ケアタウン総合研究所
バックナンバー

ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第441号
2015/09/17(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの熟慮「人口減少社会と多死社会〜問われる逝き方〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
10月11日(日)10:30〜17:00(残席7)
新ケアマネジメントの仕事術シリーズ(5)
「コーディネート〜サービス資源の調整と交渉〜」

〜〜〜〜〜〜〜

■ ムロさんの熟慮
「人口減少社会と多死社会〜問われる逝き方〜」

 社会学的統計のなかで、きわめて精度が高いとされるのが人口予測です。「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、2010年に1億2806万人いたのが、2040年には1億728万人になり、2060年には8674万人に激減すると予測します。つまり、いまの15歳の少年少女が60歳になる頃には「4000万人」減っている日本社会になっていることになります。
 これは出生率が「1.35人」が前提の数字であり、ここ数年は回復基調なので安堵したいところですが、出生数の減少傾向は変わっておらず、人口減少に歯止めはかかっていません。

 人口減少社会といって悲観しがちですが70年前の終戦(敗戦?)の日本(7199万人)に戻ると思えば気が楽では?元々、日本列島には今ほど人は住んでおらず、鎌倉時代で757万人、室町時代で818万人、江戸幕府成立時が1227万人となり、享保の改革あたりで3128万人で落ち着き、明治維新で3330万人!。その後、「産めよ増やせよ」の号令の下、77年かけて+3869万人としたわけです。

 という話はさておき・・・人口減少は死亡数の急増をもたらします。2010年に約120万人だった年間死亡数は、なんと団塊世代が80歳代後半に突入する2030年代には「160万人」を超えると見通しています。・・・まさに15年後には「少子多死社会」が常態化するのです。

 そこで何が問題になるのか・・・どこで看取るか(看取りの場所)、どのように野辺送りするか(葬儀・葬式)、どこで焼くか(火葬場)、どこに埋葬するか(墓地)・・・そして、ややこしいのが誰に何を遺すか(遺産相続)。どれも身内にとっては悩ましい事ばかりです。

 しかし、これらは人生(生命)が「ジ・エンド」してからの話。亡くなる当人にとって肝心なのは、どのようなプロセスで「死」にいたるか、でしょう。
 激痛やひどい倦怠感、激やせ・激むくみ、不安と混乱と妄想と精神的破たんのなかで孤独に逝くのか。それとも身体の痛みは緩和され、落ち着いたおだやかな気持ちで家族や身近な人々にあたたかく見守られながら逝くのか・・・。

 そこで問われるのは本人が「生き方」ならぬ「私なりの逝き方」を描いているか、伝えているか、ということ。そしてそれを受けとめ支える看取りのケアチームがいるかどうか。
 それまでの生き方が多少の不幸であっても、生の終わりが「幸せな逝き方」ならば、終わりよければすべて良し、といえる多死社会なるかどうか・・・。

 あなた自身は「逝き方」を考えていますか?身内に話していますか?


■ 最新業界ニュース

1.地域包括ケアシステムに「かかりつけ薬局」創設へ(厚労省検討会)

 厚生労働省は14日、地域包括ケアシステムの構築の一環として創設を目指している「かかりつけ薬局」について、服薬情報の一元的な把握や24時間在宅患者からの相談に応じる体制とすることなど、基本的な機能要件を示した。「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」(座長=西島正弘昭和薬科大学学長)で了承された。かかりつけ薬局の機能を備え、さらに地域住民の健康づくりに積極的に取り組む薬局を「健康づくり支援薬局(仮称)」とし、ホームページ上で公表する仕組みもつくる。来年4月から開始する予定だ。

2.通所リハなど7500カ所調査へ(厚労省)

 社会保障審議会介護給付費分科会の「介護報酬改定検証・研究委員会」は14日、今年度実施する7つの調査事業の概要や調査票について議論した。次期改定の基礎資料にする。18日に開催される介護給付費分科会で決定した後、9月中に各事業所に調査票が送付される予定。15年度に行われる調査は、(1)看護小規模多機能型居宅介護(2)中山間地域等のサービス提供(3)リハビリテーションと機能訓練の機能分化(4)介護保険施設等での医療ニーズ対応(5)居宅介護支援事業所、介護支援専門員の業務等の実態(6)認知症高齢者へのサービス提供(7)介護保険サービスの質の評価――の7本。

---------------
最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
---------------

■ 今週の「3つのチャレンジ」
エフビー介護サービス(株)研修「利用者(家族)とのケアコミュニケーション」

1.ひらがな言葉をゆっくりと使う
2.なるべく短いフレーズで話す
3.娘さん、息子さんは使わない
(M.Aさん ケアマネ歴13年 介護福祉士)

【ムロさんのコメント】
 M.Aさんの悩みは「理解したように返事してくれるのに、ほとんど理解してもらえない。あとで文句を言われる」と書かれていました。どうやら切れ目のないダラダラした話になっていたのかもしれませんね。娘さん、息子さんの呼称は年下から言われると傷つく言葉です。これまで無頓着だったM.Aさんの気づきを大切にしましょう。漢字言葉はむずかしい印象になるので特に注意しましょうね。


■ 全国の研修会場の声
エフビー介護サービス(株)研修「利用者(家族)とのケアコミュニケーション」

「ご本人から返事がない、何も答えがない、同意が取れないので不安でした。今日の研修で、自分がご本人やご家族になれなれしく入っていっているのが多いことに気づきました。相手のことを知るためと思ってやってきましたが、使い分けすることを学びました」(T.Oさん(男性) ケアマネ歴10年 ヘルパー歴15年)

【ムロさんのコメント】
 親しい関係なりたいために「なれなれしい言葉使い」を、初対面からしているケアマネの方がとても気になります。社会的常識ではありえないこと。相手にとっては「なめられている」印象でとても気分悪いものです。ちなみに初めて担当となった美容師から「今日の髪型はどうする?」と尋ねられたらいかがですか?言葉使いから「相手への尊重」が始まります。尊厳の重要性を語る現場の講師さんが、タメ口でみなさんに話しかけてきたら腹が立ちませんか?(>_<)

〜〜〜〜〜〜〜

★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

「新・ケアマネジメントの仕事術」(中央法規刊)を基本テキストに学ぶ実践的なケアマネジメントスクールです。全国に仲間も生まれます!

⇒シリーズ(5)「コーディネート〜サービス資源の調整と交渉〜」(定員20名:残席7)
│日 時│10月11日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2710.html

⇒シリーズ(6)「ケアチームで盛り上げるサービス担当者会議〜「新規・更新・引き継ぎ」の準備・進行の勘所〜」(定員20名)
│日 時│11月22日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2711.html

※6月より受講料がお得になる「スクール会員制」を始めました。会場ですぐに手続きできます!(^^)!
※「新ケアマネジメントの仕事術シリーズ」の今後のテーマはWEBに掲載!


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式話し方トレーニング」がスタート!
3ヵ月であなたを話し方の達人に!心地いい声の出し方、抑揚のある話し方、ケアマネジメントプロセス別の話し方、事業所への伝達、苦情対応などのシーン別話し方も。文学座の女優の方に協力いただいた実践的なDVD付きです!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/06/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「多職種連携の勘所」(第430話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー10月号 高室流 会議力アップ講座
「進行の技術の磨き方〜(1)観察する〜」(Vol.7)


◇ 編集後記 ◇

 10月初旬、新潟の新発田市で「多死社会に向き合うこと〜私たちが経験する、れからの30年について〜」をテーマに講演するので、さらに突っ込んでコラムに書いてみました。このまま?では実に多くの問題が噴出するでしょう。その解決策の1つが地域包括ケアシステムです。多死社会にむけて「看取りのプロセス」を病院・施設・自宅・仮宅(入居型)ごとに想定し、医療と介護と福祉と地域、そして生活資源がどのように手を組んでいくのか・・・まさにこれから15年が正念場です。日本人はとても器用な人々です。多様な工夫やアイデアでのりきっていけると信じています。なにせ、戦争でボロボロになった日本で20年後にオリンピックを、25年後に万博を成功させたのですから(^^ゞ。<ムロ>

Facebook
個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

■ 全てのお問い合わせはこちらまで→ info@caretown.com
■ ご感想はこちらまで→ koe@caretown.com
■ 購読申込→ m@caretown.com
■ 配信停止→ mag@caretown.com
■ 東京スクール申し込み→ i@caretown.com

編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

戻る
↑ページの一番上へ↑
(C)ケアタウン総合研究所