ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第426号
2015/03/12(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの懸念 「集団身体拘束の闇〜責任は現場に〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のお知らせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
4月19日(日)10:30〜17:00
「もうこわくない!苦情が感謝にかわる対応術」(定員15名)

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■ ムロさんの懸念
「集団身体拘束の闇〜責任は現場に〜」

 昨年の11月13日(417号)のメルマガで「制度外ホームの闇〜シニアマンションで130人に拘束介護〜」を書きました。東京都北区の3棟のシニアマンションで起こったこの事件。表面化したのは朝日新聞のスクープです。家賃・介護費・医療費・食費などすべて含めて約15万円という条件。もちろん入居金ナシ、敷金ナシのいわゆる「ゼロゼロ物件」です。有料老人ホームにも届け出ていない制度外のホームです。

 このシニアマンションを運営する若江クリニック(岩江秀和理事長)はJR王子駅から徒歩20分。実は、朝日新聞が報道した3日後に、私は、この若江クリニックを突き止め、突撃取材をしました。場所も事業所も明らかになっていなかったのですが、板橋・北区の数人のケアマネさんに尋ねたら、ほどなく判明しました。それほど地元では一部で問題視されていたようです。
 以下が、私が若江クリニックのH.M事務長とのやりとりです。
 私「朝日新聞の報道は事実なのですか?」
 M「・・・はい、そうです」
 私「認められるんですね?わかりました。では、このような虐待が行われていたことは、以前から認知されていたのですか?」
 M「・・・いえ、今は区からの指導があり・・・何も・・・」
 私「医療事故と同じくらいの事件ですよね。拘束が間違っていないとお考えなら、記者会見でメディアに仕方なかった事情を発表されないのですか?」
 M「いえ、まだ・・・まったく・・・う〜ん・・・(沈黙)」
 このようなノラリクラリのやりとりが、暗くなった待合室で1時間続きました。その後、電話をしても居留守、メールしても完全無視・・・

 そして北区は2月、マンション内での一部の拘束を虐待と認定。高齢者虐待防止法に基づき、2月末までに改善策の提出を求めていました。27日に書面が提出されましたが「虐待を解消する方針が明確に示されていない」として受理を見送り、修正と再提出を求めましたが、2日までに再提出はなく、法人側は「いつ出せるかわからない」と区に話したといいます。

 しかし、問題は、区の行政指導がグループの居宅事業所と担当ケアマネ、訪問介護のサ責に入ったという点です。つまり岩江クリニックの岩江医師は見解の相違を盾に責任逃れ、虐待を見逃した現場に「責任を押しつけた」ことになります。

 10日(火)、都が3つのマンション及び一体運営をしている岩江クリニックに強制監査に入ったことが報じられました。まさにこれからが正念場です。

 このような集団身体拘束が、東京都北区だけのことでしょうか・・・?
 現場が人権侵害に手を貸すような事態が生じていないか・・・それさえ「仕方ない」と当たり前になっていないか・・・懸念はますます増します。

 ※岩江クリニックの見解は以下のサイトにアップされています。
 http://www.iwae.net/


■ 最新業界ニュース

1.処遇加算、給与引き下げなら「届出」 厚労省、介護報酬の運用説明

 厚生労働省は3月2〜3日、「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」を開催し、来年度予算の執行方針や介護報酬改定等について説明した。加算割合が引き上げられたことで、事業者からも関心が高い「処遇改善加算」。これまでの「定量要件」の名称をわかりやすく「職場環境等要件」に名称変更する。経営が悪化して処遇を引き下げざるを得ない場合は、「届出」を求める。

2.小規模デイ「地域密着型に移行を」 高い報酬算定可能に

 日本在宅介護協会(寺田明彦会長)の東京支部は2月26日、都内で「訪問・通所合同セミナー」を開いた。新介護報酬について小濱介護経営事務所の小濱道博代表は、16年度から小規模の通所介護事業所が地域密着型に移行となるが、通常・大規模型や小規模多機能型居宅介護のサテライトなどよりも「報酬が高い地域密着型への移行が有利になる」と強調した。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」
沖縄県主任ケアマネ研修「地域包括ケアシステムと地域ケア会議の開き方」

1.地域ケア会議に居宅の管理者も参加させる
2.会議に目標(ゴール)を決める
3.有料老人ホームの管理者を地域ケア会議に参加するように包括に提言する
(T.Mさん ケアマネ歴15年 主任ケアマネ歴:4年)

【ムロさんのコメント】
 4月からの制度改正の1つに地域ケア会議への事例提供の協力があります。地域ケア会議はケアマネ支援ではなく、包括的・継続的ケアマネジメント支援が目的です。支援の対象はケアチームです。担当ケアマネだけだと個人責任になります。利用者との契約主体は「居宅」です。管理者も参加することで事業所責任が明確になります。有料ホにおけるサービス利用の強制が問題化しています。居宅の母体が住宅型有料だとケアマネジメントの歪曲が起こりがち。現場の叫びです。


■ 全国の研修会場の声
沖縄県主任ケアマネ研修「地域包括ケアシステムと地域ケア会議の開き方」

「視野狭窄に陥っていることへの気づきです。学びはケアマネと包括の役割の明確化。なぜ地域ケア会議が必要かが明確になりました。やれていること、未熟なこと、まったく気づいていなかったことが確認できました。」(H.Yさん 対人援助歴22年 ケアマネ歴10年 社会福祉士)

【ムロさんのコメント】
 視野狭窄とは・・・(^_^;)。地域ケア会議はケアマネいじめ?やケアプランチェックだと勘違いが起こっているのも、誤った認識が流布したから(>_<)。本来は、利用者とケアチームを支援する絶好の場。質の高い助言とネットワークづくり、行政支援の動機づけができるのが「地域ケア会議」の本質です。それをしっかりと理解していただけた120名の沖縄県の主任ケアマネのみなさん。次年度からの取り組みがとても楽しみです!(^^)!

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!WEBから申込可能!)

⇒「なるほど伝わるコミュニケーション術〜実践的話し方の勘所〜」(定員15名:キャンセル待ち)
「うまく話せない」「ついあがってしまう」と話し方に悩むケアマネジャーや専門職のみなさん。話す場面は利用者(家族)だけでなく、サ担会議や地域ケア会議までさまざまですね。3月のスクールでは「話し方」がテーマ。発声・滑舌・表情づくりから、対象別、場面別の話し方、さらに話の組み立て方まで行います。年間100回以上、15年間の経験から編み出された高室式話し方の勘所を少人数で指導。どのような「場面」にでも応用できます。
│日 時│3月22日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/communicate2703.html

⇒「もうこわくない!苦情が感謝にかわる対応術」(定員15名)
いま、現場では苦情がとても増えています。かつては特定の人?だったのが、普通?の利用者(家族)から直接届くことも。でもそれって苦情でなく質問・要望・依頼ではないでしょうか?それにそもそも勘違いだったり。たとえば苦情が相談面接やサービスの「改善のきっかけ」になれば?苦情は質の向上の「宝箱」。焦らず、恐がらず、余裕を持った対応術を学びましょう。
│日 時│4月19日(日)10:30〜17:00
│詳 細│WEBにて→ http://m.caretown.com/tokyo/handle2704.html


★今週のおしらせ

◎ユーキャン「高室式ケアプラン書き方トレーニング」
テキストとDVD学習で、3ヵ月であなたもケアプランの達人に!
URL: http://www.u-can.co.jp/fukushi/shohin/05/

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「全国研修巡り:沖縄編だぞぉ!」(第402話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー3月号 高室流 考えるヒント
「共感」(Vol.12)


◇ 編集後記 ◇

 昨日の3月11日は東日本大震災から4年目でした。今も約23万人の方が避難生活を送っています。多くのメディアが、この4年間を振り返った報道をしていました。今も瞼には津波で流される家や車や人の姿が焼き付いています。
 昨日の朝日新聞のオピニオン欄に、23歳で農業を継いだ阿部聡さん(36歳)が語っていました。彼は家族5人を震災で亡くします。
「毎日泣きました。自宅2階にこもり、電気も暖房もない部屋で、家族の匂いが残る毛布を頭からかぶって酒を飲み、ただ泣き続けました。どうして誰もいないのか。なぜ、ハウスのきゅうりなんか気にしたのか。同じ事ばかりを考えます」。そう語る聡さんも、ある時、踏ん切りをつけることができました。それは、津波で壊れたハウスを解体中に「天国から見ている子どもと嫁さんにだらしないと思われる生き方はしたくない」という思いが湧いた時でした。
「希望は自分で探さないと見つかりません。誰かのために、何かのために生きている」と思えた聡さんは、いま、20代の若手農業後継者育成に夢をかけていると目を輝かせます。〈ムロ〉

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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