ケアタウン総合研究所
バックナンバー

ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第430号
2015/04/23(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの懸念 「サ高住の拡大解釈」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のお知らせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
6月28日(日)10:30〜17:00
シリーズ[1]「新ケアマネジメントの仕事術〜ケアマネジャーの仕事力〜」

〜〜〜〜〜〜〜

■ ムロさんの懸念
「サ高住の拡大解釈 〜迷走する「早めの住み替え」〜」

 特養の受け皿、「早めの住み替え」の大号令の下、サービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)に参入規制を設けず、届出でOKとしたおかげで、全国で急増しました。その数、ここ5年で約17万戸供給(約3700事業者)までに達しました。
 一方、メリットばかりが吹聴されてきましたが、デメリットも浮き彫りになってきています。今年度の老健事業のサ高住調査では、(1)同一法人のケアマネを強制されている(41%)、(2)過剰・過小サービスが起こっている(53%)、(3)介護保険と事業者が提供すべき生活支援サービスとの切り分けができていない(約60%)が明らかになりました。

 そもそも「合築型」を推奨したのは誰でしょう?ビジネスモデルとして「一つ屋根の下」に利用者とサービスが共存していれば、なにが起こるか、火を見るより明らかでした。日中のデイサービス利用の強制、服薬ができるのにヘルパーの服薬介助の強制・・・果ては、医師が自力でトイレに行けるという男性に、併設の訪問介護事業所がおむつ交換を毎日実施していた(4/19読売新聞)・・・「囲い込み」「過剰介護」はここに極まれりの感です。介護保険法違反だけでなく、介護保険財源を直撃する事態を招き、自治体の不信はピークです。

 事態を重くみた厚労省は老人福祉法の見直しで、住宅型有料とサ高住の入居者保護に7月から乗り出すことになりました。指導指針では、年1回の報告の義務付け、立ち入り調査可能、改善命令に従わなければ罰則の対象になるなど。
 ところが乱立する数に自治体のマンパワーと監査・指導ノウハウがついていけるのかが大きな課題です。

 そこに冷や水をかけるような動きが国交省から・・・なんと4月1日から、サ高住に「分散型」を認めるという規制緩和が。地域に点在する団地やワンルームなどの空き家や空き室の活用を進めるのが狙い。常駐するセンターからサ高住への距離が半径500m以内ならOKということに。今回の介護報酬改正で「同一建物減算」が行われましたが、これなら対象外となります(>_<)。
「毎日1回以上、各居住部分への訪問その他の適切な方法で状況把握を行なう」こと。つまり電話や訪問以外の方法(テレビ電話、監視カメラ?)もOKになります。もちろん、補助金は活用できるとのこと・・・

 これを国交省と厚労省の「足並みの悪さ」とみるのか、確信犯とみるのか?
 その間(はざま)で入居者(家族)は振り回され、やがては「とんでもない事故」が・・・懸念はますます広がります。


■ 最新業界ニュース

1.介護雇用管理改善計画を改正へ 職場定着、全産業平均並みに

 厚労省の労働政策審議会は13日、「介護雇用管理改善等計画の全部改正案」を塩崎恭久厚労相に答申した。厚労省や介護労働安定センターなど介護関係の行政機関が、今後取り組む雇用管理改善の施策を挙げた内容。職場の雇用管理上の課題を診断できる「自己チェックリスト」を事業主が自主的に実施し、都道府県へ提出した場合に、センターによる訪問相談を行い、中小や開設間もない事業者の雇用管理改善を目指す考えだ。

2.高齢障害者サービス見直しへ(厚労省)

 厚労省の「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ(WG)」は15日、2016年をめどに行う障害者総合支援法の見直しに向け、今後検討が必要な論点を概ねまとめた。論点は「常時介護を要する障害者」「高齢の障害者」「移動支援」「就労支援」など10項目。高齢の障害者の支援については、65歳になって介護保険へ移行する際に発生する利用者負担や、介護保険優先の原則によって重度訪問介護やショートステイなど利用していた障害福祉サービスが基本は受けられなくなることへの対応、障害福祉事業所で高齢障害者に十分なケアが行えなくなっている実態、介護保険事業所で障害者へ適切なサービス提供をするための方策――などを検討する。

---------------
最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
---------------

■ 今週の「3つのチャレンジ」
ケアタウン東京スクール「もうこわくない!苦情が感謝に変わる対応術」

1.すぐに謝らない
2.苦情の正体を突き止める
3.一緒に考える姿勢をとる
(T.Mさん ケアマネ歴4年 介護福祉士歴:10年)

【ムロさんのコメント】
 苦情対応で、ついやりがちなのが「すぐに謝ること」。謝罪でその場をおさめたい、気持ちを落ち着かせたいという対応は、苦情そのものを曖昧にします。あわてずに「事情をくわしく教えてもらえますか?」と、起こった事実だけでなく、経緯、背景、原因などを当事者と一緒に考えます。苦情の正体はなにか?なぜ腹が立ったのか?本人の希望はなにか?を明らかにし、できることはなにか、再発しないための対策を計画化しましょう。


■ 全国の研修会場の声
ケアタウン東京スクール「もうこわくない!苦情が感謝に変わる対応術」

「苦情対応は、どっちが間違いかをつきつめる性質のものではなく、見落としがちな事実が隠れていることを学びました。また要望や質問を気軽に声がけをしてもらえるような関係を持つことで、おたがい、気持ちよく付き合っていけるのかなと思いました」(M.Yさん ケアマネ歴12年 主任ケアマネ 介護福祉士)

【ムロさんのコメント】
 苦情という言葉にはマイナスイメージが定着しています。実は問い合せや確認、ちょっとした不満だったりするものもあります。苦情に誠実に対応しなかったりすると、「不安→不満→怒り→批判→不信→非難」という負のスパイラルになることも。とくに介護事故やトラブルには「即対応」が原則です。苦情にはケアの質の低さや問題だけでなく、利用者(家族)の「願い・希望」と「期待」が隠れています。そこに着目することでケアマネジメントやケアサービスの「改善のチャンス」にすることができます。

〜〜〜〜〜〜〜

★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒「なるほど伝わるプレゼンの技術〜話し方・組み立て方・図解作成の勘所〜」(定員15名 キャンセル待ち)
事例検討会、グループスーパービジョン、地域ケア会議、入院入所カンファレンス、法人内会議など「プレゼンの機会」は格段に増えています。「わかりやすく、聞き取りやすく」、そして「あがらず」に話すためには「技術」が必要です。対象別・人数別の話し方、話の組み立て方、さらにパワーポイントの図解の作り方まで実践的に学びます。年間100回以上、15年間、のべ人数18万人の講師経験から編み出された「高室式プレゼンの技術」のノウハウを指導します。さまざまな「場面」に応用できる手法は実践的です。
│日 時│5月17日(日)10:00〜17:30
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/present2705.html
※好評につき、急きょ8月9日(日)に追加研修が決定!

⇒シリーズ[1]「新ケアマネジメントの仕事術〜ケアマネジャーの仕事力〜」(定員25名)
10年ぶりに新訂となった「新ケアマネジメントの仕事術」(高室成幸著:中央法規出版刊)のシリーズセミナーの第1弾。今回は、新訂の内容を概観しながら、どのような「ケアマネジャーの仕事力」が求められるか。チームマネジメント力とセルフマネジメント力の視点で学びます。居宅介護支援事業所の運営や人材育成にも役に立つノウハウとアイデアいっぱいの一日セミナーです。
│日 時│6月28日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて近日申し込み開始!
※6月より受講料がお得になる「スクール会員制」を始めます。会場ですぐに手続きできます!(^^)!


★今週のおしらせ

◎ユーキャン「高室式ケアプラン書き方トレーニング」
テキストとDVD学習で、3ヵ月であなたもケアプランの達人に!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/05/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「「職務質問マニュアル」に「認知症対応」を」(第407話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー5月号 高室流 会議力アップ講座
「雰囲気づくり」(Vol.2)


◇ 編集後記 ◇

 今週は全国統一地方選挙の第2ステージです。事務所のある新宿でも区議選の選挙カーがにぎやかです。介護保険制度は「地方分権の試金石」といわれたのは、自治体力と地域の住民力、そして高齢化率が介護保険料や新総合事業に如実に表れるからです。まさにそれらを左右するのが地方議会です。だから候補者向けに地域包括支援センターなどがもっともっと地域包括ケアなどのレクチャーをするだけでもかなりの変化が期待できるのでは?と思います。だって、多くの候補者は「福祉の○○!」と標榜しているのですからね(^_^;)。みなさん、投票に行きましょう!〈ムロ〉

Facebook
個人:http://www.facebook.com/shigeyuki.takamuro
ケアタウン総合研究所:http://www.facebook.com/caretown.jp

■ 全てのお問い合わせはこちらまで→ info@caretown.com
■ ご感想はこちらまで→ koe@caretown.com
■ 購読申込→ m@caretown.com
■ 配信停止→ mag@caretown.com
■ 東京スクール申し込み→ i@caretown.com

編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

戻る
↑ページの一番上へ↑
(C)ケアタウン総合研究所