^)!


■ 全国の研修会場の声
ケアタウン主催「モニタリングの達人〜ケアプラン評価とリスクマネジメント〜」

「ヘルパーやデイでの様子を聞いても変わりがないという返答が多い。モニタリング訪問では、これまでの1ヵ月とこれからの1ヵ月に分けて聴き取ること。プランの進捗やサービス提供の状況を予測するだけでなく、生活のリスクなども予測することの重要性に気づいた」(K.Tさん:男性 地域包括:主任ケアマネ)

【ムロさんのコメント】
 モニタリングという名称に縛られ、これまでと現状把握にとどまっています。大切なのは「これからの1ヵ月」を予測すること。予測するからリスク対応もできるわけです。K.Tさんは「リスクの先読み」「リスクを意識した訪問観察」が気づきと書かれていました。大切な視点です。みなさん、モニタリングマニュアルについてもやってみたいと・・・質の平準化、洩れ・ブレを減らす意味でもぜひともやってみて下さい!(^^)!

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規刊)を基本テキストに学ぶ実践的なケアマネジメントスクールです。全国に仲間も生まれます!

⇒シリーズ(8)「「苦情」は利用者(家族)からの「贈り物」〜ケアサービス・ケアマネジメントの質の向上と権利擁護に活かす〜」(定員20名:残席10)
│日 時│平成28年1月24日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2801.html

⇒シリーズ(9)「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント〜採用・配置・育成・メンタルマネジメント〜」(定員20名)
│日 時│平成28年2月28日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2802.html

※「スクール会員」は会場ですぐに手続きできます!(^^)!(特典:受講料の割引、5回受講につき1回無料。絶賛、誕生中!)
※「新ケアマネジメントの仕事術シリーズ」の今後のテーマはWEBに掲載!


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式話し方トレーニング」がスタート!
3ヵ月であなたを話し方の達人に!心地いい声の出し方、抑揚のある話し方、ケアマネジメントプロセス別の話し方、事業所への伝達、苦情対応などのシーン別話し方も。文学座の女優の方に協力いただいた実践的なDVD付きです!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/06/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「言葉の力〜信じること、疑うこと、託すこと〜」(第442話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー12月号 高室流 会議力アップ講座
「進行の技術の磨き方〜(3)進行する〜」(Vol.9)


◇ 編集後記 ◇

 今年もあと1週間となりました。今年は全国の研修行脚以外に5年間をかけた「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規出版)、2年間かかった「福祉職場の採用面接」(筒井書房)に加えて2冊の監修書を出版しました。週刊誌や月刊誌、テレビなどのメディアの取材に協力することも多かったですね。雑誌の連載や寄稿も多く、さらにブログにフェイスブックと・・・いつも「何かを書いている」状態でした(^^;)。来年も3冊の新刊の企画が決まっていて、いまの状況はさらに続くよう・・・。全国のみなさんの「わかりやすい、ためになる、実践的に使える」の声をいつも全身で感じながら、2016年も走りぬきたい・書きぬきたいと思います。私になりにチャレンジすることはいくつかあり、それも追々お知らせしたいと思います。
まずは、みなさん、よいお年をお迎えください!(^^)!(ムロ)

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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