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ケアタウンメルマガ∞元気いっぱい
第398号
2014/02/20(Thu)
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▼今週の目次▼
[1] 最新業界ニュース
[2] ムロさんの感動 名著「夜と霧」に「人生の意味づけ」を学ぶ
[3] 今週の「3つのチャレンジ」
[4] 全国の研修会場の声
[5] 今週の「連載」
[6] 編集後記

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■ 最新業界ニュース

1.14年度診療報酬改定 地域包括ケア「病院」も支援

 中央社会保険医療協議会(会長=森田朗学習院大学教授)は12日、2014年度診療報酬改定について、田村憲久厚生労働相に答申した。病院からの在宅復帰を促進するとともに、地域や在宅での受け皿拡充を目指す。主治医機能を評価する「地域包括診療料」は月1503点。後期高齢者医療制度では猛反発されて頓挫した外来の包括払いが復活する。2025年度を目標年度とした医療・介護一体改革に向けた第2弾の改定。団塊の世代が後期高齢者になり、医療・介護のニーズが高まっても現行の病床数は増やさないのが大方針だ。入院期間はより短くし、在宅での療養体制を整えるのが大きな方向性だ。

2.通所リハ 原点は重度者支援 これからの通所系サービス

 次期報酬改定に向け通所介護の適正化が課題となっているが、通所リハビリとの機能分担も介護保険以降の課題となっている。全国老人デイ・ケア協会の斉藤正身会長(医療法人真正会理事長)は、「重度者の受け皿が不足している現状に目を向け、通所リハビリと通所介護が連携して機能分担を進めていくべき」と話す。リハと介護の連携として「地域ケア会議」に期待が集まる。

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最新ニュースは「シルバー新報」の協力により著作権の許可を得て掲載しています。シルバー新報 ウェブサイト(PC専用)→ http://www.silver-news.com/
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■ ムロさんの感動
名著「夜と霧」に「人生の意味づけ」を学ぶ

 V.E.フランクル著「夜と霧」をみなさんはご存知でしょうか?あのユダヤ人収容所アウシュビッツに数年間収容された精神科医の著者が、その凄惨な現実のなかで感じた「人間とは?」をテーマに書かれた世界的ベストセラーです。

「収容所生活に入った人々はショックの第1段階から第2段階の感動の消滅段階へと移行した。内面がじわじわと死んでいったのだ。苦悩に満ちた情動を、内なる感情をすぐに抹殺しにかかる」・・・すさまじい表現です。
 心が麻痺すると、目の前の拷問や暴力にも、苦しむ人間、瀕死の人間、病人、死者などは見慣れた光景となり、目をそらさず、無感心になにも感じずに眺めていられようになるといいます。「感情の喪失はそれほど徹底していた」と。

 しかし、一方で彼は「この不感無覚は、被収容者の心をとっさに囲う、なくてはならない盾」として肯定します。心が壊れないための最後の防衛本能、自己保存システムなのです。
 しかし、このような状況でも「殴られながら嘲(あざけ)られる愚弄は何よりも苦痛だった」と。下卑た嘲笑は人としての尊厳を容赦なく叩きのめすからでしょう。

 そして・・・本書は、アウシュビッツを生き抜いた人とそうでない人を冷徹な目で描きます。
「未来を、自分の未来をもはや信じることができなかった者は、収容所内で破綻した。精神的なよりどころを失い、自分を見捨て、身体的にも精神的にも破綻していった」・・・そして、彼は精神科医として「精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的をもたせなければならない」と悟ります。彼らが生きる「なぜ」をことあるごとに意識させ、精神的に耐えられるようにしなければならない。そして、極限状態では「苦しむことの意味づけ」ができたひとは、いかなる抑圧からも精神的に解放されると。

 やがて彼は、「過去の充実した生活のなかで経験したこと、心の宝物はなにもだれにも奪えないのだ」という話を、いつガス室に送られるかわからない人々に始めます。涙を流して聞くさまを見た時、本来、精神科医としてしなければいけなかったことに思いいたり、そうしてこなかった自分を恥じています。

 最後に彼は「ユーモアも自分を見失わないための魂の武器だ」と・・・
 極限におかれた人と向き合うことの「深さ」を知らしめてくれる一冊です。


■ 今週の「3つのチャレンジ」
岩沼市包括・主任ケアマネ研修「支援困難ケースと包括・主任ケアマネの対応」

1.「困難」は何かの見直し
2.男性介護者の困難性
3.居宅内のカンファレンス
(A.Oさん ケアマネ歴8年 男性)

【ムロさんのコメント】
 支援困難ケースで大切なのは、「だれにとっての困難化?」「何が困難なのか?」「だれが、なにが困難にさせているか?」という視点です。主観や憶測・推測だけの決めつけ対応は、ケースをさらに困難化させます。女性が8割のケアマネジャーのみなさんには「性差の違い」を学んでもらいたいと、今回もお話をしました。この内容は、どこでもとても大きな反響があります。


■ 全国の研修会場の声
岩沼市包括・主任ケアマネ研修「支援困難ケースと包括・主任ケアマネの対応」

「困難と感じていないケアマネに、どう対応すればよいでしょうか。どこまでケアマネに指摘すればよいか。どのように話をもっていき、スーパービジョンにつないでいけばよいか。本人がスーパービジョンを嫌がっている時にどうすればよいでしょうか」(E.Sさん 包括保健師 保健師歴3年)

【ムロさんのコメント】
 「私、ストレスがないんです」という人ほど、周囲にストレスをもたらしているものです。ストレスや困難がないというのは感性が「鈍感」になっているか、それを認めることの怖さや不利益を回避しているか、思い上がっている?かいずれかでしょう。スーパービジョンは本人の内面に向き合うので、まずは事例検討会で「ケースの見立て・手立て」の検討から入るといいでしょう。まずはそのケアマネさんの「心を開く」こと。焦らず、急かさず、じっくりと取り組むことが近道でしょうね。

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★今週の「連載」

◎中央法規『けあサポ』ブログ(研修写真も多数掲載!)
今週の「ケアマネさん、あっちこっちどっち」は「講演:コーチング手法を活用した「学び」の計画化」(第349話)
URL(PC専用): http://www.caresapo.jp/fukushi/blog/

◎中央法規 月刊ケアマネジャー2月号 高室流"自分育て"の学び術
「コーチング手法を活用した「学び」の計画化」(Vol.11)


◇ 編集後記 ◇

 今月2回も北関東・東北に「ゲリラ豪雪」が襲来しました。東京・奥多摩&桧原村、山梨県山中湖・西湖などは地理感もあるので、とても心が痛みます。南海トラフの地震対策、ゲリラ豪雨対策にさらにゲリラ?豪雪も求められるとは・・・ここ数年の予想外の自然の脅威は、来たるべき「危機」の予兆なのでしょうか?どのような備えをすれば憂いは消えるのでしょうか?(>_<)〈ムロ〉

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