ケアタウン総合研究所
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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第403号
2014/05/08(Thu)
http://m.caretown.com/

▼今週の目次▼
[1] 最新業界ニュース
[2] ムロさんの憂慮と懸念 「迷走するサ高住〜早過ぎる住み替え?〜」
[3] 東京スクールのご案内
[4] 今週のおしらせ
[5] 編集後記

→東京スクール番外編のお知らせ←
5月25日(日)13:00〜17:00 (残席8名)
「CADL視点で行う事例検討会」
主催:日本CADL研究会/協力:ケアタウン総合研究所

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■ 最新業界ニュース

1.生活支援コーディネーター 市町村に800万円補助(厚労省)

 厚生労働省は25日、「都道府県介護予防担当者・アドバイザー合同会議」を開催した。従来の「専門家型」から「地域づくり型」へ予防事業も大きく見直される。予防事業は「住民運営の通いの場」が中心。立ち上げのためにアドバイザーを市町村に派遣するモデル事業を行う。生活支援や介護予防の担い手の養成・発掘や、マッチングなどを行う「生活支援サービスコーディネーター」を今年度から配置する市町村に対して、1ヵ所あたり800万円の補助を行う。。

2.JR・認知症徘徊事故死 控訴審は「妻に監督責任」

 過失相殺で賠償額半額に・・・愛知県大府市のJR東海道線共和駅構内で2007年、徘徊していた認知症の男性(当時91歳)が列車にはねられ死亡した事故で、JR東海が遺族に720万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が4月24日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は介護していた妻に対し、民法上の監督責任があるとして約360万円の賠償責任を命じた。JR側の事故防止対策にも問題を認めたため、全請求額の支払いを命じた一審判決よりも賠償額は減額されたが、介護する家族の責任を追及した姿勢は変わらなかった。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ ムロさんの憂慮と懸念
「迷走するサ高住〜早過ぎる住み替え?〜」

 全国の市町村を研修で訪れていると、介護現場やケアマネジャーの方々の生の声(本音)を聞きます。ここ1年ほどで増えてきたのは「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)を心配する声です。
「いやぁ、ほんまにぎょうさん建っていてびっくりですわぁ」(関西系)
「合築型で建てとるで、外のサービスなんか使かえんでいかんわ」(東海系)
「部屋が埋まらんので、FAXで営業してくるんです、どない思いますぅ?」(山陰系)
サ高住の話題を私が振ると、市町村の介護保険担当者は戸惑いつつ、苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべます。
「先生、本当にどげんかせんといかんです」(九州系)

 地域包括ケアシステムの目玉フレーズ・・・それは「早めの住み替え」です。5年前は「介護・医療・予防・生活支援・住まい」だった厚労省の文書が、いつの間にやら「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で〜」(平成25年3月地域包括ケアシステム研究会)と、住まいが前面に登場しています。
 この追い風を受けて?すさまじい勢いでサ高住と住宅型有料が建設ラッシュです。特養の待機待ち、自宅に戻れない入院患者の受け皿、独居生活が危ぶまれる人の駆け込み寺・・・では、そこで何が起こっているのでしょう。

 まず第1に、ほぼ当たり前になっているのが「支給限度額いっぱいのサービスを使わせる」流れです。介護報酬を見込んで、めいっぱい使ってもらい安い賃料と帳尻を合わせる。事業者に聞くと「それでないとやっていけないですよ」という返事が・・・。過剰なサービス提供も当然のようです。
 第2は「うちのデイや訪問を使ってもらわないと困ります」というサービス指定と制限の流れ。「住まい+サービス」の合築型がビジネスモデル化したなれの果てでしょうか。
 第3はケアマネ事業所(1人ケアマネ)も併設していますから、外部の目が届きにくく「不正請求の温床」となりやすいことです。いま、現場では「内マネ、外マネ」という隠語さえ使われています。

 在宅では4〜6割しか使わずにがんばってきた利用者の方がサ高住に入居すると、10割利用となり、なじんだデイや訪問介護・かかりつけ医を強制変更させられ、気の乗らないデイに日中ずっと・・・。やっと集めた経験不足の職員がヒヤリハット満載の劣悪なケアをしているとするなら、次に何が起こるか?

 いまサ高住は「空き」を作りたくないので、入居の営業が居宅や包括に殺到しています。「早めの住み替え」が「早過ぎる住み替え」を生んでいるとするなら、この責任をだれがとるのでしょうか?

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★東京スクールのご案内

≪場 所≫JR東中野駅そば(東京テクニカルカレッジ)
≪申込み≫ホームページより→ http://m.caretown.com/tokyo/
(メール、電話、Faxでも受付中!HPから申込可能!)

⇒【第2回】「CADL視点で行う事例検討会」(残席8名)
好評だった第1回の第2弾。今回は、講義「CADLと動機づけ」(高室)と研究会で行ってきた事例検討会をライブで行います。利用者の個別性やその人らしさ(本人らしさ)・強さ・願い・望みをどう引き出すか、を体験できます。
※CADL研究会(代表 高室成幸を中心にベテランの相談援助職10名で構成された研究会)
│主 催│日本CADL研究会 │協 力│ケアタウン総合研究所
│日 時│5月25日(日)13:00〜17:00
│詳 細│HPにて→ http://m.caretown.com/tokyo/cadl2605.html

⇒【第4回】「制度化目前!地域ケア会議の実践シュミレーション」(定員30名)
次期介護保険改正から本格的に義務化となる地域ケア会議。地域ケア会議の仕組みづくり、個別ケース支援と地域課題解決支援の整理、参加者設定から準備、進行の流れと実践的な勘所をシュミレーション。「地域ケア会議運営マニュアル」の解説と全国の取り組みも紹介。ケアタウン総合研究所作成のオリジナルの支援検討シートも提供!
│日 時│6月15日(日)10:00〜17:00
│詳 細│HPにて近日公開!


★今週のおしらせ

◎NHK学園通信講座「伝える力〜福祉・介護篇〜」が好評!
3ヵ月であなたもコミュニケーションの達人に。DVDには講義とケース別対応(例:カンファレンス場面)が盛り沢山!
URL: http://www.n-gaku.jp/life/course/7Q2.html

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「連載裏話:考えるヒントの本音〜違和感〜」(第360話)
URL: http://www.caresapo.jp/senmon/blog-takamuro

◎中央法規 月刊ケアマネジャー5月号 高室流 考えるヒント
「違和感〜なんか、変!?〜」(Vol.2)


◇ 編集後記 ◇

 今回のコラムはサ高住を取り上げました。連休前の週刊ポストで特養入居の裏ワザ特集(業界人には当たり前の事)をお手伝い。その反響が高く、今週号ではサ高住を取り上げるとのこと。本来のサ高住の良さ・優位性が歪み始めていることを憂慮する1人として、今回も実名入り!コメントをしました。コンビニ立ち読みの機会があればちょっと手に取ってみて下さい。勿論、ご購入をお勧めします。ただオヤジ向け雑誌なので、女性の方には・・・(^_^;)〈ムロ〉

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編集及び発行責任者:S.Takamuro
提供:ケアタウン総合研究所( http://m.caretown.com/ )

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