ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第438号
2015/08/20(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの考察 「CADLと生活機能向上リハビリテーション」
[2] 最新業界ニュース
[3] 東京スクールのご案内
[4] 今週のおしらせ
[5] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
9月20日(日)10:30〜17:00(残席8)
新ケアマネジメントの仕事術シリーズ(4)
「本人の「自立と自律」をチームで支えるケアプラン〜自助・互助・共助のプランニングの勘所〜」

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■ ムロさんの考察
「CADLと生活機能向上リハビリテーション」

 CADLとは7年前に「ケアマネジャーの質問力」で私が提唱しました。「文化的日常生活動作:Cultural activities of daily living」の略です。私としては「本人らしさ」の根幹となる「文化」をアセスメント領域として定義しようと試みたわけです。ここでいう文化とは「本人の暮らし方、振る舞い、考え方、好み、楽しみの総称」です。

 では、どうしてこの用語を作ったのか。
 その理由は、従来のアセスメントが、病疾患や障害の側面だったり、ADL・IADL中心だったために、課題がどうしても病疾患の治癒やADL・IADLの改善ばかりになってしまうことに違和感があったからです。
 しかし、いま、現場で大きな変化が生まれようとしています。

 それが今年3月に発表された「リハビリテーションのあり方検討会」報告書の内容です。現在のリハビリが抱える問題を(1)リハビリが画一的で、訓練そのものが目的化している、(2)生活機能全般を向上させるリハビリが行われていない、(3)医療と介護、リハビリの専門職の連携が不十分である、(4)本人の主体性を引き出す取り組みになっていない、と整理しました。

 ではどうすればよいか・・・報告書は、第1に個別性を重視した適時適切なリハビリ(個人の状態や希望、日常生活をイメージした目標設定とリハビリ)を提唱し、第2に居宅サービスの効果的・効率的な連携(急性期から生活期までの多職種での連携と協働)、第3は高齢者の気概や意欲を引き出す取り組み(本人へのリハビリの説明と理解と同意)としました。
 ここから「生活機能向上リハビリテーション」の必要性を説いています。

「20分の個別リハ」でなく、本人がやっていた活動・参加にバランスよく働きかける「近所の蕎麦屋に行く」ために、どのようなリハビリが行うか、を求めています。そしてニーズ把握のための「興味・関心シート」が示され、生活行為を「ADL・IADL+読書、俳句、カラオケ、編物などなど」としました。
 実はここが問題なのです。趣味や楽しみを生活行為に含めてしまうことの違和感です。これらは生活のための行為でなく、「生きることを楽しむ、生きがいを持つための行為」だからです。

 CADLは、まさに違和感への回答であり、私たち誰もが持つ「本人らしさ」に名称を与え、やがて共通言語になる可能性を秘めています。
 ちなみに、要介護1〜3でIADLに障害が生まれ、要介護4〜5ではADLが機能しなくなります。しかしCADLは寝たきりになっても、認知症になっても、生ある限りその人を支えるものです。


■ 最新業界ニュース

1.もう特養はつくれない!豊島区 待機者300人

 東京都豊島区は、「特別養護老人ホーム整備等の新たな整備手法に関する調査研究会」(委員長=大森彌東京大学名誉教授)を設置した。今年3月末時点で区の特養待機者数は306人。来年3月までに約200床分を整備するが、建設地の確保の目途が立たず、今後さらに増える見込みの施設利用ニーズに対応できないと判断したためだ。区外特養の利用意向調査や、友好都市関係にある千葉や埼玉の自治体などから候補地を検討する。年内に方針を固める予定だ。

2.2割負担「やむを得ない」最多(シルバー新報)

 8月から一定所得以上の高齢者の2割負担への引き上げが始まった。本紙が首都圏の介護支援専門員事業所に行ったアンケート調査では、「やむを得ない」と考えている事業所が最も多いことがわかった。7月31日にFAXで送付。8月4日までに82通の回答があった。2割負担になるのは、合計所得金額160万円以上、年金収入のみの場合は280万円以上。「被保険者の収入の上位2割」層を想定した。このくらいなら払えるのではというざっくりした基準だ。実際にどのくらいの利用者が対象になったかを聞いたところ、多かったのが利用者の「5%」で26%、「10%」24%。「5〜10%」で半数を占めた。一方で利用者の「20%」も16%あり、地域差が大きい。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ(3)「「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析〜」(定員20名:キャンセル待ち)
│日 時│8月23日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2708.html

⇒シリーズ(4)「本人の「自立と自律」をチームで支えるケアプラン〜自助・互助・共助のプランニングの勘所〜」(定員20名:残席8)
制度改正でこれからは根拠と見通しと評価ができる2表、1週間単位のケアの包括的支援わかる3表が求められています。利用者(家族)の意向とアセスメントをもとに、厚労省が示す課題整理総括表(一部改変版)を活用しながら、「本人らしい自立(自律)した暮らし」を支えるために、「何をめざし(課題)、どのような目安で(目標)、どのようなことを(サービス内容)、だれが(サービス種別)行うのか」をプランニングします。3表のオリジナルな作成方法も学びます。
│日 時│9月20日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2709.html

⇒シリーズ(5)「コーディネート〜サービス資源の調整と交渉〜」(定員20名)
ケアマネジメントするサービス資源は介護サービスだけではありません。本人ができること(自助)、家族が行うこと(互助)、地域・近隣・商店街が行うこと(互助)、通院・往診・処方など医療・看護が行うこと、そして行政・社協が行うことまで、コーディネート対象は多様です。各資源(事業所)ごとの選び方から調整・交渉の仕方などの「勘所」を学びます。
│日 時│10月11日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2710.html

※6月より受講料がお得になる「スクール会員制」を始めました。会場ですぐに手続きできます!(^^)!
※「新ケアマネジメントの仕事術シリーズ」の今後のテーマはWEBに掲載!


★今週のおしらせ

◎ユーキャン通信講座「高室式書き方トレーニング」が好評!
3ヵ月であなたもケアプランの達人に。日本語の基本からインプットの仕方、アウトプットの手法(文章)などを盛り沢山!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/05/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「ICFとCADL〜主観的体験をアセスメント領域化〜」(第424話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー8月号 高室流 会議力アップ講座
「会議の小まとめ・大まとめ」(Vol.5)


◇ 編集後記 ◇

 天気予報に「秋雨前線」という文字が散見されるようになり、グッと涼しくなりそうですが、こんどは台風やゲリラ豪雨の心配が(>_<)。今年は世界が異常気象だらけ。先日、映画「ジェラシック・ワールド」を観ました。かつて天変地異が我がもの顔で闊歩していた恐竜たちを滅ぼしたように、今度は人類の順番が数百年後に巡ってくるのでは?と思わされる内容でした。しかしその前に「戦争」という自滅行為と核兵器使用で、「そして誰もいなくなった」ような地球(日本)になるのでは、と震撼させる日本の政治状況が続いています。<ムロ>

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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