ケアタウン総合研究所
バックナンバー

ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第436号
2015/07/23(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの考察 「反省させると犯罪者になる?」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
8月23日(日)10:30〜17:00(残席4)
新ケアマネジメントの仕事術シリーズ
「「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析〜」

〜〜〜〜〜〜〜

■ ムロさんの考察
「反省させると犯罪者になる?」

 先週もつらい事件が起きました。岩手県矢巾町でいじめをめぐって中学生が自殺しました。川崎市のいじめ事件の教訓を教育現場で話し合っているのでしょうか?教師にあれほどの発信をしていたのに・・・それを「上から目線」と皮肉り、学校全体の問題にしなかった教師の責任は重いです。

 なぜ、そこまでいじめるのか?このような事件が起こっても当事者の子どもたちのいじめた本音はほとんど届きません。クラスメートたちの話も状況描写ばかりで、自分がどうして止められなかったか、を語る子どもはいません。
 いじめた彼らが、その後、事件にどのように向き合い、反省し、更生したのか。その親たちは保護者としてどのようにとらえ、いじめた側のわが子に向き合ったのか・・・いつもうやむやになっている様に苛立たしさを感じます。

 私の手元に「反省させると犯罪者になります」(岡本茂樹著 新潮新書)があります。元中高の教員時代に生活指導を担当し、今は臨床教育学の研究者として受刑者のカウセリングをされている方が書いた本です。
「私は彼らに反省を求めません。反省させようとする方法が受刑者をさらに悪くさせ、反省させない方法が本当の反省をもたらすのです」
「問題の根が深いケースほど、必ずといっていいほど幼少期の問題にたどりつき、親子関係のなかでさまざまな否定的な感情を抑圧しています。それらの感情の吐き出しによる自己理解から始まって、自分の内面と向き合うことではじめて回復の出発点になります」

 岡本教授によるとすぐに「反省の言葉」を述べる加害者は悪質といいます。少年院経験者は「反省の技術」がうまくなるそうです。なぜなら・・・反省の態度を見せれば周囲が許してくれるからです。周囲の大人が喜ぶような反省の仕方を身につける彼ら。反省は、都合のいい言い訳に過ぎないのです。
 先月出版された元少年Aが書いた「絶歌」を読んで私は暗鬱な気分になりました。彼は反省をしたフリを見せているだけで反省をしていません。歪んだ自己肯定欲と自己顕示欲ばかりが膨張し、今また暴走を始めた・・・そう読みました。

 人間には「攻撃性」があり、他人に向かえば犯罪となり、自分に向かえば自傷行為や自死(自殺)となります。それを誘発するのは追いつめられた否定的感情や過度なストレスだけでしょうか?・・・介護虐待も、介護ストレスのひと言だけでは済まされない「根深い闇」があると私は考えます。


■ 最新業界ニュース

1.療養病床、新たな類型も視野〜「廃止」一転、機能見直し〜(厚労省)

 厚生労働省は10日、今後の慢性期医療の提供体制の構築を見据えた「療養病床の在り方等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大学教授)の初会合を開催した。医政局・保険局・老健局の3局合同で、2017年度末が廃止期限の介護療養病床をどうするかも含めて、具体的な見直しの選択肢を提示するという。現行のサービス類型だけでは対応できないとして新類型も検討する。年内にもとりまとめ、来年から医療部会や介護保険部会で議論を行う。

2.アルツハイマー病協会国際会議 2017年春、日本で2度目の開催へ

 認知症に関する活動を世界的な規模で推進する国際アルツハイマー病協会(ADI、本部=ロンドン)。毎年開催している国際会議が2017年に、日本で開催されることが決定。2004年の京都開催に続き2回目です。会議のアピールのため9日に来日したADI事務局長のマーク・ウォートマン氏は「新オレンジプランの策定を始め、介護保険、認知症サポーターの普及など日本は国を挙げて積極的に認知症対策に取り組んでいる。他国への波及力もある」と期待を語った。

---------------
最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
---------------

■ 今週の「3つのチャレンジ」
ケアタウン東京スクール<新・仕事術Vol(2)>「利用者(家族)との出会いとインテークの勘所〜新規ケースと引き継ぎケース〜」

1.ショートステイ先に生活機能の改善を依頼する
2.入所する時には「糊しろ役」になる
3.家族の協力を引き出すエピソードを伝える
(M.Sさん ケアマネ歴3年 介護福祉士・社会福祉士)

【ムロさんのコメント】
 ケアマネにとって新規ケースのインテークはサービス事業所にとっても同じ。現場が役に立つ情報をインテーク時に把握することは大切な仕事です。でも初対面で根掘り葉掘りは禁物。焦らず信頼関係を作りながら情報収集をしましょう。利用者もいずれ施設やグループホームに入所する時がやってきたら、在宅でのケア実践の情報提供を。「ケアプラン、個別サービス計画、介護手順書があれば施設の現場はとても助かります」と施設ケアマネさん全員が答えます。ケアマネはチームケアの「糊しろ役」。やれること、いっぱいありますよ!(^^)!。

■ 全国の研修会場の声
LIFE・DESIGNコンサルティング主催「ケアマネジャーの仕事力」

「気づきとしては、パソコン操作の上達でも、自分の仕事が楽になるという当たり前のことを誰も言わなかったし、自分でも考えてなかった。自分のためにパソコンのブラインドタッチに取り組みたい」(Y.Uさん ケアマネ歴1年 小規模多機能 女性)

【ムロさんのコメント】
 ケアマネジメントを「細かい業務」に分解すると、自分の苦手が見えてきます。そこを改善することを始めるだけで、仕事がおもしろくなります。「今の自分の器」で勝負するのは無茶です。だってできていないのですから・・・(^^;)。周囲に謙虚に相談し、時には手伝ってもらい、時には本を参考にチャレンジしましょう。1ヶ月後にはちょっと「新しい自分」と出会えることでしょう!(^^)!

〜〜〜〜〜〜〜

★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒追加開催「なるほど伝わるプレゼンの技術〜話し方・組み立て方・図解作成の勘所〜」(定員10名)
事例検討会、グループスーパービジョン、地域ケア会議、入院入所カンファレンス、法人内会議など「プレゼンの機会」は格段に増えています。「わかりやすく、聞き取りやすく」、そして「あがらず」に話すためには「技術」が必要です。対象別・人数別の話し方、話の組み立て方、さらにパワーポイントの図解の作り方まで実践的に学びます。
│日 時│8月9日(日)10:00〜17:30
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/present2708.html

⇒シリーズ「「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析〜」(定員20名:残席4)
8月の第2回は「利用者(家族)のアセスメント」です。問題発見・指摘でなく、利用者(家族)がおかれた状況の把握・分析・原因整理からニーズ把握、そして課題化までのプロセスを学びます。ICF(国際生活機能分類)の視点をもとに心身の状況、ADL・IADL、意思疎通、社会参加、さらには本人らしさ(文化性)に着目したCADLまで幅広いアセスメント手法を学びます。
│日 時│8月23日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2708.html

⇒シリーズ「本人の「自立と自律」をチームで支えるケアプラン〜自助・互助・共助のプランニングの勘所〜」(定員20名)
9月の第3回は「ケアプラン2表・3表のプランニング」です。制度改正でこれからは根拠と見通しと評価ができる2表、1週間単位のケアの包括的支援わかる3表が求められています。利用者(家族)の意向とアセスメントをもとに、厚労省が示す課題整理総括表(一部改変版)を活用しながら、「本人らしい自立(自律)した暮らし」を支えるために、「何をめざし(課題)、どのような目安で(目標)、どのようなことを(サービス内容)、だれが(サービス種別)行うのか」をプランニングします。3表のオリジナルな作成方法も学びます。
│日 時│9月20日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2709.html

※6月より受講料がお得になる「スクール会員制」を始めました。会場ですぐに手続きできます!(^^)!
※「新ケアマネジメントの仕事術シリーズ」の今後のテーマはWEBに掲載!
※8月9日開催分はスクール会員対象外セミナーです。


★今週のおしらせ

◎ユーキャン「高室式ケアプラン書き方トレーニング」
テキストとDVD学習で、3ヵ月であなたもケアプランの達人に!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/05/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「又吉直樹の『火花』は、何かを持っていた」(第420話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー7月号 高室流 会議力アップ講座
「会議の進め方・引き出し方」(Vol.4)


◇ 編集後記 ◇

 先週の土曜日、とても感動する場面に立ち会いました。それは、半年前に私が提案した「オレンジ米」の苗が植えられた田んぼの前に立つことができたからです。その場所は宮崎県小林市。人口4.5万人の小さな街です。私はかねてから認知症の方には「娯楽」だけでなく「仕事」が効果があると話してきました。遊びは飽きますが、仕事には工夫の余地があり、なにより役割を担うことでみんなから感謝をもらうことができます。農業は1年を通じた自然とのレジャー?です。苗が成長し稲となる光景は実に心なごむもの。そしてみんなでやることで語らいと笑いが自然に生まれてきます。私のアイデアをなんのてらいもなくヒョイヒョイとこなしていくMさんには脱帽です。詳しくは私のフェイスブック(下記)をご覧ください(^^ゞ <ムロ>

Facebook
個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

■ 全てのお問い合わせはこちらまで→ info@caretown.com
■ ご感想はこちらまで→ koe@caretown.com
■ 購読申込→ m@caretown.com
■ 配信停止→ mag@caretown.com
■ 東京スクール申し込み→ i@caretown.com

編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

戻る
↑ページの一番上へ↑
(C)ケアタウン総合研究所