ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第435号
2015/07/09(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの考察 「自己負担2割の影響〜サービス抑制と重度化のリスク〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
8月23日(日)10:30〜17:00(残席6)
「「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析〜」

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■ ムロさんの懸念
「自己負担2割の影響〜サービス抑制と重度化のリスク〜」

 今回の介護保険法の改正の第2波・・・これは一部の利用者(家族)、やがてはさらに多くの利用者(家族)にはとても身に染みる波です。
 今回の介護保険法改正で、一定以上の収入の方の利用者負担が2割になりました。目安となるのは「収入−控除=所得が160万円以上」。6月初旬に住民税額が確定したのを受け、全国の自治体は、利用料負担が1割のままか、2割に上がるのかを判定し、利用者全員に「負担割合証」を送付します。
 利用者の混乱を避けるため、まずは、この4月から上がった介護保険料の改定額を通知した後で、別途、負担割合証を送付するといいます。手元に届くのは7月の下旬頃になりそうです。

 おおよそ65歳以上の「5人に1人」が2割負担に当てはまる見通し。要するに厚生年金+企業年金をもらう元会社員クラスで該当する人が多いようです。

 混乱を予測した厚労省は6月22日付で日本介護支援専門員協会に協力を求める文書を送りました。「見直しの内容を把握し、利用者(家族)からの相談や申請の手続きの支援をいただきたい」というものです。

 どのような混乱が予想されるのか・・・
 (1)利用者料の突然の2倍アップに通帳の残高不足、自己負担分の未払いが増える
 判断能力と理解力が低下している利用者の方に、「なぜ2倍になったのか」を説明するのはかなりの苦労です。アップした介護保険料は年金から控除されるのでダブルパンチ。7月〜8月の訪問時に苦情や愚痴、抗議を聞かされることになるのは予想できます。

 (2)サービス利用の「手控え」(抑制)が起こる
 要介護度別に支給限度基準額がありますが、在宅では「5〜7割」程度の利用がほとんどといいます。いざという時に「使える枠」を残しておきたい、限度額いっぱい使わなくてもやっていける、などの理由が考えられます。しかし、現状は要介護3であっても「介護で使えるのは1万5千円まで」など、家計の事情から使える金額をあらかじめ決めているケースが多いのも事実です。

 となるとなにが起こるのか・・・2倍になっても持ち出しは増やしたくない利用者(家族)はサービスを5割カットするとならないか・・・ということです。ただでさえ通所サービスは同業の乱立とサ高住の乱立で利用者減になっているのに、さらに追い打ちをかけるほどの深刻な影響が・・・
 サービス減によりADL・IADLの低下と重度化のリスクは確実にあがります。そこを現場のケアマネジャーがどこまでわかりやすく納得のいく説明ができるかどうか・・・。

 要介護度別の支給限度基準額とは、利用者の状態像に合せて「自立した生活」を支えるために必要とされる介護時間を「金額に換算した総枠」です。総枠は高めを求めるのに、「自前で払えるお金」が優先するという実態・・・
 ケアマネジメントの「歪み」が起こらないか、懸念はどこまでも広がります。


■ 最新業界ニュース

1.介護人材2025年に253万人〜全国推計値を公表、地域差くっきり(厚労省)

 厚労省は24日、2025年に向けた介護人材の需給推計を確定した。全国的には2025年には 253万人の介護人材が必要になるとしているが、現在のまま入職・退職が推移すれば、需給ギャップは38万人どまりという比較的楽観的な見通しだ。地域差も大きい。東京の需給ギャップは3万5千人で全国最高。一方、島根県はわずか326人。今後は都道府県ごとに事業計画の3年ごとのサイクルにあわせ、PDCAサイクルで人材確保を進めていくことになる。

2.新教育システム導入〜訪問看護師の「自立」に成果〜(医療生協さいたま)

 医療生協さいたま(本部:川口市、神谷稔理事長)は昨年、全職種を対象とした教育要綱を見直し、新卒者が早期に一人前になれるようにするキャリアラダー制度を導入した。2年目にして、早くも成果が見えてきているのが訪問看護師。県内に30カ所以上ある病院・診療所、老健施設、訪問看護事業所の組織力を生かし、1人ひとりの能力に応じた実地研修ができるようにしている。今 後はヘルパー向けの教育システムにも本格的に着手していくという。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」
ケアタウン東京スクール〜新・仕事術Vol(1)〜「ケアマネジャーの仕事力」

1.知り合いから知り合いを増やしていく
2.自分自身の仕事の「おもしろさ」を言語化していく
3.自分に対して指摘してくれる人をつくる
(N.Mさん 相談支援専門員 障害者相談支援センター 社会福祉士歴18年)

【ムロさんのコメント】
 人脈づくりは、新たな領域に挑戦するより、「知り合いの知り合いは皆知り合い」のノリで、まずは確実なところからウオーミングアップして、人脈づくりの体力をつけましょう。30代はまだいろいろ指摘してもらえても、40代になるとメッキリと減ります。50代になると誰も・・・(^^;)だからこそ、自分に指摘してくれる人、耳の痛いことを言ってくれる人は「財産」ですね。年上ばかりでなく、思い切って10歳ほど年下ぐらいがいいかも・・・?


■ 全国の研修会場の声
ケアタウン東京スクール〜新・仕事術Vol(1)〜「ケアマネジャーの仕事力」

「仕事のやりがいや使命感ばかりがケアマネを続ける原動力でした。これからは『おもしろさ、醍醐味』が感じられる仕事の進め方をしてみたいと思いました」(M.Sさん ケアマネ歴3年 女性 介護福祉士)

【ムロさんのコメント】
 原動力が「やりがいと使命感」ばかりだと、どこか追いつめられ悲壮な印象になります。どのような仕事にも使命感は必要です。相談援助職ならではの「おもしろさ、醍醐味」がわかってくると、支援困難ケースやクレーマーの方とのやりとりも苦でなくなるとも聞きます。

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒シリーズ「利用者(家族)との出会いとインテークの勘所〜新規ケースと引き継ぎケース〜」(定員20名:キャンセル待ち)
7月からは「新ケアマネジメントの仕事術」をテキストに、毎月連続で学ぶセミナーのスタートです。第1回は「初回訪問、インテーク、意向の聴き取り」です。初回訪問の準備、対象別対応(例:新規、引き継ぎ、紹介)、インテーク時の利用者(家族)の基本情報の取集のポイント、利用者(家族)の意向の引き出し方の勘所などを相談援助シーンも取り入れながら実践的に学びます。
│日 時│7月19日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2707.html

⇒追加開催「なるほど伝わるプレゼンの技術〜話し方・組み立て方・図解作成の勘所〜」(定員10名)
事例検討会、グループスーパービジョン、地域ケア会議、入院入所カンファレンス、法人内会議など「プレゼンの機会」は格段に増えています。「わかりやすく、聞き取りやすく」、そして「あがらず」に話すためには「技術」が必要です。対象別・人数別の話し方、話の組み立て方、さらにパワーポイントの図解の作り方まで実践的に学びます。
│日 時│8月9日(日)10:00〜17:30
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/present2708.html

⇒シリーズ「「本人らしさ」に着目したアセスメントの勘所〜ICFの視点で行う「ADL、IADL、CADL」分析〜」(定員20名:残席6)
8月の第2回は「利用者(家族)のアセスメント」です。問題発見・指摘でなく、利用者(家族)がおかれた状況の把握・分析・原因整理からニーズ把握、そして課題化までのプロセスを学びます。ICF(国際生活機能分類)の視点をもとに心身の状況、ADL・IADL、意思疎通、社会参加、さらには本人らしさ(文化性)に着目したCADLまで幅広いアセスメント手法を学びます。
│日 時│8月23日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2708.html

⇒シリーズ「本人の「自立と自律」をチームで支えるケアプラン〜自助・互助・共助のプランニングの勘所〜」(定員20名)
9月の第3回は「ケアプラン2表・3表のプランニング」です。制度改正でこれからは根拠と見通しと評価ができる2表、1週間単位のケアの包括的支援わかる3表が求められています。利用者(家族)の意向とアセスメントをもとに、厚労省が示す課題整理総括表(一部改変版)を活用しながら、「本人らしい自立(自律)した暮らし」を支えるために、「何をめざし(課題)、どのような目安で(目標)、どのようなことを(サービス内容)、だれが(サービス種別)行うのか」をプランニングします。3表のオリジナルな作成方法も学びます。
│日 時│9月20日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/caremanage2709.html

※6月より受講料がお得になる「スクール会員制」を始まりました。会場ですぐに手続きできます!(^^)!
※「新ケアマネジメントの仕事術シリーズ」の今後のテーマはWEBに掲載!
※8月9日開催分はスクール会員対象外セミナーです。


★今週のおしらせ

◎ユーキャン「高室式ケアプラン書き方トレーニング」
テキストとDVD学習で、3ヵ月であなたもケアプランの達人に!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/05/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「「新・ケアマネジメントの仕事術」の勉強会スタート!」(第418話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー7月号 高室流 会議力アップ講座
「会議の進め方・引き出し方」(Vol.4)


◇ 編集後記 ◇

 先日、大手の訪問介護事業者の知人から「亡くなった方のエンゼルケア」のニーズが高くなっているという話を聞きました。エンゼルケアとは亡くなった方のお顔を生前の面影や容貌・装いにすることです。従来の死化粧(鼻の綿詰め、白い布かけ、両手を組む)でなく、ご遺族の気持ちに寄り添った「旅立ちのサービス」です。これから多死社会。火葬場もいっぱいになり、保存のために薬品などを用いて防腐の処置をされたエンバーミングの希望も・・<ムロ>

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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