ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第408号
2014/07/10(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] ムロさんの助言 「苦情対応のコツ〜事実に着目〜」
[2] 最新業界ニュース
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 東京スクールのご案内
[6] 今週のおしらせ
[7] 編集後記

→東京スクールのお知らせ←
7月27日(日)10:30〜17:00 (定員20名)
【第1回】高室式「交渉力をつけるコミュニケーション」

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■ ムロさんの助言
「苦情対応のコツ〜事実に着目〜」

「苦情は好きですか?」
 この質問には、大抵の人はNOと首を横に振ります。言われた経験を話し合ってもらいますが、本当に暗〜いムードです。「では、苦情を言った経験は?」を話し合ってもらうと、やたらと盛り上がります(^_^;)。どうやら、苦情は言われるのも話すのも嫌だけど、言った経験はとても気持ちよく、周囲も共感しやすいのかもしれません。

 いま準備中の新刊でも「苦情対応」の節にはかなり力を入れています。なぜなら、ケアという仕事そのものが「本人の暮らしの苦情」処理のような側面を持っているからです。
 利用者(家族)から苦情を言われた経験がない、という人は滅多にいないでしょう。ではどう対応していますか?もしかするとひたすら傾聴・受容しているだけですか?いきなりお詫びですか?それだと身も心も疲れ果てますよ。
 なぜって?多くの人は論理的でなく情緒的、客観的でなく主観的に「不満・不安」を訴えてくるからです。まず先に来るのが怒りの感情だからです。クレーマー的な人はさらに輪をかけて激情的に言い募ってくるのでさらに・・・。

 では、どうしたらよいでしょう?感情的になっている人の言い分は、どこか矛盾していたりつじつまが合わなかったりします。それを指摘したり反論なんかすると、火に油を注ぐことになるから要注意です。
 ポイントは、相手の感情が治まってから、「事実」を聴き取ることです・・・これにつきます。経緯と事実を5W1H+1W(Wish:思い・願い)で聴き取ります。なぜか?そこには主観(どう感じたか、思ったか)が入らないからです。

 事実を整理すると人は主観を振り返ることができます。そして、どうしてもらいたいのか、求めているのがお詫び(謝罪)か改善策か金銭的賠償かが、はっきりします。ここまでくれば苦情対応は8割がた終わったようなものです。

 相手が気持ちでくるからこそ、気持ちで応えるのでなく論理で向き合うこと。その根拠になるのが「事実」なのです。
 事実を時系列で並べ客観的に「物語」として語ることで、お互いの「共通認識」が生まれることになります。やがて最善の解決策が見えてくるでしょう。


■ 最新業界ニュース

1.三重県 桑名市 通所介護新規参入抑制へ 24時間サービスを優先

 制度改正の駆け込みもあり全国的に増え続ける通所介護。事業者の新規指定抑制に踏み切るのが三重県桑名市だ。先月26日、デイサービスの指定権限を持つ県に対し、今後は県と市で事前に協議を行い、デイの指定や更新を拒否できるようにすることを求めた。12年の法改正で導入された地域包括ケアサービスの指定を優先する介護保険法の規定を活用するのは全国的にもまだ珍しい。

2.「お泊りデイ」不正は組織的。業務管理体制改善も勧告(神奈川県)

 川崎市など神奈川県4市で「茶話本舗」のフランチャイジーとして8カ所の小規模デイを運営していたライセス(本社東京都大田区、渡邊茂社長)に対し、神奈川県は連座制を適用することを決めた。すでに、6月11日付けで法人に対し通知している。5月に同社の通所介護事業所が川崎市から指定取り消し処分を受けた。現在の法律では、指定取り消しを受けた際に、同一法人の他の事業所の指定・更新を拒否する「連座制」を適用するかは、業務管理体制の指導を行う県が判断する。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ 今週の「3つのチャレンジ」
新潟県南魚沼市「ケアプランから個別サービス計画への展開〜サ担会義を活かす〜」

1.ポジティブな表現を心がける
2.本人(家族)から協力を得られるプラン作り
3.情緒的支え合いを会議に取り入れる
(N.Hさん ケアマネ歴5年 女性)

【ムロさんのコメント】
 サ担会議での席順の基本や進行の流れを確認できてよかったと書かれていたN.Hさん。基本的なことがわからずに日々の業務をやるのは不安いっぱいでキツイと思います。今回の研修でたくさんの学びと気づきがあったよう。情緒的支え合いはケアチームにとっても大切な時間。更新のサ担会議では、かならず振り返りに10分はとって各事業所さんと利用者(家族)の方にじかに話してもらいましょう。


■ 全国の研修会場の声
新潟県南魚沼市「ケアプランから個別サービス計画への展開〜サ担会義を活かす〜」

「担当する人の顔がずっと頭に浮んでいた3時間でした。それは幸せでもあり、一方で寄り添い・支える専門職として、地道にプランを作り実践することを通して成長を続けなければならないというきびしい思いも新たにしました」(N.Yさん 社会福祉士歴7年 包括職員 女性)

【ムロさんのコメント】
 3時間、ずっと利用者(家族)の方の顔が浮かんでいたんですね。私の研修ではそのような感想を述べられる方が多いですね。それだけN.Yさんが誠実に仕事に向き合っている証拠だと思います。内なる変化がN.Yさんのなかで始まっているのを実感します。チームケアのコーディネートは指示・命令ではありません。あくまで「黒子(くろこ)」としてケアチームを応援する立ち位置でがんばりましょう!応援しています!(^^)!

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!HPから申込可能!)

⇒【第1回】高室式「交渉力をつけるコミュニケーション」(定員20名:残席あり)
ケアマネジメントや地域や組織のコーディネートで求められるのが「交渉力」。利用者(家族)、ケアチームの調整役として行うコーディネートとは、まさに「交渉」なのです。利害の調整に悩むのでなく、思いやニーズ、立場や環境に着目することで「交渉」は驚くほどスムーズに進みます。高室式マネジメントのエッセンスを学べる一日です。
│日 時│7月27日(日)10:30〜17:00
│詳 細│HPにて→ http://m.caretown.com/tokyo/communicate2607.html

⇒【第3回】アクターズケア〜認知症の人とのコミュニケーション力を高める〜(定員20名)
認知症ケアに活かせるコミュニケーション技法として生まれたのがアクターズケアです。認知症高齢者は「その人の世界」に生きています。接遇の際に語られる人物(例:夫・妻、息子・娘)になることが必要な場面もあります。そのためにプロの俳優から「役柄の深め方」の技術(スキル)を実践的に学びます。また地域での認知症を理解するための「寸劇」での役づくりにも活用できます。明日から現場で使えるノウハウを身につけるセミナーです。
│日 時│8月24日(日)10:30〜18:00
│会 場│武蔵小金井駅(JR中央本線)より徒歩5分
│詳 細│HPにて→ http://m.caretown.com/tokyo/actor2608.html


★今週のおしらせ

◎NHK学園通信講座「伝える力〜福祉・介護篇〜」が好評!
3ヵ月であなたもコミュニケーションの達人に。DVDには講義とケース別対応(例:カンファレンス場面)が盛り沢山!
URL: http://www.n-gaku.jp/life/course/7Q2.html

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「連載の現場から(4)〜おもてなし〜」(第369話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー7月号 高室流 考えるヒント
「おもてなし」(Vol.4)


◇ 編集後記 ◇

 以前読んだ「認知症の介護のために知っておきたい大切なこと〜パーソンセンタードケア入門〜」を再読しています。BPSDへの対応として「必要なのは治療よりも理解です。心を開いていれば、そこにある意味を読み取ることができます」との記述がありました。しかし心を開く手法や動作や表情から意味を読み取る具体的手法は書かれていません。まさにアクターズケアは、そこに着目しています。※東京スクールでは、みなさんのご要望をお待ちしています。HPからお寄せください!(^^)!〈ムロ〉

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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